メアリー、無理しないでteto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | ロマンチックな夜の為に君は舞台に上がっていく でもそのドレスが血で紅く染まっていることを知っているから そう簡単には無責任な賞賛など出来ないな 真っ黒に汚れたその台本は一度二人で描く為に真っ白へ 後悔など瓶に詰め、 海に流したらいい 拾われても滲んでさ、 誰も読めやしない なあ?メアリー? 悲しみは君の血肉だと言う だが喜びを捨てる理由にはならない なあ?メアリー? 君の代わりなどどこにも居ない だが君の役はきっと誰かが埋める 疲れたなら全てやめにしよう やめたあとに次を考えよう 観る者の心無き演劇は 白紙に近いただの言葉さ 「高慢ちきなあの人に恋をし始め落ちていく。 でも堕ちていくのはわたしだけでどうしようも無く沈んでいく」 だろ?俺なら君の苦悩、 哲学や他の願いも 全てわかってあげられるのに君はそれを抱え舞台で昇華する 地上波に小さく映る 吐き気を伴う大衆の群れ 空回る永遠の肥溜め 祈りの届かぬシスター 心配など紙飛行機にし、 空に飛ばしたらいい 雲を突き抜けた後は誰も読めやしない なあ?メアリー? 悲しみは君の血肉だと言う だが喜びを捨てる理由にはならない なあ?メアリー? 君の代わりなどどこにも居ない だが君の役はきっと誰かが埋める わかったから全て投げちまえ 君だけの重そうな荷物を 「それでも私は私を演じ、 ノンフィクションからフィクションを産む」 メアリー、 手遅れになる前に メアリー、 地上に落ちる前に |
もしもし?もしもさぁteto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | もしもし?もしもさぁ 俺らまた来世で出会ったとして 記憶の片隅にすらも残ってない赤の他人同士になるなら 君が惜しみもなく見せる不細工な寝顔でさえも どうやら価値があったんじゃないかってそんなことを思っている 一度散ってしまった胡蝶蘭がもう一度咲き始めたあの日 記憶の無くなった祖父から名前を呼ばれて 夜が明けたあの日と同じ光が差し込んでいる だから わざわざ馬鹿な話がまたあなたと交わしたい 酸いも甘いも毎日の変化すら飲み込んで 風をも置き去るスピードで聞こえてくる声が 未知で満ちた道をまた一から作り出す どこで聞いてたって もしもし?もしもさぁ 天からぶら下げられたあの糸に 一千万人一斉に走り一人だけが掴める争いがあるなら 恥も外聞も気にせず異論も疑問も持たざる そんな人種に生まれ変わるよう誰か俺の背中を蹴り上げろ 糸が千切れたら一位とかあいつこそが転べば一位とか些細な事は気にせずに 背に刺さったあの明日 たまには真正面から抱きしめていく だから ガラガラに枯れたこの声も濁った両眼でも 自分の分の運も個性として抱え込んで 大切に守るべきものを迷わず選ぶから あなたがアート、あなたが花だから離さぬよう どこで生きていたって だから わざわざ馬鹿な話がまたあなたと交わしたい 酸いも甘いも毎日の変化すら飲み込んで 電波障害も飛び越えてあなたへ飛ぶ音で 未知で満ちた道をまた一から作り出す まだまだ鳴り止やませない二人だけのあの話 こんな夜こそがずっとずっとずっとずっと続きますように |
夏百物語teto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | しょっぱい風に身体を預けて 日差しにやられた僕の頭の中は 甘いパッションフルーツのかき氷みたく 溶け始めている それだけもうアレに夢中だ ねぇ 明日はどうだろう 木陰で休んでいても 波打つ音に誘われ 「堪えるな」と聞こえたから 誰かさ、手と足繋がせて もう誰とキスをしても もう誰と夢を見ても 一夏の思い出だと 好き放題したらいい ハイビスカス、麦わら帽子、砂埃から守るパラソル 風情やそんな趣を後ろ盾にして楽しめれば 恋をまたひとつ、ふたつ増やせれていいな しょっぱい風に身体を預けて 日差しにやられた僕の頭の中は 甘いパッションフルーツのかき氷みたく 溶け始めている それだけもうアレに夢中だ ねぇ 明日はどうだろう 去年の今頃はまだ 眩しさに目を眩ませ 何もかも見えなくなり 沢山の恋を落としていた あぁ古びた駄菓子屋の 炭酸の薄いコーラ 変わっても変わらなくても 愛し続けるからさ 泥まみれのビーチサンダル 何度洗えどどうせ汚れる 心の汚れも落ちないなら そのままタオルに包み込んで 丸ごと明日にまた持っていければいいな 貝殻たちは今日も優しくて 誰かに拾われ、すぐに飽きて捨てられる それでも何も言わずに潮騒を鳴らす 夏を音にして思い出を蘇らせている ねぇ 今年はどうだろう しょっぱい風に身体を預けて 日差しにやられた僕の頭の中は 金色に輝いたプラジャーパティに 見惚れ始めてるそれだけもうアレに夢中だ きっと変わらぬ恋が愛に変わるだろう きっと今年の夏はいつか取り返すから |
invisibleteto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | 涙が枯れる頃に アスファルトも乾いて 街灯は瞬いている 点滅繰り返し まるで俺の気分を 映し出している 身体は透き通って 誰にも気付かれず どうやら俺は今 無意味で無価値でいるようだ このまま此処に居た 証が無くなるというなら その前にただひとつふたつみっつよっつ 焦がれる程に恋してみたい 溢れる程に愛してみたい 透明のままであれば叶うことはないのでしょう そうか 目の前で交わされた 愛の誓いを告ぐ花嫁の 傷ついた数を上回る 包み込む甘いキスを 佇んで眺めていた 夕暮れ過ぎた頃 少し着膨れた子どもが 自転車で俺をすり抜け 家で待つ母に愛に行く このまま此処に居た 証が無くなるというなら そのまえにただひとつふたつみっつよっつ 焦がれる程に恋してみたい 溢れる程に愛してみたい 透明のままであれば叶うことはないのでしょう そうか 日が出る前に 月が欠く前に 夢になる前に お前を見つけに 焦がれる程に恋してみたい 溢れる程に愛してみたい 透明のままであれば叶うことはないのでしょう 誰からも相手にされずに このまま消えてしまう前に どこからか呼ばれた声が 微かに色づけてくれるのだろう |
夜想曲teto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | 変わることを恐れた一匹のエゾシカは 春を迎えることすら ままない様だった 月に照らし出されて 雫が煌めいて 銀色に囲まれた二度ともうない夜だった 一粒、二粒、雪が背を刺す度に想いがまた募る 遠ざかっていく街や声をもう一度抱えていきたい 愛や憎しみ、欲望までも全てを飲み込んで 混ぜて満たしてゲロになるまで全てを吐き出したい いつか訪れる自分の死まで全てを飲み込んで 最後笑って眠りにつく為、全てを溶かしていきたい 「道に迷ったなら東へ行きなさい、日が昇り出すから。」 とあの時父は言った 愛や憎しみ、欲望までも全てを飲み込んで 混ぜて満たしてゲロになるまで全てを吐き出したい いつか訪れる自分の死まで全てを飲み込んで 最後笑って眠りにつく為、全てを溶かしていきたい いずれ朽ちて無くなってしまうまで なるがままで歩いていくのです 愛や憎しみ、欲望までも全てを飲み込んで 混ぜて満たして光になるまで全てを吐き出したい 人に産まれて人である限り人を求めていく限り 最後笑って眠りにつくまで全てを抱きしめてみたい いずれ朽ちて無くなってしまうまで なるがままで歩いていくのです |
kill&missteto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | カラスが喰い散らかしていった あそこんちの前の生ゴミは まるで社会の縮図 いつか俺も骨になるまでやられそう 道のど真ん中でじゃれあって 踊るうざったるいカップルも 日々の憂鬱からの 反動というなら俺の怒りはどこに うぉーと聞こえる薄っぺらい熱狂に唾を吐く 今地球がひび割れたら 胸の奥のこの思いは 全てが無に全て遠くに 誰にもただ気づかれぬまま 昨日の夜 君が俺にただ 中指を立てている夢を見た いつもより笑ってて いつもより寂しい表情で 彼女の飲みこぼしたミルクが このコンクリートに横たわって 空に蒸発していく いっそ染みになったら忘れないのに うぉーと聞こえる薄っぺらい熱狂も数えてく 今地球がひび割れたら 今あなたと刻んだ日は 全てが無に全て遠くに ならば割れたあなたのもとへ |
ねぇねぇデイジーteto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | 毎年春よ来いと思ってはいつの間に春はやってきて 気付けば君が枯れる、うなだれる季節になるんだろうな 街頭演説で革命家は「背中を押すわ」と言っていて 地球の裏側でも端でも駆け付けて行くんだろうな それよりさ、さっきまであった 水と肥料がどこにもないな ねぇデイジー ねぇねぇデイジー 革命を起こされるのはごめんだって 勝手気ままで何とか暮らしてるんだって ねぇデイジー ねぇねぇデイジー 革命より君への水の方が大事 まぁいいけど脅かしていくなら もう静かにやってって もしも人が人を救えるならこの花も枯れることはなくて あらゆる始まりとか終わりとか無くなっていくんだろうな それよりさ、さっきまであった 俺の希望がどこにもないな ねぇデイジー ねぇねぇデイジー 革命を起こされるのはごめんだって 勝手気ままで何とか暮らしてるんだって ねぇデイジー ねぇねぇデイジー 革命より君とのキスの方が大事 まぁいいけど脅かしていくなら もう静かにやってって |
suimo amaimoteto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | ボーイズアンドガールズ この目に映る一万円札でさえもう 表と裏で異なったその表情を覗かせてくるから 天使にも悪魔にもなれるはずない人間だったら 表や裏で片付けられる表情じゃ済まされないだろ 見えないが見えるようになっても 見えなかった煌めきを探してる わたしはわたしを創ってて あなたはあなたを創ってる 重なることなんてないのに それなのに何故か わたしはあなたで悩んでいて あなたも誰かで悩んでいる 小さい世界でしかないのに それなのに何故かさ 酸いも甘いも噛み分けてみても 寝ても覚めてもまた今日になった こうなればもう自己責任で喜んで今日も寝転んで 無責任で誰かを喜ばせて愛でていきたいものです 見えないが見えるようになっても 見えなかった煌めきを探してる わたしはわたしを創ってて あなたはあなたを創ってる 重なることなんてないのに それなのに何故か わたしはあなたで悩んでいて あなたは誰かで悩んでいる 小さい世界でしかないのに それなのに何故かさ わたしはわたしを創ってて あなたはあなたを創ってる 重なることなんてないなら それなら今から わたしはあなたと悩んでく わたしはあなたと創ってく 小さい世界でこそ大きく それなら今から |
ラストワルツteto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | 英才教育のもと育った わたしももうバレリーナ 見本になることだけ覚えて 誰にも心を開けずにただ ずっと履いて黙って踊ってた 赤いトゥーシューズはまだ サイズが違うように思えて 足枷のように感じてしまう 靴擦れに気づいた頃にはもう末期 素直に脱ぎ、踊り始めたら良かったわ 正解なんてもう知る必要もない そう不恰好なほどダンスを踊るバカでいたい 不正解なんてもう知る必要もない そう、不恰好なこのダンスを踊った挙句に笑って眠りたい マタタビで戯れ合いだすあの猫のように 時間を忘れて、ただ忘れたくないものをずっと得ていきたい 正解なんてもう知る必要もない そう不恰好なほどダンスを踊るバカでいたい 不正解なんてもう知る必要もない そう、不恰好なこのダンスを踊った挙句に笑って眠りたい 道から逸れることを怖がらず 踊るストリートダンサー 希望の灯りでこのからだが 焼け焦げようとももう構わない |
螺旋階段teto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | アイツらは胡散臭い街で眠らない夜を過ごす 俺は普段と変わらずに眠らない夜を過ごす 叶わない夢を見ている 大好きなブラックコーヒーをもう一杯飲み干して 苦みがかった唾を吐いたなら涙目の自分と目があった 叶わない夢を見ている 夜はよく思考が巡る いつからか人の理想はどんどんと大きくなって このままでは自分の欲にただただ潰されていく 数字だけ追うコバンザメたち 踊らされていくあの少女たち 何もできやしない俺自身 ただただただ無力か 考えたら考えるほど螺旋階段に陥っていく |
不透明恋愛teto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | ティーカップに積もり積もる埃の重みを数えては 想いと時が重ね合って増してくことなど無いと気付いた いつからだっけこんな風に思ったのは ハイカットは上まで紐を通すアイツの履き方と 窮屈になった自分の足元を追っては思い出した いつからだっけこんな風に思ったのは いつからだっけこんな風に思ったのは 秒針の音は鳴り止まず 同じリズムを刻んでいく 繰り返されれば忘れられず この時は音になって残っていくのでしょう まともに愛せないなりの愛を 相も変わらず不透明でさえも ただあなたに差し上げたいのです 薔薇は抱え露草は蹴って笑う顔に違和感を覚え 日傘は時に視界を遮ると誤解をされて分かった 濁ってしまった心でさえも「時が経っただけ」なんて 笑ってくれますか まともに愛せないなりの愛を 相も変わらず不透明でさえも ただあなたに差し上げたいのです あなたに |
声のもとteto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | 「月が出てれば道は明るいね」と 幼い頃に耳にした言葉は 離れて見える昨日をそっと辿り 希望を撒いた明日をもっと想える 遠い遠い愛おしいあなたの声がする その声のもとに渡していたい 消えかけていた明かりに火を灯し 消えかけていた未来を照らし始める 遠い遠い愛おしいあなたの声がする その声のもとに渡していたい 結んでいた手を開いてほら 鐘の鳴り響く朝をずっと待っていたんだろう いつかの誰かが今日も走り去って 誰かに会いに 遠い遠い愛おしいあなたの声がする その声のもとに渡していたい |
コーンポタージュteto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | ポツリポツリと光る街灯と自動販売機の灯りをアテに 君の街まで歩いてゆこう 肌寒いから紺のマフラーを巻いて この山道は暗くなったらおばけが出ると君が言うから ほんの少しの勇気を出して歩くペースをちょっとだけ早めてみた 朝が来るまでもう僕らはお気に入りのレコードかけて スナック菓子をくしゃって食べ 欠けたグラスで乾杯しよう あの神社の角を曲がれば君の家まであと少しさ 真っさらなものを見れるまで怒られるギリギリで歌おう 「このくらいは大丈夫?」 「このくらいは大丈夫。」 「明日は朝早いかい?」 「今夜は大丈夫さ。」 朝が来たって僕らずっと次の日を探していくんだろう これからも何度でも そんなもんと嘆く前に未来で笑い合う為だけに これからも何度でも 朝が来るまでもう僕らはお気に入りのレコードかけて スナック菓子をくしゃって食べ 欠けたグラスで乾杯しよう あの神社の角を曲がれば君の家まであと少しさ 真っさらなものを見れるまで怒られるギリギリで歌おう 「このくらいは大丈夫?」 「このくらいは大丈夫?」 僕もそっと目を閉じて明日を夢見ていく 今でも君は足音を消し、部屋の明かりをそっと灯しているのかい? |
ただいまおかえりteto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | 再生ボタンを押した時に記憶や匂いが蘇る気がして ネオンの灯りが見えるたびにあの耳鳴りが聞こえた気がした 此処は無菌室ではない ましてや縛られてもいない 待つことさえ迎えに行くことさえできる部屋 再会は約束でも祈りでもなくていい もっと単純な形でいい わからないなら、わからないままでいいから わかりたいと思う自分で居させて 此処は地下室ではない 光が見えない事もない 待つことさえ迎えに行くことさえできる部屋 再会は約束でも祈りでもなくていい 恋の始まりに似ててもいい 伝わらないなら伝わらなくても仕方ないから 伝えたいと思うあなたと居させて ただいまおかえり |
全肯否定teto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | 何千万、何億とある散らばった答えを掻き分け 導き出して辿ったひとつ、ひとりを無くすことはできず それでも人の祝福を願う為だけの天使にはなれそうにもない 何千万、何億とある溢れ出す遺恨が歪みだして 巡り巡って捻じれてった拳銃、知らずに撃ち込んでいた夜 それでも人の災厄を願う為だけの悪魔にはなれそうにもない 例えばあの星たちが何億年も昔から 時を越え色褪せず閑かに在るのなら 目の前のこの時代も全てを認め赦せるように 祈りを込めようと構わないはずでしょう 人間なら 俺が俺のまま在り続けるなら生きる意味よりも生きる意志か 例えばあの星たちが何億年も昔から 時を越え色褪せず閑かに在るのなら 目の前のこの時代が形を変えど続くように 祈りを込めようと構わないはずでしょう 人間なら |
LIFEteto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | このビー玉に映る街もまた 美しく思えるようになったのです ガラスの中では偽りだとしても 時には真実よりずっと綺麗なもの 君に嫌われないようにと なんとなく言っちゃった夢が 今では本当になってさ なんだか笑える話だよな この薔薇の棘も意味があるのなら 痛くは映らないようになったのです 幸せとは何? そう思える時間こそが なによりだれより幸せでした 君に嫌われないようにと なんとなく言っちゃった夢が 今では本当になってさ なんだか笑える話だよな 君に気に入られるようにと なんとなく始めたバンドは 今でも楽しくやれててさ たまには遊びにでもおいでよ |
蜩teto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | いつかの蜩の鳴き声が遠ざかっていく あの日常も幻のように 海の深くから陽を眺めるように朧げに浮かぶ 歳月の波は容赦なく私を飲み込んで あの街も木々も君も奪ってく まるで昔から無かったかのように跡形だってなく 冷えた炭酸の沁み渡る速さで 薄暗い街もオレンジに染めて 最初で最後の覚悟で まだ見ぬ愛を探している あの蜩のようにあなたもあの日鳴いていた いつかの日暮しの泣き顔が遠ざかっていく あの日常も幻のように 海の深くから陽を眺めるように朧げに浮かぶ 幸や不幸、思想も意思も生まれた場所さえも 関係なく夕焼けはいつだって 私を守っては、私と話しては、私と歩いてく 冷えた炭酸の沁み渡る速さで 薄暗い街もオレンジに染めて 最初で最後の覚悟で まだ見ぬ愛を探している あの蜩のようにあなたもあの日鳴いていた 掠れてく鳴き声で短い蝋を灯していた 夏が終わりゆくように あなたのことを思い出すんだ 最初で最後の覚悟で まだ見ぬ愛を探していた あの蜩のようにあなたもあの日鳴いていた 掠れてく鳴き声で短い蝋を灯していた 夏が終わりゆくように あなたのことを思い出しています |
夜想曲teto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | 変わることを恐れた一匹のエゾシカは 春を迎えることすら ままない様だった 月に照らし出されて 雫が煌めいて 銀色に囲まれた二度ともうない夜だった 一粒、二粒、雪が背を刺す度に想いがまた募る 遠ざかっていく街や声をもう一度抱えていきたい 愛や憎しみ、欲望までも全てを飲み混んで 混ぜて満たしてゲロになるまで全てを吐き出したい 正解も不正解も真偽も全てを飲み込んで 最後笑って眠りにつく為、全てを溶かしていきたい 「道に迷ったなら東へ行きなさい、日が昇り出すから。」とあの時父は言った 愛や憎しみ、欲望までも全てを飲み込んで 混ぜて満たしてゲロになるまで全てを吐き出したい 正解も不正解も真偽も全てを飲み込んで 最後笑って眠りにつく為、全てを溶かしていきたい いずれ朽ちて無くなってしまうまでなるがままで歩いていくのです 愛や憎しみ、欲望までも全てを飲み込んで 混ぜて満たして光になるまで全てを吐き出したい 空が暗くて膝をついても何度間違えようとも 最後笑って眠りにつくまで全てを抱きしめていたい いずれ朽ちて無くなってしまうまでなるがままで歩いていくのです |
ラムレーズンの恋人teto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | 「何が好きとか何が嫌いとか いい年だからもうやめたら?」と あの人は言った 「好き嫌いとか目を悪くするのよ。 目を悪くするとさ、この美人が見えないよ。」と あの人は言った そして彼女は準備を始めた あの人が毎朝焼くパンには決まって忍び込んでるラムレーズン それをひとつかみ、ちぎってはバレて怒られるのが好きだ 「嘘であるなら嘘でいいけど 最後の日まで騙しきって」と あの人は言った あの人が毎朝焼くパンには決まって忍び込んでるラムレーズン いつからか無くして嫌いだけ残って好きになれないラムレーズン 嘘や本当はさておき、あの日々があったような |
時代teto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | 春の風、役目を果たした汚れた鞄と学生服と 赤く染めた放課後の色とあなたと歩いた焼却炉の側 恥ずかしかったあの丘の上は懐かしかったあの頃の匂いが 今あなたがどんなに年老いたって 昔のあなたにはもう会えなくたって あなたと居た事実が真実が何より美しいんだ 桜のせい、彩った校舎が憧れた筒の中へ収まる 儚く染めた家までの帰路とカーブミラーに映る自分自身の頬 去ってくバスは次第に遠く遠く、排気ガスは空に上がり舞った 今あなたがどんなに年老いたって 昔のあなたにはもう会えなくたって あなたと居た事実が真実が何より美しいんだ 昔あなたが落とした紙飛行機に乗って 今あなたの住む街まで飛び立って 何から話せば笑うだろうか そんなことを思っている今 恥ずかしかったあの丘の上は懐かしかったあの頃の匂い、あのままの匂いが 今あなたがどんなに年老いたって 今のあなたにはもう二度と会えなくたって あなたと居た事実が真実が何より美しい |
こたえあわせteto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | 一から十、いや百まで千まで答え合わせをしたがる姫 答えが違えばのたうちまわり次の執事へ そろそろサヨウナラか いつからだか、頭ん中は簡単もわかんなくなった 俺の間違いが姫の求めた答えでその逆もあるから そりゃ俺だって人間さ 善や偽善やそれ以前でも動くさ ただ意味も答えもない様をサマにするってそれが俺の性さ 上手に起きれないといい上手に話せないといい こんな風になるなど昔じゃ想像出来ないよ せめて走り去る馬に蹴飛ばされないように それでも割とプライドは誰より持ち続けて今をやっていくのさ 今は愛や恋はどうでもいい 好きや嫌いもどうでもいい 好きになりかけた苦手なラムレーズンに踊らされたからどうでもいい 愛や恋はどうでもいい 好きや嫌いもどうでもいい 繕って着るタキシードは侘しいからそれなら俺は着なくてもいい |
hadaka no osamateto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | 似非裁判官が下す有罪 端から聞く気無し エゴとエゴの全面戦争 今宵も酔いどれ漫談会 似非革命家が流行らす風潮 端から流行っちゃいない 廃品回収車に乗って去って灰になって空を舞え 裸の王様 頼むから腹を割れ いつかあなたと巡り会えたら 裸の心臓を見せ合おう いつかあなたと巡り会えたら こぼれた愛を拾い直そう |
高層ビルと人工衛星teto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | she see sea 甘い音に乗って she see sea 苦い実含んで she see sea 風に吹かれて泣いて she see sea 今更わかって わかって 普遍と不変に塗り固められる場所で失ったことも失って失って ある日突然に枯れた歌声の聴こえてくるような季節は気付けば過ぎた ねえ 高層ビルが退屈に光って俺を嘲笑っているよ ねえ 人工衛星も孤独と飛び交って俺を嘲笑っているのか もう不甲斐なくて 情けなくて 涙が溢れて 零れ落ちた she see sea 淡い手に祈って she see sea 荒い眼に映って she see sea 風に吹かれて笑って she see sea 今更わかって わかったような 繕いもせずに産声をあげる赤ん坊のように成りたくて 成りたくて 初めて手にした岡崎京子の Pink を理由にするには十分過ぎた ねえ 高層ビルが退屈に光って俺を嘲笑っているよ ねえ 人工衛星も孤独と飛び交って俺を嘲笑っているのか もう 不甲斐なくて 情けなくて 涙が溢れて 零れ落ちた ふたりだけ 茜色の海や物憂いな横顔はもう ふたりだけ 茜色の海や物憂いな横顔は 今更わかって ねえ 高層ビルが退屈に光って俺を嘲笑っているよ ねえ 人工衛星も孤独と飛び交って俺を嘲笑っているのか もう |
トリーバーチの靴teto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | こんな感じでSEX PISTOLSを聴いていたらさ 欲望に身を委ねた裸足の私が追い回して来て あっかんベーの愛を欲しがって トリーバーチの靴を欲しがって 折れ曲がった「来るべき世界」を片手に 溶けかかったストロベリーアイスを片手に 退屈と憂鬱と戦って 孤独と私と戦って 何にもない夜に私を染めていく 何にもない色に私を染めていく 何にもない夜に私を染めていくんでしょう? 何にもない色に私を染めていく 地下鉄のホームの壁に寄り掛かっても 形だけの彼氏の背中に寄り掛かっても 肌で感じる温度の差はそう全くもうなくて 私が必要とする差すらそう全くもうなくて 何にもない夜に私を染めていく 何にもない色に私を染めていく 何にもない夜が私を濁らせて 何にもない色に私を染めていく あなただけ あなたが目 あなたが手 あなただけ |
奴隷の唄teto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | 奴隷の慌ただしい一日が始まったようです 自分に相応しい振る舞い立場を今日も弁えます 聞き覚えのない笑い声は聞きたくなく反面 誰かの悲しむ顔面、断念、ダイジェストも見たくはないようです 透明で新しい化学強化ガラスでさえも 自分の汚らわしい振る舞い立場を写し出してしまいます 意味もないくらい暗い部屋で腐敗・落胆 来年こそ再来年こそと眩しい朝日を思い浮かべます 空返事に付いた値札が下級労働者の最低賃金 奴隷は氷河期の世に慣れて もう道は未知、停滞 居なくても問題無い場所で吸う息は苦い 奴隷は用無しと咎されて もう脳は機能停止、灰 目手耳足口が思うよう動かぬようです 昨晩作った負の引っ掻き傷、かさぶたにすらならないまま 血の滲みが滴る頃に消えない後悔の多さに驚いた 誰かの意思は興味ない 蝶になり自由に飛んでいきたい 切ったり貼ったり継ぎ接ぎデニムの如くの関係なら断ちたい 奴隷は「降参しろ」と脅されても好きは好きでいたい 好きでいないものに対してもクリーンでいたい 奴隷は「共感しろ」と脅されても好きが好きでいたい 自分で自分の夢中を自由に広げたいようです 「余命がもう何日も無い。」と申されても良いように生きていたい 自分の1位な位置で粋な息がしたい ドレミファソラシドと均されてもそこに意思はない ファシドレミドラソくらいで気ままに生きていたいようです |
市の商人たちteto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | 目の前に広がりゆくダイヤの成る木 住民たちの木 市の商人たちは伐採する 馬鹿馬鹿しい小銭にもならない非売品 売れもしない情 市の商人たちは見放していく 運ばれてきた汗と涙が満面の笑みへの香辛料 道徳より損得に惹かれ トンでゆく欲の補食者たち 航海せずとも手に入る地位 乗り換えせずとも辿り着く土地 東西南北続く逃げ道 今宵も酔い乱れる死の商人 |
洗脳教育teto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | 始業開始の合図のベルが鳴る 「君ら一斉に同じ方角へ向き 目立たぬよう、歩幅を合わせ、 思考回路を止め、休まず走れ」 無意識に修正された習性 首切りされ幽閉 ほら、どうせまた朝日が昇る 飼われ買われ変われない朝が来る 無意味に修正された習性 好きに空を舞う燕 ほら、どうせまた朝日が昇る 飼われ買われ変われない朝が来る ほら、どうせまた夕日が落ちる 「喉元を過ぎれば熱さも忘れる」 頷かせて疑わせない洗脳教育 |
種まく人teto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | 産まれてすぐオムツを履いて 八イハイしながら積み木を積んだ 少し背が伸び鉛筆を持ち 青春時代にギターを持った 産まれてから沢山の自然と共に歩んだ 仕事をしながら本屋へ通い 部下が出来共にコーヒーを啜る 白髪が増えたら畑の中 移ろいゆく歴史を振り返る せめて未来への種を蒔き、この生涯を終えよう 華やかな花束に暖かく囲まれたな |
散々愛燦燦teto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | 黄緑色の街の隅っこで弄り返されるヴァイブレーション 駐車場で群れをなしてる野良猫達は そう一匹だけで生きている顔をして一匹だけを愛する顔をして 軽自動車に映った顔を見て初めて気付いた 逃しちゃったんだ 無くしちゃったんだ どこにも帰れない 散々愛燦燦が降っていた 冷房の音だけが響いてた あの部屋の甘い空気はどこに ゆらりゆらり電車に揺られて のらりくらり街を彷徨って 産まれた言葉や歌はどこに 塞ぎこんで頬杖をついてそっぽを向いて悩む僕 靴紐を結び直してはしゃぎ回る君 4年半経った今でもまだその右手で丸を作り出して 4年半経った今でもまだその丸で僕を見透かした 逃しちゃったんだ 無くしちゃったんだ どこにも帰れない 散々愛燦燦が降っていた 冷房の音だけが響いていた あの部屋の甘い空気はどこに ゆらりゆらり電車に揺られて のらりくらり街を彷徨って 産まれた言葉や歌はどこに ほら今だってこの部屋から産まれた喘ぎ声を思い出した 長所は無いし超しょうもないし せめて爆音でバコーーーンってやりてえけど 流行らないそんなもんか求められないそんなもんか 溶けたブルーハワイにでも感傷に浸って称賛を得ちゃいます 散々愛燦燦 |
マーブルケイブの中へteto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | あぁ2回目に読み終えた「車輪の下」を置き ヨレたTシャツを脱ぎ、一目散に走り出した あぁ朝食のベーコンエッグ、食べる間も無く走り出した 家を守った君への おはようのご褒美さ ミニー こんなことになるならまだ走り足りなかったよ 小さい体、大きな声でスカした街に吠えてくれよ 辿りついた校舎の裏 聞こえる野球部の声 気怠そうに走ってごめんよ 自分へのご褒美だったのにな ミニー こんなことになるならまだ走り足りなかったよ 小さい体、大きな声でスカした街に吠えてくれよ あぁ いつから悟っていたんだい あぁ 僕は君の家を守れていたのかい ミニー こんなことになるならまだ走り足りなかったよ 小さい体、大きな声でスカした街に吠えてくれよ ミニー こんなことになるならまだ気づき足りなかったよ 小さい体、大きな声でス力した僕に吠えてくれよ どうやら手は動かず目を開けるのもひと苦労か 間に合わなくなる前にマーブルケイブの中へ |
Pain Pain Painteto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | いつだって償って償ってイキがって報われなくて いつだって満たされない見つからない見えない会えない有り得ないな 聞き飽きたことばかり言葉軽い物語 届かないだったら早くして心変わり ラブのないラブホテルに泊まって 愛のない愛撫をして笑って 帰り際イヤホンから流れる void がいつもより深く刺した 時計の針はなりふり構わず進んで 私もなりふり構わず進んで 戻って進んで戻って進んで 綺麗事でも絵空事でも他人事でも何事でもなくて 何にも言えない後付けはやめて傷が癒えない後付けはやめて 痛い痛い痛い痛い痛いなんて声が聞こえて 危機の音、聞こえないフリをしてしまって 冷凍食品の底とあなたへの愛が底を尽きた頃 無愛想ばっか振り撒くあたしは何だかいつか干されてしまいそう 可哀想いつでも全てわかってしまいそう 午前2時43分32秒マスカラが落ちてしまいそう 明日からあなた無しで 泣き出せないのは吐き出せないから 愛したから新たな視で 可愛い私はわかっているから 明日からあなた無しで 泣き出せないのは吐き出せない 愛したから新たな視で 可愛い私はわかっているから |
溶けた銃口teto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | 不必要な言葉に耳を塞ぐから必要な 言葉を聞き逃してしまったんだろうな あの夏が過ぎ去ってやっと白くなった吐く息と 共に見える言葉でようやく気付けたから 唯一の救いだった君に渡したあの7インチが 有線となって街の隅から聞こえた あぁそうだった、この旋律は笑い合えて泣くこともたやすい 自由気ままなものだった 2000年前も今も乗せて 置いてきたあの季節や光景や、 あの星は時代を超えて遊泳し続けているんだろう ただ溶けた銃口はもう二度と戻らない 君を撃ち抜いた重みは変わらない あなたがいい 変わらない |
夢見心地でteto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | 街中のライトが消え始め、誰もが寝静まりゆく頃 哀愁を帯びたあの星は誰に見られずとも光っている 日が暮れたら間に合わなくなる、そう思っていた時もあった それでも日が沈んでいくから出逢えたこともあった 夢見る時代ならもう過ぎた それでももう一度見た夢が心地良くて 裸のままあなたにただただ逢いたくて きっともう一度だけ僕等も新しい時間があるのさ 「あなたがまだあなたでいるから、わたしもわたしでいられる」 それならわたしも、もっとわたしで居ていたいと思えた 憂いや悩みを抱え込んでそれでも恋人たちは今日も歩いていく 水飛沫を上げ、また誰にも届かずとも歌を歌う鯨と 同じく新しい朝へと向かっている 夢見る時代ならもう過ぎた それでももう一度見た夢が心地良くて 裸のままあなたにただただ逢いたくて きっともう一度だけ僕等も輝かしい時間があるのさ 眩しい朝焼け あなたと見たいだけ 知らない街まで何も持たずに行きたいだけ |
手teto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | 文字通り道草食ったサルビア ぺんぺん草 全然無駄じゃなかったと気づいた今更 気儘な田舎の下校中やその途中貰ったアイス チャイム早く鳴れと願って いつの間に終わってゆく学生 カセットの裏 未だインクの滲まぬ名前に胸が熱くなった 理由無き反抗など迷子と遠くの星に笑われるけど 意味も無い自信だけが根拠 モットー 馬鹿馬鹿しい平坦な日常がいつまでも続いて欲しいのに 理想と現実は揺さぶってくる でもあなたの、あなたの手がいつも温かかったから 目指した明日、明後日もわかってもらえるよう歩くよ 大好きな優しい祖父も夜の冷たさやアルコール、ストレスには勝てない 投げつけられた湯呑み 切った指先より傷む心がここに 「それでもあなたの父親代わりよ」 涙を隠した姉さん あの時よりなにより太陽に恥ないよう 生きたいように息をしてるよ 理由なき反抗など迷子と遠くの月に笑われるけど 意味も無い自信だけが根拠 モットー 馬鹿馬鹿しい平坦な日常がいつまでも続いてほしいのに 理想と現実は揺さぶってくる でもあなたの、あなたの手がいつもあたたかかったから 目指した明日、明後日もわかってもらえるよう歩くよ 知りたい、見たい、未体験な世界 描いた夢はまだ持っていたい 痛い痛いと嘆くのも結局未来に期待したいだけだった まだ見ぬ時代に会いたい 会って直接臆せず触れていきたい あなたの手がそうだったように 辛うじてまだ自由に動くこの手で |
忘れたteto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | 60分15000円と書かれた右手の看板と 左手の薬指には安っぽく光る指輪 俺はそんな彼に何故だか憧れを抱いた 「歩けど歩けど歩かねばならぬ」との歌を思い出した 副業であかぎれた母の手とそれを馬鹿にしたクラスメイトと 顔立ちすら思い出すことのできない過去の父と 考えただけでもう何故かえずいてしまっていた 不安定、不透明、不感症なそんな過去を思い出した いつか全て忘れた頃、無くした頃あなたと居た あなたと見た半径1メートルの世界だけはもう譲れはできないなって そう思えるから今日も生きれたんだ 抱き合い共に笑う子供達、泣き顔を恥じ隠す大人達 空腹と憂鬱で背けたくなる午前と何も手の付かない午後 骨の軋む音まで何故か聞こえてしまうから いつしか届けと思い漕いでたブランコを思い出した 今まで喜ばせた人の数、今まで悲しませた人の数 幾度も考えた今についてわからずにまた今日も眠る 自分の居場所を知られたくない それでも誰かに気づいて欲しい 当ての無い場所を彷徨い、幾千の歳月は去っていた ああ赤い実も弾けて いつか全て忘れた頃、無くした頃あなたと聞いた あなたと知った半径1メートルの世界だけはもう譲れはできないなって そう思えるから今日も いつか全て抱えてもっと離さずもっと無くさずもっと必ずとも 何年経とうたって寿命がいつ来たって忘れはしたくないなって そう思って今日を生きていたいんだ まだまだ |
拝啓teto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | いつの間に右に左、西に東、瞬く間に一人 当たり障りの無い言葉選びに飽きた日々 いつの間に耳に忍び、脳内に腐り犯し始めるTV 檻に囚われたポニーの様にいよいよ世に迷子な日々 アラームを恨んだ 気性は荒くなった あの貨物列車は誰かのように不安定だ いつの間に右に左、西に東、瞬く間に一人 当たり障りの無い言葉選びに飽きた日々 一丁前に笑い怒り叫び踊り泣き合いたいというのに 壁の耳や障子の目を気にして生きてキリがないのに アラームを拒んだ 起床が無くなった あの有権者は数年間目覚めぬまま 掃いて捨ててしまう程の出会いで 褪せた色や埋もれた都市はいつかまた出会えるだろうか いつかまた眺められるのだろうか しがない冒険者の浅ましいRPG あぁすぐに救いを掬い美しい在るべき生活のもとへ 掃いて捨ててしまうほどの出会いで 褪せた色や埋もれた都市はいつかまた出会えるだろうか いつかまた眺められるのだろうか 拝啓 今まで出会えた人達へ 刹那的な生き方、眩しさなど求めていないから 浅くていいから息をし続けてくれないか |
光るまち(アコースティックVer.)teto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | 悪ガキにはなれない並ガキな君の口癖はただ「眩しい」だった そつなくこなす、嘘付くことない君の背中を追うのが好きだった 愛想笑いが苦手な君の無愛想笑いを見るのが好きだった 愛想笑いもする機会のない僕の心のスーパーヒーローさ 光るまちに行こう 終電には帰ろう 君に連れられて来たライブハウス、何かコカ・コーラは薄かった 音は煩い、煙草も臭い でも見える世界は眩しかった 君が狭い狭いステージで歌ったあのダサい歌が好きだった 君の狭い狭い狭い狭い狭い狭い世界こそ正解だ 光るまちに行こう 終電には帰ろう 思いかえせば一昨日くらいのことのように思えるあの日たちは 埃を被って日焼けした小説の一部の如くになっていく あのライブハウスは無くなった 僕らも会うことは無くなった それでも今もこれからもこうして 光るまちに行こう 終電には帰ろう 光るまちに行こう 終電はもう逃そう |
暖かい都会からteto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | 蝶々結びで締めた思い出を そっと遠くについて開いたら 果汁100パーセントの鮮度で蘇った 昔の私 夢が夢のままで終わらないように目覚まし時計をかけていた 何時何時明日が来たっていいようにポケットから手をだしていた 耳元で戯言を囁く小悪魔なんかは怖くは無かった 知らなかった 「相変わらず同族嫌悪と妄想してんの?」って見透かし帝王 「叶う叶う」と自称暖かい都会から見下す気分はどうだい 本音なんて置いておいて余計なお世話だって蹴って時間が経って這って いつしか本当のところ本物の心なんてものは無くなっていた 浅はかだ 本命なんて放っておいでよって腑抜けた声で誘って間抜けに反省、懺悔 左右前後運動の多少面倒臭い過剰な愛としか思えない頭が仇になった 雑踏の中に埋もれたままシャットアウトしてやっと目を閉じた 夢が夢のままで終わらないように目覚まし時計をかけていた 何時何時明日が来たっていいようにポケットから手をだしていた 雲の上に雲があって奇しくも明日の天気は決まってるとは 知らなかったん 知らなかったんだ 周り周りの回り回るトレンドと空洞なコメントで汚れた 強洗剤では落ちない繊細な疑心暗鬼と偽善探知機 本音なんて置いておけ余計なお世話だって蹴って時間が経って這って いつしか本当のところ本物の心なんてものは無くなっていた 浅はかだ 本命なんて放っておいでよって腑抜けた声で誘って間抜けに反省、懺悔 左右前後運動の多少面倒臭い過剰な愛としか思えない頭が仇になった 雑踏の中で揉まれたままシャットアウトしてそっと目を閉じた ビルとビルを駆け抜けるありふれた新都心部で 蜘蛛の糸を待つ順番待ちの模範解答者 |
this isteto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | 完成しても喜べないジグゾーパズルなんかもう捨てて さぁさぁさぁさぁ迎えにいこう窮地で吊るされた自分を XYZで始まる時系列があったって構わないから 全てかき混ぜてスムージーにして飲み干してしまえばそれでいい 知らないし、もう何も見たくない、もう大抵のことに興味はない 針の無い壁掛け時計や紐の無いコンバースが言ってんぞ、おい まぁそれも俺もだし、それじゃないのも俺だからあんまり気にすんなって 好きなものは好き、好きじゃないのもたまに好き そういうもんか 雨に打たれて風に吹かれてこんなことを夜に まいにちまいにちまいにちまいにちまいにちまいにち考えていて 考えていて 勘違いも甚だしかったなんて思うことがありまくって 知らないフリをして生きていくには知ることを知り過ぎた |
My I Myteto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | 「曖昧な愛なんて必要ない 会えないぶんだけ辛い賭けじゃない?」 関係ない要らないなら頂戴、そんな愛 ダサいプライドこそ必要ない あんなに「楽しい」「悲しい」を忘れて 呑気に12時に起きるお昼 相変わらず濃いブラウンのカーテンの隙間から 覗く太陽が嫌味ったらしいよ 毎日飽き飽きしちゃうね 毎日眠ってたいね 前に進めだなんてそんな簡単に言わないでよね 虎視眈々とアンサンブルを鳴らす あの姿のあなたに憧れて濡れてたのに 今じゃ850円と出来高だもんね 「誰にでも全盛期はある、全然平気よ」 なんてそろそろフォローフォロー あのバーテンダー惹かれんなー結婚してんの? 「蜂に刺されたアナフィラキシーショック!」 長文メールなんつーか何通も送っちゃったのに 似非精神崩壊、脳内崩壊、壮大公開、後悔 そうかい?なんて気にも止めない顔してこっち見んなよ 毎日ドキドキしたいね 毎日サボってたいね 会いに行けばだなんてそんな簡単に言わないでよね 毎日恋を更新したいね 毎日遊んでたいね やけに沈みかける夕日が無駄に染みていくよね あぁそっか時が経つってこんな感覚だったのなら 1日1日にいちいち遊ばれたらキリないね |
teen ageteto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | 図書館を越えて横道を抜けてそびえ立った大木が僕に覆い被ったときに いつか並んで自販機で買ったレモネードの味を思い出した 渡す筈の11桁や泣かす筈の寸劇や笑い声や電車の音や 駅南の土管や醜い罪悪感さえも 忘れもしない あの校舎の匂い |
9月になることteto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | いらなくなったあの首振り固定の扇風機 買わなくなった安っぽい甘ったるいアイスキャンディー 8月になれば全て蘇る気がしたんだ 何もかもあたかも元通りになって 忘れたい筈のあの言葉だけは忘れない様に出来ている脳 変わっていったあの白昼夢の堂々巡り さらっていった揺れの不安定気な観覧車 9月にさえなれば全て笑える気がしたんだ 何もかも身も蓋も無い話になって 「南へと向かうあの人の影に私の足で追い付きたいの」 過ぎ去った夏が作り出した あの透き通ったあなたを思い出した 焼けた海岸線、割れた蛍光灯、汗ばんだ掌 過ぎ去った夏が作り出した ぶっきらぼうな夜を少し恥じた あなたへの想い、声、恋、遠い距離が重なって重なって 錆びついていたあの日乗り捨てた白い自転車 漕がなくなった分、背負うものも減ったジレンマ 過ぎ去った夏が作り出した あの透き通ったあなたを思い出した 焦げたチョコマフィン、溶けた銃口、モノクロのリタ・ヘイワース 過ぎ去った夏が作り出した ぶっきらぼうな夜を少し恥じた あなたへの想い、声、恋、遠い距離が重なって重なって 雨上がり蒸し返す空気、蝉の鳴き声 汗をかいた瓶サイダー、それとあなたの 過ぎ去った夏が作り出した あの透き通った肌を思い出した 泣けた海岸線、開けた心臓、繋がっていた点と点 過ぎ去った夏が作り出した ぶっきらぼうな夜を少し恥じた あなたへの遠い遠い遠い遠い距離が重なって重なって |
utopiateto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | 永遠に続くはずのあの街の恋やゲーセンは終えて残ったのは 一本のカビ臭いブルージーンズ 世に屈服、割腹いいあんちゃんは今日も何だかメディアに 3回転半踊らされ目が回っているようだ 俺といったら洗い残された食器も片付けられず 親友の誕生日すら祝うことも出来ず 誰か予想していたんですか、こんな未来は 誰か梱包してくれ、ごめん興味ないか 今日もまた勘違いされて終わっていった 嘘吐いて騙して騙されてしまった 昔ってもっと笑い合って描き合って抱き合ったような 理想郷がいつだって側にあったような |
あのトワイライトteto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | あのトワイライトが僕を何度も何度も何度も蘇らせてた 濾したアイスコーヒー 閉じたヘルマンヘッセ 重い腰あげて洗濯干して東南口に迎えに行かなくては 気付いたら夕方さ 気付いたら夕方か 魅了したいされたいされ続けていたい、し続けていたいよ あのトワイライトのように 何度も何度も何度も何度でも輝いて生きてたいよ あのクロエ・モレッツのように トワイライトのように 知らない間に築き上げられた訳のわからない年功序列や 媚びた愛想笑い しがらみ 知らない 要らない 魅了したいされたいされ続けていたい、し続けていたいよ あのトワイライトのように 何度も何度も何度も何度でも輝いて生きてたいよ あのスカイ・フェレイラのように トワイライトのように 僕は 考えても考えても超々好きなものだけに囲まれていたいのに 考えても考えても想像通りにはいかない 生きられない 魅了したいされたいされ続けていたい、し続けていたいよ あのトワイライトのように 何度も何度も何度も何度でも輝いて生きてたいよ あのトワイライトのように 僕は |
36.4teto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | 快楽ジェットバスに浸った奴をぶっ飛ばす為のタイムマシーン あぁはなるまいと誓っていた過去の自分が乗って来た気がしたんだ ブレブレ幹の根 節操ねえ まるでそれ泥の船 見えない夕暮れ なんとなく抱いた 酔っ払って愛したって思い出せない頬のチークや目元の赤ライン 謝って確かだったのは割れたピーナッツと残り1/3の赤ワイン 敢え無く床に広がった湿った色褪せたライトグレーのジャケット 頭ん中軽く蝕んだ黄ばんだ36度4分の末路 届かない遠吠え しょうもねえ間抜け手の鳴る方へ 聞こえない君の声 なんとなく吐いた 酔っ払って愛し合って思いがけない程の心臓の痛みが朝方に 抗って確かだったのは割れたピーナッツと残り1/3の赤ワイン なんとなく買って半端なく頭痛を助長させる缶コーヒー カウントなく訪れ甲斐性ない俺の休日を終わらす背徳心 |
ルサンチマンteto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | 一人目は守銭奴の商売人 養分になる奴だけを吸い上げる 二人目はPTA会長の娘 ズレないように生きないと気が済まない 三、四人目は滑稽な自称表現者とそれに群がる思考停止の取り巻きちゃん 全員あしでまといになる ルサンチマンお前は間違ってなどいないよと問い掛けてくれよ ルサンチマンお前だけは悲しむべきじゃないよと問い掛けてくれよ 掌で踊らされ脅され、そんな暮らしには飽き飽きした 世直し、お掃除する気なし ただ地球を蹴っ飛ばしてえ ルサンチマンお前は間違ってなどいないよと問い掛けてくれよ ルサンチマンお前だけは悲しむべきじゃないよと問い掛けてくれよ |
新しい風teto | teto | 小池貞利 | 小池貞利 | | 地味なワンピース売っ払って 派手なユニフォームつっかぶって 飴玉の詰まった脳味噌がカラフルに今弾け飛んだ 1.2.3.4.5 感が織り成すファンタスティックが俺を包んで 1.2.3.4.5.6 なんて数えても見つからないことが好き あーだこーだくだ巻いても毎日マジ生きるだけで精一杯 右から左に流れる雲や左から右に流れる嘘 裏切った裏切られたの言い合い 美しい麗しいの馴れ合い まぁそんな良くわかんねえ生活が今の俺を作っていったんだろう 知らない野良猫がそっと知らない声で煽ってくる 知らねえよ知らねえよ知らねえよ要らねえよ 新しい時代をそっと新しい風で煽っていく ここからかここからかここからかここから生きていく |