コインとランドリーAJISAI | AJISAI | 松本俊 | 松本俊 | | 佇む街並み 急ぐ人の群れ 十人十色だと誰かは言うけど もしもこの世界がモノクロだとしたら 少しはマシなのになあ 小さな頃から「協調性」という名の服を着せられて生きてきたけど 背が伸びるたびにそれも窮屈になって 今じゃ僕を苦しめる 表か裏かで投げられたコイン 縦に立つ可能性に賭けてみたい 明日はきっと何かが違う そんな希望胸に抱いて ああ 誰もが生きるから 何とか今日を越えて行けるんだ 人混みに流されながら それでも僕ら藻掻き続けてる わずかな光を探して 駆けずり回って それが人生です 出会いも別れも 喜びも悲しみも 濁った渦の中 混ざり合っていく まるでこの世界はぐるぐる回るランドリー 絡まったり ほどけたり 自分を愛することも出来ずに 僕はあなたを愛せるだろうか? こんな時代に誰がしたと 無理にでも敵を作って ああ 誰もが叫んでは 弱い自分を誤魔化してるんだ 本当はみんな分かっている 強くありたいと願っている だから傷つき迷って途方に暮れてく それが人類です 明日はきっと何かが違う そんな希望胸に抱いて ああ 誰もが生きている 間違いながら輝きながら 明日はちょっと笑ってみよう 今日と違う何かを見つけよう いつも見落としてきたモノは足元に転がってるさ |
声AJISAI | AJISAI | 松本俊 | 松本俊 | | 「何となく生きて、死ねればいい」とあなたは言う それがあまりに哀しくて 僕は涙が出た 長い間あなたは真っ黒な世の中にいたから 暗闇に目が慣れて余計な物まで見てきたんでしょう もしもこんな僕に出来ることがあれば それはたった一つだけ この声が聞こえてるかい 何度だってあなたの名を呼んでいるよ この長い夜から今連れ出すから 聞こえたなら返事の代わりに さぁ その手を伸ばして 僕も同じように苦しくて辛くて だけどあなたがいれば… この手が震えていても ちぎれそうでも僕を信じて 離さないから あなたの存在がただ 僕を照らす光になる だからそばにいて 「何となく生きて、死ねればいい」とあなたは言う 「あまたがいないとね、生きていけない」と僕は言うだろう この声が聞こえてるかい 何度だってあなたの名を呼んでいるよ この長い夜から今連れ出すから 聞こえたなら返事の代わりに さぁ その手を伸ばして もう迷わないで |
鏡AJISAI | AJISAI | 松本俊 | 松本俊 | | 鏡の中 映る自分の姿が嫌いだと君はつぶやいて目を背けた 目に見えてる所ばかり君は気にして 隠れてる内側をちっとも見ようとしない 着飾ることに疲れたと君は言う それでもまだ慣れない笑顔で愛想笑い 上手く生きるための術を探しては また一人で塞ぎ込んでる だけど君が 不器用であるほど僕は愛しくて その度また君を好きになるの 誰かと比べるのはもうやめよう 君は君だよ それ以上も以下もない 一人になりたい時もあるだろう だけどいつかきっと 「こんな夜は誰かのそばにいたい」もしも君がそう思う事ができたなら 僕がずっとそばにいてあげるよ 朝が来るまで君と話を続けよう 右と左 逆さにしか映せない鏡なんて最初から全部間違いだらけだ そこに映る君がすべてじゃないから だからもう自分をこれ以上嫌わないで 誰も一人じゃ生きれないだろう それは僕も同じで 「こんな夜は誰かのそばにいたい」もしも君がそう思う事ができたなら どこにいたって駆け付けてあげるよ そんなことしか今はしてあげられないけど 数え切れない夜を越えて 同じ数だけ朝を迎え どんなものにも終わりは来るから もう昨日を探さないで 器用になんてならなくていい 素直に泣いて笑えばいい そのままでいいよ君のままで さぁ顔を上げて 「こんな夜は誰かのそばにいたい」もしも君がそう思う事ができたなら 僕がずっとそばにいてあげるよ 朝が来るまで君と話を続けよう 朝日が君の全てを照らしてく ありのままの君がとても綺麗で 僕はただ眺めてた |
涙が乾いたらAJISAI | AJISAI | 松本俊 | 松本俊 | | 悩んで迷ってまた転んで 新しい傷ばかりが増えて 不器用なくらい真っ直ぐな君は それでも無理して笑っている 泣きたい時に泣ける強さを 弱さだとずっと思っていた だけどもう大丈夫 ありのままで思い切り泣いて笑えばいい 歩んできた道その全てが 正しいかなんて分からないけど ここが君の選んだ道なら 間違いも正解も無いんだよ つまづくことを怖れて だけどつまづく事で初めて 倒れ込んだ拍子に見上げた空 その青さに気付けるから 君が誰にもなれないように 誰も君になれない だからその顔を見せて 涙枯れるまで泣こう 今日は疲れ果てるまで泣こう 泣いて泣いて 心に雨を降らせてあげよう 涙が乾く頃にはきっと小さな花が咲くから 君は君の信じた道をただ進めばいいんだよ 奇跡と呼ぶからややこしくて 偶然と呼ぶから安っぽくて そんな出会いと別れの中で それぞれが孤独の旅に出て 時に夢破れ引き返して いつかその夢は埃かぶって 忘れ去られた引き出しの隅 本当はまだくすぶってんだろう? まだ間に合うさ いつだって思い立てばほら そこがスタート地点になるんだから 涙枯れるまで泣こう 今日は疲れ果てるまで泣こう 泣いて泣いて 心に雨を降らせてあげよう 近道を選ぶほどにゴールは遠くなっていくもんさ 歌いながら迂回しながら ゆっくりと歩いて行こう たまには焦らず少し息抜いてさ 騒がしい世界を僕ら生き抜いてこう たくさん失くして また拾って 涙枯れるまで泣こう 今日は疲れ果てるまで泣こう 泣いて泣いて 心に雨を降らせてあげよう 涙が乾く頃にはきっと小さな花が咲くから 君は君の信じた道をただ進めばいいんだ 君の眉間じゃなく目尻に沢山シワが増えますように 間違った分だけまた答えが 必ず見つかりますように 新しい傷が増えるたびに君は強くなる そして誰より優しくなれるんだ さぁ またここから歩いて行こう |
0AJISAI | AJISAI | 松本俊 | 須江篤史 | | 生きる意味探してた そんなの無い事も解ってたのに 押し寄せる人混みの中 自分まで見失いそう 僕は誰だ?“名前”じゃなく証明が欲しい いつも探してた いつも望んでた 痛みだけが確かなもの だけど傷を刻むくらいなら 0になりたかった 何もかも全部捨て去って だけど0になれなかった 違う明日を僕は願ってる 誰もが喜びや幸せ掴もうと手を伸ばすけど もしも本当に触れることができたら それはただの紛い物 右と左の境目を探すくらいに すごく曖昧で とても困難で 理屈ばかり並べてみたところで何も解りはしない 0になりたかった このままどこか消え去って だけど0になれなかった 心の奥 生きろと叫んでる 全て捨てても0にはなれない 人の心にあるわずかな光 0になりたかった だけど消せないその光 例え明日が暗闇でも 僕の存在をただ照らしてる |
少年と僕と、あなたの唄AJISAI | AJISAI | 松本俊 | 松本俊 | | 砂埃巻き上げながら少年は走ってた 空高く打ち上げられた真っ白なボールを追って あと少しで届きそう 思い切ってジャンプした だけどバランスを崩して派手に倒れ込む 客もまばらな野球場 座った僕の隣には くたびれたスーツのおじさん 野次を飛ばす 行く当てもないまま僕は この場所に迷い込んだ 晴れ渡る空の下で ゲームは続いてく フェンス越しに眺めてた さっきのあの少年は 目に涙を溜め込んで それでも立ち上がった 僕も隣のおじさんもいつの間にかその少年に 遠い昔の自分自身をそっと重ねてた いつからだったろう? 最初から何でも全部決めつけて 届きそうな夢さえも追わなくなったのは やっと気付いて手を伸ばす 気がつけば隣の野次も声援に変わっていた まるでいつかの自分に送るように 君も僕もそしてあなたも それぞれに戦っている 決して終わることのないゲームは続いてく ずっと続いてく 少年はひとつ呼吸して また走り出す ボールを追いかけて |
流れ星AJISAI | AJISAI | 松本俊 | 松本俊 | AJISAI | 静けさが響く そんな夜に君と 星空の下で待ち合わせた 大人になること まるで拒むように これが僕らの小さな抵抗だ 真夜中の校舎に忍び込み 屋上で君と寝転んでいた 体は空へと吸い込まれてく 流れ星ひとつだけ夜空に輝いて消えた 一瞬だけの命なら なんて儚いんだろう 綺麗なままじゃ人は生きていけないけど 僕らどうかずっと変わらないで そう願った 流れ星に ずっと子供でいたい 君はそうつぶやいて 少し悲しい顔をしてた なぜだろう 心の真ん中が苦しくて 何も言えなかった 僕も同じような気持ちだったから 流れ星またひとつ 夜空に輝いて消えた 手を伸ばせば掴めそうで だけどすり抜けてくから 君だけは離さないように強く手を握るよ 今の僕に出来ることは ただそれだけ それだけでも… 誰かが決めつけた星座の形みたい 僕ら何かに縛られてる たった一つの答を探して 数え切れないほどの 星と星を線でつなぐ ほら自由に描けるだろう 答えなんて無限にあるんだ 流れ星ひとつだけ夜空に輝いて消えた 一瞬だけの命でも なんて美しいんだろう 綺麗なままじゃ人は生きていけないけど 僕らどうかずっと変わらないで そう願った 流れ星に |
虹AJISAI | AJISAI | 松本俊 | 松本俊 | AJISAI | 僕が生きる意味を 探した時、迷った時 浮かぶ顔はいつも ただ一人だ 雨上がりの空を 見上げてたら隅っこにほら とても綺麗な 虹を見つけたよ この虹が消えてしまう前に 君にも見せてあげたい そんな馬鹿みたいな 理由だけど 今「ありがとう」って気持ち 伝えたくて 水溜まり飛び越えて 君のもとへ 風のように鳥のように あとほんの少しだけ まだ虹よ消えないで もしもこれが映画の ラストシーンなら きっと最後は予想通りに終わるんだろうなあ だけど僕らが生きる世界は 気まぐれで残酷で そしてもっと 素敵なはずだから 今「ありがとう」って気持ち 伝えたくて 暗闇照らしてくれたのは君で だから次は僕が 君のその泣き顔を 笑顔に変えたいから 君も生きる意味を 探した時、迷った時 僕のこと 思い出してほしいんだ 今「ありがとう」って気持ち 伝えたくて 僕は空の彼方を 見上げたけど どこを探してみても もうそこにあるはずの 虹は消えてた そんな僕を見て 君が笑うから 釣られて僕まで 笑ってしまった 君と僕の心を 繋ぐようにほら 小さな虹が今架かったよ |
はづきAJISAI | AJISAI | 松本俊 | 松本俊 | AJISAI | 空は快晴 雲をちぎってく海辺の風 君を乗せてペダル漕いでスピード上げた 遠ざかる町 歪んだ世界を夢中で駆け抜けた きっと自由だった 夕暮れ赤く染めた街路樹に寄り添う影 いっそこのまま時を止めて 永遠さえもあると信じてた だけど今は嘘で着飾った言葉並べて いつか僕ら大人になってゆく 戻れはしないよ 君と見てたあの夏はまるで蜃気楼のように きっと霞んでゆくから瞼に焼きつけた 君を… 遠くで微睡む葉月の雨 乾いた心に触れて すぐに通り過ぎて行く 君が流した涙は夜空に咲く花火のように 輝いてすぐ消えた かすれる声 さよなら 手を振る君に 僕は振り返らずに行くよ 季節が巡るたびにまた思い出すのさ 君を… |
リメンバーAJISAI | AJISAI | 松本俊 | 松本俊 | AJISAI | 夏の終わりが近付いて ヒグラシが鳴く畦道を 裸足のままで駆けてゆく あの頃の僕がいました みんなと「じゃあね」した後で 俯き歩く帰り道 本当は全部わかってた だけど「ただいま…」って呟いた キッチンにはママがいて ガレージの奥にパパがいて そんなありふれた幸せ ずっと夢見ていたの だけど僕は一人ぼっちだったんだ 呼んでみても返事はなかったんだ そして大人になった僕は 君に 全てを求めてしまうの 母の温もり 父の優しさ 君は君でしかないのに それでも君はただ黙って 抱きしめてくれるから なんだかね 満たされるんだ いつかまた巡り巡る夏 リメンバー 今は繋いだ君の手を 離さないように歩いてこう 夏草揺れる帰り道 平凡過ぎる世界が どうか明日も途切れないように それが僕のささやかな祈り だけど子供のままでいたい僕は あの日と同じ空の下 瞳を閉じてみた 耳を澄ませた 風や木々の囁きが あの頃確かに聞こえたんだ でもどんなに願っても 今はもう何も聞こえない 「それでいい」と 君は隣で笑う 萎(しお)れた向日葵 止まない蝉時雨 誰かが忘れた麦わら帽子 さよなら夏の日 手を振るあの子は 置き去りのままの幼い僕だ そして大人になった僕は 君に 全てを求めてしまうの 母の温もり 父の優しさ 君は君でしかないのに その腕の中で包まれ眠る時 なぜだろう? 懐かしくて また蘇る遠い夏 リメンバー 君がいれば… 夏は終わってしまうけど 僕らの明日は続いてく |
眠らない魚AJISAI | AJISAI | 松本俊 | 松本俊 | AJISAI | 明かりを消した薄暗い部屋で 君の背中にもたれながら このアパートの小さな窓から見える夕日が好きでした 笑い合ったり傷つけあったり ただ季節が過ぎることも 僕はあたりまえに思ってたんだよ あたりまえのことなんて何ひとつ無いのに 君が好きだったあの歌を知らずに□ずさんでいた 明日もし世界が終わるとして きっと僕が最後に願うことは どんな地位や名誉や金でもなく ただ君に逢いたい そう願うだろう 愛って形がないくせに壊れてしまうものなんだな やっと気付いて僕はそのかけらを パズルみたいに組み立ててる 守りたいもの 大事なもの あまりに多すぎて でも本当はただひとつだけ この街はまるで深い海の底みたいだ そこからまた僕は君を見つけられるのかな 明日もし世界が終わるとして きっと僕が最後に願うことは どんな地位や名誉や金でもなく ただ君に逢いたい 君に触れたい だけど明日もきっと世界は続くだろう 今日と何も変わらず流れるだろう 限られた時間の中を泳ぐ僕は 眠らない魚になって君を探す |
君色ノートAJISAI | AJISAI | 松本俊 | 松本俊 | AJISAI | ノートの隅に君を描く だけど滲んだ水彩画のように なぜかボヤけていた 記憶の中の君はもう どんどん遠ざかってること 気付いて僕は怖くなって 誰もいない海まで来た 君が好きだったこの場所は 潮風とさ 夕陽が混ざり合って 君と同じ匂いがして 今すぐ逢いたくなった もう声は届かない 波の音だけが聞こえた 真っ白なノートには でたらめに描いた君が笑ってる もう一度僕は君を描く だけど足りない色ばかりで あれとこれを混ぜてみたり 涙で少し薄めてみたり… 突然の風 描きかけのページは ちぎれ飛んで 水平線の彼方へ消えてしまった ねえ 夢で逢えたなら それだけでよかったのになあ 夢から覚めたあと 今まで以上に寂しくなっていた 月明かりが波に揺れて 風が僕の頬をかすめた 目を閉じれば こんなに近くに君はいたんだね 強く強く 想い描いたら こんなにも君が溢れて 心のパレットに僕しか知らない君の色が増えてゆく 誰もがいつかは忘れてしまうものだとしても 今はまだこのままで 色褪せたノートをそっと閉じた |
サイハテトレインAJISAI | AJISAI | 松本俊 | 松本俊 | AJISAI | 眠い目こすって 午前4時 始発電車を 人影まばらなホームで 僕は待ってる 何度も夢に敗れて 裏切られて そしてここへ辿り着いたんだ 疲れた顔のサラリーマン 鳴らないケータイ ひとり寂しく見つめてる華奢な女の子 みんなどこへ行くんだろう どこへ帰るんだろう そこに安らげる居場所はあるのかい? 誰のせいでもないのに 被害者気取っていたのは きっと自分の弱さを 認めたくないから でも「頑張れ」って言葉より 「頑張らなくてもいいよ」って 君が言ってくれた時 涙 零れました 静寂の中 夜明けと共に 電車は今日もやってきて 繰り返すだけ それだけなのに 僕はなぜ待ち続けているんだろう 急ぐ理由はないけれど 僕は何度も 時計の針を気にしては 溜め息をつく 一体どこで間違った どこで諦めた 巻き戻すためのボタンがあればなぁ… 無機質なアナウンスが電車の到着を告げる 気がつけば もう世界は動き始めていた ほら こんな汚れた街にも 綺麗な朝日が昇って 望んでもいない希望を 今さら見せつけた 静寂の中 ドアが開いた 本当はとても怖いんだ これに乗れば そうまた同じ日々 わかってる このままじゃ駄目だって 埃まみれの夢のかけらが ポケットの中から落ちた それは小さく でもまだ僕を信じて こんなに光ってる 忘れていたんだ 本当にごめんよ 慌てて僕は飛び出した 誰もいなくなったホームで一人 朝焼けに染まった街を見てた |
失恋レシピAJISAI | AJISAI | 松本俊 | 松本俊 | AJISAI | 人を好きになんてならなきゃよかった だって出会わなければ別れも来ないから 君の涙なんて知らなきゃよかった そしたら笑顔でさよならできたのに 今でも時々そう思うことがあるよ そしてそんな自分がとても嫌いです 君を悪者にすることで 自分を慰めてた俺が嫌いです いつか二人で行った夜のドライブ はしゃぎ疲れて眠る君の横顔 初めて守りたいってそう思った あの日言えなかった言葉 「出会ってくれてありがとう 愛してくれてありがとう こんな俺のそばにずっといてくれてありがとう」 今なら言えるのに 素直になれるのに どこを探しても 君はもういない 一人でいるよりも 人ごみのほうが 孤独を感じる不思議なこの都会(まち)で 俺はそれなりに元気でやってるよ でもね たまにふと恋しくもなるよ いつも君が作ってくれてたオムライス 真似して俺も作ってみたけど 味が無くてまずくって笑えてきたよ レシピでも書いててもらえばよかったなあ… 涙ひとつ零れた 切ない味になった 噛み締めるたびに どんどん溢れ出してくるの 誰もいないこの部屋 布団に包まって 泣き疲れるまで泣いて眠ろう 本当は思い出なんかにしたくないよ 思い出にすれば全部綺麗になっちゃうから だって嘘や涙で汚した日もたくさんあってさ それもきっと二人の足跡だから 「出会ってくれてありがとう 愛してくれてありがとう こんな俺のそばにずっといてくれてありがとう」 忘れられないけど 忘れたくないけど 少しずつ歩き出すよ 終わらなきゃ始まらないから 君を好きになって本当によかった あんなに笑ったり泣いたりしたこと 小さな自慢だよ 俺の誇りだよ それが胸の奥で 今も光ってる |
ハルフワリAJISAI | AJISAI | 松本俊 | 須江篤史 | AJISAI | 君と二人で歩いていた やわらかな午後 まだ少しだけ冷たい風 街に吹いてる 大きく背伸びして 思わずあくびした僕を見て 君が笑う それだけで 春が来たよ この街にも 花びらが風に舞う フワリ フワリ どこまでも飛んで行こう 春風に乗って 僕ら自由きままに 君と繋いだ手の温もり 木漏れ日みたいだ どうでもいいような口笛がほら 今歌になった 近道探すより たまには回り道 焦らずに 君に届け この想い 言葉だけじゃ頼りないから また強く手を握る 頬を赤く染めたのは 春のせいとごまかしながら もう一度 君が笑う それだけで 春が来たよこの僕にも 心の雪が溶ける フワリ フワリ どこまでも飛んで行こう 春風に乗って 僕ら自由きままに 聞こえる春の歌が |
花唄AJISAI | AJISAI | 松本俊 | 松本俊 | AJISAI | 線路沿いに咲いていた小さな花 君にも名前はあるの?教えてよ 今にも踏まれてしまいそうで だけど気付かないフリをした 排気ガスの煙で目がにじんだ 本当にそうなのかな? もうわからないや 誰かに気付いて欲しいんだろう この街の中で みんな同じ悩みや孤独を抱えてる それでも君のように強くなれるかなあ ただ風に吹かれて揺れる花 枯れないように 折れないように しなやかにその身を任せ咲いている 誰のためでもなく ただ自分のため 埃が舞い上がって光っている 何だかすごく綺麗だな だけどきっと 一人じゃ輝けないんだろうな そこには必ず 陽射しがあった じゃあ僕だって誰かを照らせるかな? 一人じゃない もう一人じゃないよ ねえそうだろう? ただ雨に打たれて濡れる花 雲が切れるのを待って でもこの雨さえ命を創るから どんな世界でも僕は生きてゆける ただ風に吹かれて揺れる花 枯れないように 折れないように しなやかにその身を任せ咲いている 誰のためでもなく ただ自分のため いつかまた君に逢いに来るよ その時は笑っていれるように |
リフレインAJISAI | AJISAI | 松本俊 | 須江篤史 | AJISAI | 夕暮れ間近の濁った空 見上げてた なぜだろう?本当は笑いたいのに涙が出た 一人ぼっちの帰り道 みんな消えて無くなれと呟く どうして明日はやって来るの? どうせ今日と何も変わらない そうだろう? 塗り潰しただけの未来が もう夜の向こうで待ってる 誰かを傷つけるために 今僕が放った言葉 誰より一番傷ついたのは僕自身だった 神様も僕もあの人も 同じ産声上げて生まれたよ どうして生きる意味を探すの? だって息をしてる それだけでいいだろう? でも僕らはそんなものじゃ もう自分の価値がわからない 手にしたい 奪いたい物はいつだって 目に見えない物ばかりだから 掴んだつもりで 高らかに揚げた 僕の手の中は空っぽだった どうして明日はやってくるの? どうせ今日と何も変わらない そうだろう? 僕は歩き続けてゆく 未だ深い闇の中を |
交差点AJISAI | AJISAI | 松本俊 | 須江篤史 | AJISAI | 吐き出す息はやけに白く 冬の夜空に吸い込まれた 僕は一人で眺めている 目の前に広がった巨大な交差点 急ぎ足で通り過ぎて行く人や どこか遠くを見つめて ため息つく人 ここには色んな希望や孤独があって 僕はなんだか淋しくて膝抱えた (もう終わりにしようかなぁ…) なんて考えていた 果てしないこの道の中で 僕は何を手にし何を捨てた? この場所に僕が今いること 誰か「間違いじゃない」って言ってほしい 後ろ指を指されても 笑われても 誰かを笑うよりはずっとマシに思えた 人は弱い生き物です だけど僕は あなたを想うその時は強くなれた もうどれだけの人が現れ消えたんだろう? それぞれ違う場所を探し求め 迷いながら歩いてる 信号が青に変わるたびに 人は流れてく 僕だけ残して 最後の足音が やがて小さくなって ふと顔を上げた時 もう人影は消えて 誰もいなくなってた いつまでもここには居れないなあ… だから僕は今ゆっくりと立ち上がる 凍えそうな両手を温めて 僕は交差点の向こう側へ そこに何があるかなんて 分からないけど |
かくれんぼAJISAI | AJISAI | 松本俊 | 松本俊 | AJISAI | 誰かが作った理想の君を 君はずっと演じてたんだね 本当の自分に鍵を掛けて その鍵さえなくしてしまった 明かりの消えた小さな舞台で それでも君は演じ続ける 本当の君が消えてしまう前に なくした鍵は僕が探してみるよ 何億年も前に遡れば 人はみんな同じ動物です だけどお節介な神様が “個性”だとか“自分らしさ”だとか 余計なものを僕らに与えた 有難迷惑な話でしょ? こんなものに苦しむくらいなら 誰かと同じ心と身体でいいの 君は小さくつぶやいた 窓の外はまだ夜の闇が続いてる 隠れていないで出ておいで 怖がらずに 話を聞かせて 本当の君を知りたいんだ こんな汚れた小さな地球(ほし)でも宇宙(そら)から見下ろせば美しいという 遠くから見ればこんな私も少しは綺麗に見えるのかしら? そう言って君は人を遠ざけた 誰も近づけないようにした 自分で掛けたその鍵のせいで誰も来ない どこにも行けないでいるの 君は寂しいって泣いたんだ ほらいつの間にか夜は終わりを告げて 朝焼けキラキラ その涙照らしました こんなに綺麗なものを僕は知らなかったよ 上手に言葉に出来なくてもあなたに伝えたいことがある 演じる事に疲れ果てたあなたに伝えたいことがある あの日なくした心の鍵は きっともう君には必要ないんだ だって今その目から溢れ出した涙が 本当の君なんだから 隠れていないで出ておいで 実を言うとね さっきからこっちを覗いていたこと知ってるんだよ 僕は手を伸ばしている 今なら届く気がして 扉の向こう震える君の名前を何度も呼んでいるよ いっせーのせーで さあ君も手を伸ばして 掴んだらもう離さないから一緒に行こう 君がまだ知らない広い世界を見せてあげたい |
RunnerAJISAI | AJISAI | 松本俊 | 松本俊 | AJISAI | 沢山の人が僕を追い越して行ったよ 望んでもいないのにゼッケン背負って 冴えない毎日 上手くいかないこと 誰かのせいにでもしなきゃやっていけないでしょ 「どこでも行けるさ」 そんな無責任な言葉が 僕らをどこにも行けなくしている あきらめ甘ったれ染み付いた でも今なら間に合うのかな そうだ迷いながら走るんだ きっとどんな大逆転だって待ってるんだ 僕らが消えるその一秒前まで ずっとここにいたってしょうがないや どうせスタート告げるピストルなんて鳴らないし 駆け抜けてゆくそれぞれのスピードで あいつが持ってる僕に無いものが欲しくて 奪ってはみたけどどれも似合わないな 誰かのものなら意味がない それはただのガラクタだろう壊せ いつだって僕たちはSOSを出している 強がったって僕たちはSOSを出している 誰も気付いてくれないよ 立ち止まってもくれないよ だから足跡刻むんだ そうだ迷いながら走るんだ きっとどんな大逆転だって 待ってるんだ 僕らが消えるその一秒前まで ずっとここにいたってしょうがないや どうせスタート告げるピストルなんて鳴らないし 駆け抜けてゆく僕だけのスピードで |
春の呼吸AJISAI | AJISAI | 松本俊 | 松本俊 | AJISAI | 旅立つ君とそれを見送る僕 足音だけが二つ空に響く 春と呼ぶには少しまだ早いな 吐き出す息は白く濁って消えた 同じ歩幅で歩いた通い慣れた道 綺麗な言葉 何一つ見つからないけど たぶん一生忘れないでしょう 強がって笑ってた君の その目に溢れ出す泪を たぶん一生忘れないでしょう 何も出来ない僕が ここにいたこと 君の荷物はとても とても軽くて なんだかまたすぐ会える気がして 調子狂うなぁ、って 僕だけ不意に笑った だけどそれは叶わぬ願いだと 知っていたから 余計悲しくなった きっと春風が吹けば街も色付いて 僕ら歩き出すための きっかけを運んでくれるよね たぶん一生忘れないでしょう 君が見えなくなって でもいつまでも手を降り続けたこと たぶん一生忘れないでしょう 一人の帰り道がこんなにも… 僕に残されたのは 果たせぬ約束ばかりで 数えてみたけれど 両手のすきまからこぼれていく たぶん一生忘れないでしょう 強がって笑ってた君の その目に溢れ出す泪を たぶん一生忘れないでしょう 何も出来ない僕が ここにいたこと 誰もが孤独を 誰もが痛みを心の隅に抱えて生きてるから さあ行こう ここから歩こう いつかきっとどこかで僕らまた会えるように 会えるように |
アイコトバAJISAI | AJISAI | 松本俊 | 松本俊 | AJISAI | これ以上何も失くさないように 君の手をギュッと強く握ったよ そしたらね 君もすぐ握り返してくれた あぁ 僕はもう孤独(ひとり)じゃないんだな そんなふうにして確かめ合っては 互いの存在意義を探してる 手にしたって 抱きしめたって また失くしちゃうから もう何もいらないと誓ったはずなのに 街を見下ろせる丘に君と座って 世界が何色に染まるのか見てたんだ (愛されたいなあ…)僕は初めてそう願って泣いたよ もう大丈夫だと君が隣で笑うたび なぜかまた涙零れて これ以上何も望まないように 深く目を瞑り君を描いたよ 愛したり 愛されたり まだ慣れてないから 時々 無性に不安になってしまう 明日目が覚めてもしも君がいなくて全部夢だったら…だから今飛び出した (君に逢いたいなあ…)たったそれだけの理由さえあれば どこまでだって僕は走れるんだ この心臓がたとえ悲鳴上げたって ひとりぼっちで かくれんぼしてた あの日の僕はもうここにいない だって君が見つけてくれたから こんな僕でも君に届けたい言葉があるんだ それだけ持って今行くよ 他に何もないけれど君を笑顔にしたいんだ “以心伝心”なんて信じてない だから何万回も言うんだよ あなたが そうあなたが呆れるくらいに 溢れ出すアイのコトバを 今は上手に言えないけど ずっと ずっと届けるよ これ以上何も失くさないように 君の手をギュッと強く握ったよ |
送信エラーAJISAI | AJISAI | 松本俊 | 松本俊 | AJISAI | 眠れない夜は 小さな部屋の明かりを消し去って 小さな宇宙に変えて 毛布に包まり空を飛ぶ いつの時代でも僕らは真ん丸い地球の上で 玉乗りしてるみたいだ だからこんなにふらつくの? 隣で君は呆れた顔した だけどちょっと待って こんなこと言いたいわけじゃない 伝えたい言葉はなんだっけ?わからなくなった 伝えたい言葉はなんだっけ?失くしてしまった だいたい君はそうなんだ 思考回路を狂わせる あともう少しだけ眠ってたいのに 冷めきった夜は 小さなバスタプー杯水を張り 小さな海原に変えて 息を止め潜水 漂う ゆらゆら流れに身を任せてたら 君が投げ込んだ釣り針が目の前で揺れる 伝えたい言葉はなんだっけ?わからなくなった 伝えたい言葉はなんだっけ?失くしてしまった 君は僕を引き上げた 深い海から岸辺まで あともう少しだけ沈んでたいのに (君が思うより僕はずるくて汚い人なんです それを全部知った上で まだ愛してくれますか?) 伝えたい言葉はいつだって一つだけだった 伝えたい言葉はいつだってこれしかなかった 積み木みたいに積み上げた偽善者の僕が崩れてく 誤魔化しつづけてた僕のすべて 今ここで伝えたい それでもまだ...僕はまだ...伝えなきゃ |
片道急行AJISAI | AJISAI | 松本俊 | 松本俊 | AJISAI | さようならも言わないで 夜のホームヘ駆け込んだ こんな小さな町が嫌いで 何処か遠くへ逃げたくて 手ぶらのままでいいさと 格好つけてはみたけれど あれもこれも詰め込んで 結局捨てられなかった 遠ざかる町の明かりが消えるたび 不安に火が灯る どこまでも走れ 夜を駆け抜けて 僕だけを乗せた片道急行列車 もっと遠くまで 引き返せないように 歪んだレールを走って行け 今さら淋しくなって 窓の外を眺めても そこには何もなかった こんな遠くへ来たんだな ヘッドフォンから流れる 名曲と呼ぱれたあのナンバーも なんの役にも立たねえ だけど何度も口ずさむ 流れてく景色の中で あの頃の僕が手を振ってた 怖くなってポケットを探った 帰りのチケットはどこだっけ 探したけど そうだ初めから持ってないこと分かってた 誰かが創った決められた道を もうすぐ降り立って自分で歩くんだ だからそれまでは臆病な僕を運んでくれないか どこまでも走れ 夜を駆け抜けて 僕だけを乗せた片道急行列車 もっと遠くまで 引き返せないように 歪んだレールを走って行け |
あなたがいない世界AJISAI | AJISAI | 松本俊 | 松本俊 | AJISAI | 何も言わず僕らの今日を奪い去っていった沈んでく太陽 歩調はだんだんスローになって鼓動はどんどんスピード増して 後悔なんてしないよ したくないよ 君の涙見たくなかった だから少し前を歩いた いつだってそうだ 臆病だったんだ 目をそらして耳を塞いだ いらないもの こんなに溢れているのに 君だけをさらって今日が終わる あなたいない世界だって 僕の未来は続くんだ それが果てない道に思えて 寂しくなって泣いた 涙で滲んで見えないよ 最後に笑った君の顔 ずっと二人で歩きたかった いつまでも手を繋いで その声も 小さな手も 爪先も いつか僕は思い出せなくなって 写真の中に閉じ込めた過去の君へ想いを馳せる そんな妄想してしまうんだ 隣に僕がいなくたって 君のストーリーは続くんだ それぞれ違うページ開いて そこに僕はもういない それでも時間は過ぎ去って 傷跡消してくれるけど 僕にとってはこの痛みさえも大事だよ だから消えないで |
桜並木AJISAI | AJISAI | 松本俊 | 松本俊 | AJISAI | 雨が上がったら 僕も濡れた瞼を拭いて 守れなかった約束のあの場所へ出掛けよう 通い慣れた坂道を自転車で走る 脇で微笑む笠地蔵 君にも見せたかった桜並木 どうかまだ散ってないように 降り続いた雨は今朝上がって 嘘みたいに青い空 君にも見せたかった桜並木 息切らしてペダルを漕ぐ 桜は散ってた 夕べの雨で 胸が痛くて だけど僕らもいつか枯れて そして灰になって 消えてくだけだとしても… 僕に残された時間どれくらいかな? それがもし明日だとしても だからって今日を精一杯生きたところで 大して何も変わらないよね いつかの僕がそう呟いたら 君は泣いてた「強く生きて」と 君が消えてやっと分かった 生きていたい 不器用でも… 落ちた花びら掬い上げて 僕は空へ投げる ひらひら花びら風に揺れて もう一度春が来たような奇跡を 祈ってた だけど確かに春は終わった どこかに落ちてないか探した 季節は巡り 人は流れて でも忘れないよ さようなら 君が好きだった景色 次の春まで逢えなくなるね 瞼閉じれば君の笑顔が 桜舞う中で揺れてた ほんの少し残っていた春の匂いを忘れないように 僕は深く息を吸った |
A.M.0:00AJISAI | AJISAI | 松本俊 | 松本俊 | AJISAI | 纏わり憑いた常識を脱ぎ捨ててやった 唾を吐きかけた コメンテーターが言う正論を笑い飛ばしてやった 何が”愛と平和”だ 騒ぎ出す細胞 抑える感情どうなんだ? 導火線点火 どうかなってんだ もうダメだ 掻き鳴らせ 錆びたその声を 掻き鳴らせ 真夜中午前0時 誰かが掴んだ幸福を奪い取ってやりたい 壊してしまいたい だけど飢えた犬みたいに四つん這いになってさ 餌を媚ぴるんだ (はずかしくねえか?)(生きるためなんだ!)の攻防戦 自分との葛藤 破裂しそうだ もうヤバいんだ 掻き鳴らせ 消えそうな存在を 掻き鳴らせ 真夜中午前0時 耐え切れず取り出す頭痛薬 優しさのところだけ千切って僕に下さい 被害者ぶってる加害者はきっと溢れていて 一体僕はどっちなんだろう 教えてくれ 意識の向こうで空っぽの論争 無機質に並んだ文字の羅列 この痛みが怒りに変わる前に さあ ここで 掻き鳴らせ 錆びたその声を 掻き鳴らせ 真夜中午前0時 掻き鳴らせ 消えそうな存在を 掻き鳴らせ 真夜中午前0時 |
とびらAJISAI | AJISAI | 松本俊 | 松本俊 | AJISAI | ひとつだけ ひとつだけ願いが叶うなら 古惚けたアルバムのように思い出が どうか色樋せないでと 強く願った 友に会い 共に歩き 過ごしたこの町 明日の朝私はここから旅立つ 始まりはいつだって一人でした 幼い頃はいつも道草ばかりしてたのに あの頃に比べて私は臆病になってた 夕暮れが町を赤く染めて 影踏み帰る私たちは 今日の終わりを知るのでした それは綺麗で哀しい色 泣きたくて 逃げたくて そんな過去でさえ いつの日か大切な思い出に変わる 今はただそう信じて目を閉じた 出会いの数だけ別れがあるからこそきっと 人は人を想い 優しくなれるのでしょう どこまでも続く坂道を 上りきったらどんな景色が そこにあるのか分からないけど 確かめながら私は歩く 茜色の空へ続く 渡り鳥の群れ 意味もなく散らぱって 何処へ行くの?何を探して 夕暮れが町を赤く染めて 影踏み帰る私たちは 今日の終わりを知るのでした 夕日がそっと背中を押すから また会うための約束をしよう それを「さようなら」と人は呼ぶのでしょう だからもう私は振り向かずに 明日へ続く扉を叩く |
手紙AJISAI | AJISAI | 松本俊 | 松本俊 | AJISAI | “突然の手紙 ゴメンね。 あれから4、5年ぶりになるのかなあ…。 元気でいますか?変わりはないですか? 「手紙なんてキザっぽいところがあなたらしい」と 君のことだからどうせ笑ってるでしょ?ほら、あたったでしょ(笑) 風の噂で聞いたんだけど もうすぐママになるみたいだね!? ちょっぴり変な感じ……だけど俺も嬉しいよ。” そこで急にペンが止まった 本当はちょっと切ないんです そんな自分が嫌いで また書き直してる 頼りなく揺れてる世界で 変わらないものはないよって 誰かが言ったって それくらい百も承知なんだけど 周りは大人になっていて 俺だけいつでも置き去りで 癪に障って だけど本音は書かないほうがいいな… “ところで俺はと言えば 都会の暮らしにもやっと慣れてきて 毎日それなりに忙しくも満たされてるよ!” そこでまたペンが止まった 本当は平凡な日々です 強がる自分が嫌いで 丸めて投げ捨てた 汗水垂らして頑張って それでもまだまだ足りなくて もしも神様がいたら文句のひとつでも言おうか 理想と現実を泳いで 油まみれの皿洗って 今日も日が暮れて いつかこのまま年老いてゆくのかなあ… 手紙の中の嘘っぱちの俺と 今ここにいる情けない俺 たぶん君なら見抜いちゃうかな この手紙読んだだけで 子供の頃から同じで 俺は主役にはなれなくて いてもいなくても何も変わらない 通りすがりのエキストラ 君に手紙は出せなくても とりあえず最後まで書いてみよう ありのままで今の自分を綴ってみよう そしたら心のモヤモヤが少しは晴れるような気がした この手紙は今はどこかに仕舞っておくよ いつか笑って読み返せたらいいなあ… |
rain manAJISAI | AJISAI | 松本俊 | 松本俊 | AJISAI | 目が覚めたら外は雨で せっかくの休日 台無しだ あなたを連れてどこか遠くへ行こうなんて そんな約束してたっけ 出掛けるのはやめて僕の家へ遊びにおいでよ こんな休日も悪くないでしょ? 土砂降り日曜日 ギター鳴らして あなたのためだけに歌うよ ラララ そんなふくれた顔しないでよ これでも僕なりに頑張ってんだ 空が晴れたら街まで行こう だから今だけは下手クソな歌 聴いてくれ 雨音弾けるリズムに合わせ 刻む8ビート ほらね あなたも笑ってくれた 土砂降り日曜日 こんな日だって あなたの笑顔で胸は躍る 将来の不安とか なんか色々あるけどさあ そんなものは とりあえずどっか置いといて 土砂降り日曜日 ギター鳴らして あなたのためだけに歌うよ ラララ ラララ… |
アンバランスAJISAI | AJISAI | 松本俊 | 松本俊 | AJISAI | 飾らない 飾れない 君のままでいいんじゃない?無理しなくても 上手に生きてるどんな奴より 真っ直ぐな君が好きだよ だから気にすんなって 迷ったり 間違ったり 繰り返すけどいいんじゃない?それはそれで 最後に笑うため今日は泣くんだ そんな日があってもいいだろ 無邪気な夢を語り明かして それが子供だって言うのかい? だって僕らも藻掻いてるんだよ 裸足のままで走ってく 傷ついたって 飾らない 飾れない 君のままでいいんじゃない?無理しなくても 上手に生きてるどんな奴より 真っ直ぐな君が好きだよ だから気にすんなって 綺麗な言葉で汚し合って それが大人だって言うのかい? だったら僕らきっとなれない がむしゃらにただ走ってく 傷ついたって 蹟いたって でも時には 迷ったり 間違ったり 繰り返すけどいいんじゃない?それはそれで 最後に笑うため今日は泣くんだ そんな日があってもいいだろ バランスをちょっと崩して倒れそうになったら 出来る限りの力出して支えるから それを忘れないで |
神様のおまけAJISAI | AJISAI | 松本俊 | 松本俊 | AJISAI | 大声出して泣いて帰った あの夏はもう遠い陽炎 やけに瞼が沁みるのは きっと夕焼けのせいだけじゃないな いつも誰かのせいにして なんとなく歩いて来れたこの道 何も言わずに微笑んでくれた 母の背中は確かに泣いてた 沢山の人 出会って別れて 本当に大事な人はいたかな? 沢山の人 傷つけ汚して まだ僕に誰かを愛する資格はあるかなあ… きっと答えは見つからないけど ただ ただ今はあなたを想う 今日も命が生まれて消えて それをもし神様が決めてるんなら 僕は今日もこうして生かされてる まだ悩み生きろと言っている |
未来AJISAI | AJISAI | 松本俊 | 松本俊 | AJISAI | 何を急いで 競い合って 張り切ったって空ぶかしの毎日 排気ガスを撒き散らして 君の今日は黒く滲むのさ そっと隠してんだろう? 吐き出せずに溜まる感情 もう詰め込む余地はないよ だからその目 開いて 未来へ行こうよ 君の震える手 繋いであげよう だから強く握り返してよ 行き詰まって 悩んだって 答えなんて単純明解なんだろ 晴天だって西高東低 雨が降ってそこに花は咲く ずっと手放せないで抱え込んだ重い鞄は もう何の意味すらないよ だからすべて捨て去って 未来へ行こうよ 君の小さな手 繋いでいたいよ たとえ遠くても 夜を切り裂くようにアクセル踏み込むのさ 昨日までの僕を置き去りにして 未来へ行こうよ 君の震える手 繋いであげよう だから強くもっと もっと 僕だって不安で 誰だって臆病で そうやって生てく 終わりはないさ ここがスタートだよ 未来へ… |
世界の果てAJISAI | AJISAI | 松本俊 | 松本俊 | AJISAI | 今日もまた誰かがくれた 見え透いた優しさを 適当に喰い散らかした この部屋で埋もれている 何となく笑っていれば 傷付くこともなくて それとなく頷いていれば 当たり障りない日常だ 心の奥で何か足りない 耳鳴りのように鳴り響く どんなに声を枯らして 叫び続けても 満たされないまま きっと 閉ざした その目に 虚しさが募る 全て壊して 高速で変わり続ける 時代の波に飲まれ 秒速で変わってしまう 人の心が怖いんだ 行く当てもなく歩く街並み ビルの隙間に陽が落ちて 灯りはじめる赤色燈が 胸の鼓動と重なった どんなに夜に紛れて 息を潜めても 必ず朝が襲って 汚れた僕らの足跡を照らすよ ゼロになれるかな ゆらゆらと舞って ひらひらと落ちて 夜行性の蝶は 羽すら失くした どんなに声を枯らして 叫び続けても 満たされないけど きっと 閉ざしたその目に 最後の灯火 世界を照らして 壊せ 壊せ |