また思い出しただけmol-74 | mol-74 | 武市和希 | mol-74 | mol-74 | そうか、今日だね 覚えているものだね 目に留まった日付に記憶が重なる 不思議ね あの頃とは違う幸せの味 覚えちゃって 随分薄味のように感じるけど 遠くなった街 もう降りない駅の改札 君と彩った日常が 少しずつ蘇る もう会えないとわかっていたって もう言えないと気付いていたって 思い出はいつまでも目の前で生きてる 僕らはきっと上手くやれるって 信じてずっと疑わなかった そんな日があったこと 今日が来る度思い出すよ 退屈さえ特別に塗り替えて 嘘みたいに誰かの人生のような瞬間たちで 君が欲しがった花束だって 未来へと宛てた言葉だって どれも失くさないように 何ひとつ欠けてしまわないように、と なのに月日は 特別を退屈に変えて 季節が移り変わる中で 僕らは間違ってしまったね もう会えないとわかっていたって もう言えないと気付いていたって 幻はいつまでも美しく揺れてる 僕らはきっと上手くやれるって 信じてずっと疑わなかった そんな日があったこと 今日が来る度思い出して 君に言うよ そうか、今日だね 覚えているものだね 目に留まった日付に記憶が重なる また、今年も |
ことばのこりSou | Sou | 武市和希 | mol-74 | mol-74 | 「今更何を迷っているんだよ」って 君ならそう言ってきっと笑うよな だから僕も もう、行かなきゃ 君のいない頁がただ積み重なる度に薄まっていくよ インクの切れた心には青い空さえも苦しくて ひとつひとつ 拾い集めてみても君には届かない ひとりで立つ この世界から僕はどこまで飛べるのかな 痛みが今も疼いて傷を扶ってしまうから がんじがらめな想いがずっと巡るけど 「今更何を迷っているんだよ」って 君ならそう言ってきっと笑うよな だから僕も もう、行かなきゃ 誰もが想像通りの今を生きられてる訳じゃないのに まるで僕らにだけ雨を降らせたような鈍色の空 のらりくらり 息だけをしてみても 満たせないものばかり ひとりで立つ この世界から僕はどこまで飛べるのかな 抱いた想いに沿って夢を誓って駆けていく そんな当たり前が僕の隣で溢れても 今更何もなかったことにだなんて 出来やしないってずっと分かってる だから僕も もう、行かなきゃ 君が残していった言葉に 生温い熱を帯びせて 浮かべてる いつかの日々 さようならは聞こえない 季節や街が変わって それに倣って慣れていく 夕風の空へ 暮れていくよ 告げているよ 僕にはまだ、命があること 痛みが今も疼いて傷を挟ってしまうから がんじがらめな想いがずっと巡るけど 「今更何を迷っているんだよ」って 君がそう言ってそっと笑ってる だから僕も もう、行かなきゃ 君を宿して もう、行かなきゃ |
Φ12mol-74 | mol-74 | 武市和希 | mol-74 | mol-74 | 光の中にいたい いつかすべて忘れてしまうとしても 集めて 見つめて 意味を捨てて 君を探すよ 光の中にいたい 傷や痛みや違いを曝したとしても 集めて 見つめて 意味を捨てて 君を探すよ |
遥かmol-74 | mol-74 | 武市和希 | mol-74 | mol-74 | あんなに好きだったものも 今はあんまり好きじゃなくなって 気が付けばそんなものが増えていった 大切にしていたものも どこか大切にできなくなって こんな僕を好きになれるはずもないよな 春が咲いてる 河川脇の並木通り 不意に漏れる 「今年も綺麗だ」 なんて 分かってる あの頃の僕らには戻れないこと ふっとふいに吹いた風に散る 花びらは泳ぐ ふたりのように ずっと言葉だけじゃ足りないこと 本当は気付いていたのに 君ももう気付いているのに どんな匂いがしていたっけ どんな話で笑ったっけ どんな未来を見ていたっけ どんなふたりでいたかったっけ 気付かないうちに潰れたコンビニ 分譲中と貼られた張り紙 過ぎていく いつまでも 終わる気配すらしない 工事中の国道三叉路 過ぎていく いつだって 分かってた あの頃の僕らには戻れないこと ふっとふいに吹いた風に散る 花びらは泳ぐ ふたりのように ずっと言葉だけじゃ足りないこと 本当は気付いていたのに 君ももう気付いているのに また、ひらりと花が落ちる 落ちる |
オレンジとブルーmol-74 | mol-74 | 武市和希 | mol-74 | mol-74 | 汐風が肺を満たして 君への言葉が詰まって 微かな光 溜息にしないように喉元がおどけている 伸びた髪が靡く度に揺れる匂いが掠めていく このまま遠くへ このまま遠くへ 誰も知らない場所へ行こう 君の狡さも 受け止めたいよ 0にはできなくても1に触れさせて 脇役なんていらなくて 主役にさせてほしいだけ 確かな祈り 時間をすすぐみたいに景色が掠れていく いつまでも言い切れない想いの端を握りしめて このまま遠くへ このまま遠くへ 君も知らない場所へ行こう 言い訳さえも 抱きしめたいよ 0にはできなくても1に触れさせて 明白に青い視界が 嫌味みたいに僕らを重ね出して 汚れたままで終われないよ 君は何を見てる? このまま遠くへ どこまでも遠くへ 誰も知らない場所へ行こう 正しいことを 間違えようとも 100にはできなくても近付けさせて 0にはできなくても1に触れさせて 触れさせて |
通り雨mol-74 | mol-74 | 武市和希 | mol-74 | mol-74 | 懐かしい夢を見て目が覚めた日曜日 雨の匂い 季節がまた周回遅れの僕を追い越した 大袈裟な幸せを描いていたあの日々を 消せないまま 向こう岸の世界で今をどう見ているだろうか 君と僕だけが解る物語を思い出して 痛む ずっと 太陽系の端っこへ 導かれるような孤独が僕を生きていて いつかのまたねを 言葉通りにできないまま 浮かぶ 過ぎる 想う 遠い空を見て |
アンサーソングmol-74 | mol-74 | 武市和希 | mol-74 | mol-74 | 下手な歌を君は聴いた その日のことを未だに憶えている 実際はどうか分からないが その日の僕と未だに手を繋いだまま 嘆く今日も、躓く今日も 「あの日、」と君と笑えるのなら 後悔は皆無それは嘘でも 「あの日、」と君と笑えるのなら 続きはまた明日 それでも待ってくれた 春が芽吹いては陽だまりに揺れた 黄色い花のように咲かせてみよう 憧憬は今もあのままで 褪せずに息をしている いつかは今日という日を 捲って、想いに馳せよう 続きはまた明日 それでも待っていてよ 春が芽吹いては陽だまりに揺れた 黄色い花のように咲かせてみよう 下手な歌を君は聴いた その日のことを未だに憶えている |
Rmol-74 | mol-74 | 武市和希 | mol-74 | mol-74 | 眩しさに招かれて この目と手と声を与えられて そして僕たちは 心をもらってしまった 大義名分を盾にして 弁明を奪い合って 未だに遺伝子を巡って 未だに隔て合って 何も僕らは変われずに またしても いつの日か僕も いつの日か君も 此処からいなくなって 抜け殻になっていく 託された生命と 託された生命で 何を繋いでいく? 何を許し合っていく? 不可能生を抱いて 傷口や痣の跡 途方もない月日を重ねて 見えなくはなっても消えてはいないのに 実相と想像を食って 肥えた主語で括って 未だに傷付け合って 未だに後悔し合って 何も僕らは変われずに またしても また今日も 何処かで 隣で いつの日か僕も いつの日か君も 此処からいなくなって 抜け殻になっていく 託された生命と 託された生命で 何を繋いでいく? 何を許し合っていく? 不可能生を抱いて 不可能生を抱いて |
BACKLITmol-74 | mol-74 | 武市和希 | mol-74 | mol-74 | 通り雨が残したストーリー 灰色の空をただ映して 何も洗い流しはしなくて 何も洗い流せはしなくて アスファルトを照らし出すように 雲間から白い陽が覗いて 夏がはじまるような気がして 空を見上げてた いつだっけ 雨上がりを待ってた物語 傘を差し出してくれたあなたに いつまでも想いを馳せてた日々 スローイングダウン 離れ離れに変わるものばかり 当たり外れの多過ぎる空に いつかの僕たちを重ねる度 スローイングダウン あの頃に語り合った通りの 鮮やかな僕たちはいなくて 誰ももう此処に戻れなくて 誰ももう此処に帰れなくて 篩にかけて濾した少しを 叶えるための今日を過ごして それも仕方がないよね、なんて 空を見上げても いつだっけ 雨上がりを待ってた物語 傘を差し出してくれたあなたに いつまでも想いを馳せてた日々 スローイングダウン 離れ離れに変わるものばかり 当たり外れの多過ぎる空に いつかの僕たちを重ねる度 スローイングダウン |
寝顔mol-74 | mol-74 | 武市和希 | mol-74 | mol-74 | ねぇ 隣で眠っている君を見つめていて気付いたんだよ あの日よりも昨日よりも朝が綺麗に映ってる 触れない星屑よりも 満ち欠けをする月よりも 眩しく射し込む光が ありふれた生活の陰を拭ってくれた 探していた私の居場所が 憧れとは違っていたとしても 目の前で君がただ眠るだけで 今日までのことを愛せる気がして ねぇ 神様はいないってことを 教えてくれた魔ものにも 歪でも重ねた日々の先に光が見えたことを 伝えたいよ 探していた私の願いが あの頃とは違っていたとしても 目の前の君がただ笑うだけで 今日までのことを許せる気がして 流れていく 流れていく 夢でも見ていたように 新しいもの 新しいもの 懐かしいに変わるもの 取り返しも 取り戻しもできない世界で 息継ぎを覚えたの 探していた私の居場所が 憧れてたあの場所だとしたら そんな憂いさえ君は包んで溶かしてくれた 探していた私の居場所が 憧れとは違っていたとしても 手を伸ばすと君に触れられるだけで 明日のことも愛せる気がする 聞こえているかな |
Moonermol-74 | mol-74 | 武市和希 | mol-74 | mol-74 | 溢れ出したら止まらないからまだ迷ってる 声に出したら戻れないからまだ黙ってる 歩幅は躊躇いにつられて 重たいリズムを刻んでる 言葉は静かに息をして 心に委ねてる 浮かんだ月は 雲間から白い光 放ってる 心に音を立てるように 夜風が今、そよぐ 話したい 話せない 思い出が喉元を塞いで 言い出せないまま歩いているんだ 手のなる方へ 月明かり 降り注ぎ 僕らの最後を照らすように 次の台詞を待っている 黙ったまま 思えば交わした約束も 叶えたことにして生きてる 遠くを眺めていた君を 見て見ぬふりをして いつかこの場所で見上げて見惚れた月は 変わらないままで光ってる 光っているのに 話したい 話せない 思い出が喉元を塞いで 言い出せないまま歩いているんだ 手のなる方へ 月明かり 降り注ぎ 僕らの最後を照らすように 次の台詞を待っている 夜を揺らす 喉を震わす |
忘れたくないmol-74 | mol-74 | 武市和希 | mol-74 | mol-74 | 当然みたいな顔して 今日も生きている 無味無臭の幸せにはどうも愛着も薄れてく 永遠みたいな気がした 暗い春の先 見えないものが多過ぎて見えていたものが見えなくて 回って、変わって、様になった癖も 悩んで、迷った日々とさよなら 捲って、巡って、ずっと待っていた表情と声の響き 忘れたくない、忘れたくない この感情もいつか鈍感になってしまうのかな なら、覚えたくない、覚えたくない この幸せを当たり前にするものなど フィクションみたいな気がした 映画のような時代 エンドロールは流れないで今も僕の目に映るけど 黙って、覆って、何もかもを遮って 塞いで、閉ざした日々にさよなら 捲って、巡って、ずっと待っていた光の居場所、鼓動の音 忘れたくない、忘れたくない この感情もいつか鈍感になってしまうのかな なら、覚えたくない、覚えたくない この幸せを当たり前にするものなど 花の色も風の音も君の声も変わらないで側にいる 忘れたくない、忘れたくない この感情もいつか鈍感になってしまうのかな なら、覚えたくない、覚えたくない この幸せを超える幸せを 忘れたくない、忘れたくない この感情もいつか鈍感になってしまうのかな なら、覚えたくない、覚えたくない この幸せを当たり前にするものなど 忘れたくない、忘れたくない 覚えたくない、覚えたくない いつまでも願い続ける |
Summer Pagesmol-74 | mol-74 | 武市和希 | mol-74 | mol-74 | 止まったままの表情に何を想う 遡る愛か、棒立ちの後悔か 決まっていつもそうやって最後を知る あの日のように あの時のように 懲りず 今年も記録的な暑さになると言う 聞き覚えのある声と台詞 なのにもう聞こえない声 また、夏が ほら、駆け足で 過ぎ去るように 抜き去るように 追いつけはしないのに 戻れもしない夏の日 止まったままの表情に何を隠す 風化した愛か、硬直の後悔か いずれにせよ時間はそうやって私を見ている あの日のように あの時のように 瞼を閉じるよ 例えば「またね」ってさよならを告げたあの日に帰れたとして それでも多分また同じことをひとつ、ふたつ繰り返すだろう 蝉の命を 花火の夢を 刹那だ、って慈しむくせに 目の前にある永遠のふりしたものの 最後を何故想えないのだろう 止まったままの表情に何を返す 忘れないよ ただ、忘れないよ また、夏が ほら、駆け足で 過ぎ去るように 抜き去るように 追いつけはしないけど 戻れもしないけど いつか、また |
花瓶mol-74 | mol-74 | 武市和希 | mol-74 | mol-74 | 消えないまま憶えてるよ 君を纏う記憶 たった昨日のことも曖昧でろくに 思い出せないけど 綺麗で、綺麗で、変わらない 手のひらで光るもの ばらの花言葉を咲かせて ばらの花言葉を紡いで どんな時間も どんな景色も 君と重ねて そうやって束ねた想いも アルペジオみたいに溢れた どんな誓いも どんな台詞も いつか枯れてしまうことを まだ何も知らない画面のふたりが笑う 例えば、また、君の声で 朝を迎えられたらな 味気ない日々に目を覚ます度 思い返す癖だ 昨日も、今日も、変わらずに 手のひらで光るけど 君のいない部屋を仰いで 意味すらない日々を過ごして こんな時間が こんな景色が ふたりの答えで 嫌になって捩れた想いが ディスコードみたいに響いた どんな誓いも どんな台詞も いつか朽ちてしまうことを まだ何も知らない画面のふたりが笑う 広くなったこの部屋に 生けたままの萎れていった幸せに 溺れてしまいそうで それでもまだ 捨てられないままに そっと ばらの花言葉を咲かせて ばらの花言葉を紡いで どんな時間も どんな景色も 君と重ねて そうやって束ねた想いも アルペジオみたいに溢れた どんな誓いも どんな台詞も いつか枯れてしまうことを まだ何も知らない画面のふたりが笑う 記憶の中の君を呼ぶんだよ 笑った君が僕を呼ぶんだよ |
此方へmol-74 | mol-74 | 武市和希 | mol-74 | mol-74 | 大切な日々を思い出せないのは かけた鍵を見つけられないから いつの日かこの身を出ていくときには 見つかるかな それも悪くはないのかな ベッドも ソファーも 鏡の裏も 浴室も 引き出しの奥の方も 書棚の漫画、小説の中も 探してみたんだけれど あなたのすべてを思い出せないのは かけた鍵を見つけられないから いつの日かこの身を出ていくときには 見つかるかな それならそれも良いのかな 机の下も クローゼットの奥も ベランダも 遮光カーテンの隅も 鼓膜の奥も 瞼の裏も 探してみるんだけれど |
アンニットmol-74 | mol-74 | 武市和希 | mol-74 | mol-74 | 2月の風が春に傾いて空もぼやけだしてる はじまりを告げるような季節が忌々しくなる 「君に似合うはず」と着させられた 赤い上質な服 鏡の前で何度も 似合ってる、と言い聞かせていたっけ 裾を折り曲げてみたり 袖を裏返してみたり 羽織って隠したり 嫌になったからもう脱ぎ捨ててしまったよ 諦め続けたことも 愛し切れなかったことも いつの日か癒えるだろう ベランダの青いシャツが風で焦ったそうに揺れる 君とまた何処へ行こう 空の色で 「君に似合うはず」と履かせられた 白い艶やかな靴 足元を見て何度も 似合ってる、と言い聞かせてみたっけ 潰れた踵の傷や 土埃の跡だって 綺麗に磨いても 大事にできないから脱ぎ捨ててしまったよ 諦め続けたことも 愛し切れなかったことも いつの日か癒えるだろう いつだっけ 喜びあって跳ねた夜 認められたみたいな気がしてさ 普通が普通じゃなくて それで、それで、それで、えっと、なんだっけ そうやって忘れていけるから 僕らは今日を生きられる 嬉しくて笑ったことも 悔しくて泣いたことも いつの日か、いつの日か 諦め続けたことも 愛し切れなかったことも いつの日か癒えるだろう ベランダの青いシャツが風で焦ったそうに揺れる 君とまた何処へ行こう 空の色で 僕の色で |
ひびきmol-74 | mol-74 | 武市和希 | mol-74 | mol-74 | 今、あなたのことを思い出したところ 梢の蕾が少しずつ膨らみはじめた頃 春を待たないまま あなたはいなくなって 不自然に空いた生活の穴 埋まりはしないままだ あたまの中にあなたのひびき 鼓膜にはもう届かない声 吹き抜ける風 すり抜ける影 滲んだようなひだまりみたいな声が響いてる はじまりの奇跡も おわりの騒めきも 美しく綴られた小説みたいに季節は捲れていく さよならも ありがとうも ごめんも またねも いつかみたいにふざけたことも 言えなかったな 届いたのかな それすらもう分かりはしないけれど あたまの中にあなたのひびき もう聴こえることはなくても 覚えているよ 大事にするよ 滲んだようなひだまりみたいな声を 忙しなく電車は今日も駆けていく すぐ赤になる信号機の癖 交差点の隅であなたと見た桜の蕾が少しだけ開いてる 響いてる |
0.1smol-74 | mol-74 | 武市和希 | mol-74 | mol-74 | 待ちわびた夏に隣で燥ぐ君と街を抜けていく 先回りをした思い出の景色が僕らを呼んでいる 今日はきっと、いつかにとっての永遠になって 遠くなってしまった僕らも振り返るような 予感がしてる この目で触れて この耳で触れて 止まらない一瞬を逃さないように 焼き付けるように 閉じ込めるように 光を集めてシャッターみたいに切ったまばたき 会話も髪型も好きな音楽や服も大切にしたいものも 気にも留めない遅さで 少しずつ変わってくのかな 変わってしまうのかな だけど 今日はきっといつかにとっての目印になって 遠くなってしまった僕らも繋がり合うような 予感がしてる この目で触れて この耳で触れて 止まらない一瞬を逃さないように 焼き付けるように 閉じ込めるように 光を集めてシャッターみたいに切ったまばたき 流れゆく視界の中で 君の声も、僕の声も ずっと響きますように この目で触れて この耳で触れて 止まらない一瞬を逃さないように でも、朝も暮れて また、夜も更けて 気付けば浅い夢のように僕ら思い出の中へ |
Halationmol-74 | mol-74 | 武市和希 | mol-74 | | 覚めた 今日も それはずっと 当たり前に 齧る 今日をやり抜くための時間の実を これと言って美味くもないような顔で飲み込んだまま 垂れ下がったカーテンを開けて 部屋に差した朝日 また、はじまる 絶えず 僕は 漂っている 彷徨っている 闇を 今日を 抜け出したくて 逃げ出したくて 真っ暗で見えなかったから求めていた光 なのにやっと見つけたそれは僕に眩し過ぎて ハレーションを起こしてく1秒先 過去以上に眩しい景色 なのに、ずっと 何故か、ずっと 見えないでぼやけているんだ 初めて目を開いた時 眩んでいたであろう景色 それを僕は希望だ、って見てたのかい? 覚えている訳もなくて 思い出せる訳もなくて 冷めた 今日を それはずっと 当たり前に もぎり取って 燃えるゴミのように捨てて のしかかってくるその重さに視界は閉じていくけど ハレーションを起こしてる1秒先 今以上に眩しい景色 なのに、ずっと 何故か、ずっと 目を伏せて見たくないんだ どれほど強く瞑ろうとも 眼裏を泳ぐ光 それが僕の希望だったあの日々を まだ手放しはできなくて 忘れないでね、みたいな顔して 映り込むのは焼きついた光景 思い出してね、みたいな仕草で 揺り起こすのは今日を夢見てた僕の声だ 僕の方へ |
ニクタロピアmol-74 | mol-74 | 武市和希 | mol-74 | | 変わりたい、変われない僕たちを 変わりない、変わらない毎日を 此処から 抜け出そう 今日も昨日がはじまる前に 見慣れた日々は僕たちを上手く手懐けて 沈み込んでいく足場に目を向けさせない ようにした ひとつ ふたつ 諦めても 軽くならないその身に気付いたのなら ひとつ ふたつ 合図を待つ前に 現在に目を凝らして そうやって 笑いたい、叫びたい感情を 叶えたい、見ていたい日常を どうして こうして 僕らいつから遮ってしまった? つまらない、くだらない幻想を 埋まらない、茹だらない現状を どうして こうして 僕ら大事に抱きしめているんだ? 変わりたい、変われない僕たちを 変わりない、変わらない毎日を 夢じゃない 嘘じゃない 本当の未来が僕らを呼んでる 真空状態の永すぎる夢に魘されて まともな君でいられないようならいつまでも 君を呼ぶよ 眠る街に朝陽の匂い 逃れようとも飲まれる月 はじまるのに はじまらないのは いつになっても其処にいるから 寝ぼけた街 朝陽が迫る ほら、もう見えてるはずさ 本当の君の景色が もう一度 笑いたい、叫びたい感情を 叶えたい、見ていたい日常を つまらない、くだらない幻想を 埋まらない、茹だらない現状を 越えて そうやって 笑いたい、叫びたい感情を 叶えたい、見ていたい日常を 何度と、何度も、僕ら いつしか遮っていたけど つまらない、くだらない幻想を 埋まらない、茹だらない現状を 何度と、何度も、僕ら 大事に抱きしめていたけど 変わりたい、変われない僕たちを 変わりない、変わらない毎日を 夢じゃない 嘘じゃない 本当の世界へ 飛び立ってしまうんだ 夢じゃない 嘘じゃない 本当の明日が僕らを待ってる |
更進曲mol-74 | mol-74 | 武市和希 | mol-74 | | いつまで其処にしゃがみ込んでは泣いているの? 今日の君まで託した日々を忘れたの? 振り返れば ほら、五線譜の上 遠回りした分だけうねる 君にだけに奏でられる旋律を それを鳴らすんだよ さぁ さぁ、打ち鳴らせ いざ、掻き鳴らせ 足跡が描くファンファーレ いつかの君の涙ごと報いるように 視界を晴らせ 誓いを果たせ 流れ運命に逆らって そしていつかの君がまた奏でられるよう 踏み締めていくんだ 進み続けるんだ 深い青色に溺れてる今日も 鏡の中迷い込んだ今日も また 音になって 響きになって 永遠のような僅かな希望を 結べないでいる声と理想を また、君へと繋いでいくよ 繋いできたんだよ ほら さぁ、打ち鳴らせ いざ、掻き鳴らせ 足跡が描くファンファーレ いつかの君の涙ごと報いるように 視界を晴らせ 誓いを果たせ 流れ運命に逆らって そしていつかの君がまた奏でられるよう 踏み締めていくんだ 進み続けるんだ |
白光mol-74 | mol-74 | 武市和希 | mol-74 | | 何処へも行かないよ、と 何度でも響いている 窓のない夜に泣いた日も 帆のない夢が揺れた日も 響いていたんだね いつでも此処にいるよ、と 何度でも教えてくれる 綿毛みたいに頼りない瞬間も 描き直して汚すこんな瞬間も 僕らが僕らであるために 何もかもを失くさないように 生きていく 僕らは いつだって このまま いつだって ただ、目に映る日々の光を忘れないように 僕らは そうやって ひとりじゃないよ、って また、脈を打つ 命の音を鳴らす |
ミラーソングmol-74 | mol-74 | 武市和希 | mol-74 | 徳澤青弦 | なりたかった自分になれてるだろうか なれなかった自分に慣れてはいないか 夢や理想ってやつに卑屈になった君に問う なりたかった自分になれてるだろうか 鏡に映った君はどうだ、綺麗か その目、その耳、その鼻、口、皮膚は誰かのためのものじゃない 瞳に映した君がどうか嫌いな君だけにはならないでほしいと願う ミラーソング その場凌ぎから出た錆 そんな日々だ 誰が書いた物語か疑うよな やけに物分かりのいいふりしながらいくつも 傷ついていく 削れていく 罅割れていく 譲れないものが今もどうだ、見えるか 誰にも邪魔されたくないと手を振り払ったいつかの鼓動 悪戯な手品 ひっかかってしまった 種も仕掛けも本当は気付いてる なのに、そう 浮き沈みを繰り返す 彼奴の声や彼奴の顔で蝕んでいく 相対的感情の元凶を焙り出すんだ 在るべき姿の君はもっと美しいはずだろう さぁ、目を開いてみるんだ その目、その耳、その鼻、口、皮膚で何を捉えようとしている? 鏡に映った君はどうだ、綺麗か その目、その耳、その鼻、口、皮膚は誰かのためのものじゃない 瞳に映した君がどうか嫌いな君だけにはならないでほしいと願う ミラーソング なりたかった自分になれてるだろうか なれなかった自分に慣れてはいないか 夢や理想ってやつに卑屈になった君に問う なりたかった自分になれてるだろうか |
Vanillamol-74 | mol-74 | 武市和希 | mol-74 | 徳澤青弦 | 白い雪が 白い息が 夜に溶けていくみたいに 君のこと 僕のこと 声の響き 髪の匂い 耳の形 その体温 色褪せて 色落ちて 半透明な僕の夢 半歩先の君の手 すれ違う想いがいつしか埋まりそうにない距離になった 手と手を繋いだら 目と目を合わせたら 分かり合えるような気がしていたのに バニラ色の日々が甘く、苦く、切なく 溶けないで僕を焦がしてるんだ 忘れようとしたっていつまでも白くならないまま 涅いシミが 涅い傷が 朝になれば目立つように 君のこと 僕のこと ふざけあった会話の屑 カメラロール 重ねたもの 色付いて 色濃くて 何回だって伝えてた 難解じゃない言葉も 崩れた積木のよう やり直しても何かが違うみたいな 手と手を繋いでも 目と目を合わせても 分かり合えないもの いつから増えたんだろう 覚えのない皹は痛み深く、詮無く 割れそうな君を映してたんだ 忘れようとしたっていつまでも涅くシミになって 失くして色が褪せるもの 失くして色がより濃くなってしまうもの ノイズみたいに斑に焦げて 思い出模様になる 消えなくなっていく 綺麗になっていく 君といられた頃 気付けていたらな 悴んでる日々が温もりを探す度 どうにも思い出してしまうんだ 忘れようとしたっていつまでも 僕は、まだ バニラ色の日々が甘く、苦く、切なく 溶けないで僕を焦がしてるんだ 忘れようとしたっていつまでも白くならないまま 覚えのない皹は痛み深く、詮無く 割れそうな君を映してたんだ 忘れようとしたっていつまでも涅くシミになって 溜息は今日も夜に溶ける |
Replicamol-74 | mol-74 | 武市和希 | mol-74 | 徳澤青弦 | 殺風景な平行線 永遠を眺めてるように 誰かの操り人形に 凭れ掛かる愚か者よ ハッピーエンドじゃ物足りなくなって 劣等感しか愛せなくなってる世界 そうやって 目を閉じて 口閉じて 見ないふり 分かるふり 変わらない 何もかも 諦めて それなのに、明日に夢を見る 腐りきったレプリカ 終わりを待っている 滑稽なままの平行線 静止画を眺めてるように 誰かが解ききった過去問も 間違いが断ち切った欲望も 喉元通り過ぎてしまったら まるで一切何もなかったよう 君が笑ってくれた瞬間も 君が涙したノンフィクションも 失望、絶望も 一瞬の悦じゃ満たされなくなって 優越感しか愛せなくなってる世界 そうやって 目を閉じて 口閉じて 見ないふり 分かるふり 変わらない 何もかも 諦めて またしても、明日に夢を見る 繰り返していくのかい 今視界を伝うもの 本当にそれは求めていたもの? 今更、と嘆かないで 君が描いていたいその未来が欠けてしまう前に ハッピーエンドじゃ物足りなくなって 劣等感しか愛せなくなってく世界 もういいよ 目を開けて 口開けて 見つめてよ 交わしてよ 分かるはず 変わるはず 信じていよう それからさ、明日に夢を見よう 剥がれていくレプリカ 今、脈打っていく |
春は、魔法だmol-74 | mol-74 | 武市和希 | mol-74 | | 壁の褪せたシミ 床についた傷 今日でさようなら この狭い部屋とも 窓から漏れる風が僕の頬を掠めた 今年もこの季節は僕に魔法をかけようとしてるんだ 君に得意げに話した夢は 少し叶ったよ なのに、君はいない あの頃の思い出が僕を誘うように 今年もこの季節はあ僕に魔法をかけるんだ 春は、魔法だ 遥か、魔法だ いつまでも解けることはなくって 君を呼ぶんだ そこに笑って振り向く君がまだいる気がして 嘘を吐くんだ 下手に笑って 君が今幸せならいいや、と そんな心にもないことを溢してしまうよ 何が欲しかったの? 何を望んだの? 今じゃあの頃の僕の声さえ 届かなくなったよ 聞こえなくなったよ 離れた分だけ近付いたもの 何が欲しかったか 何を望んだか 今更あの頃の君の気持ちに触れた気がしたよ でも、もう遅いんだよな 僕はいつだってそうだ 春の、魔法だ 遥か、魔法だ 春は、魔法だ それでもきっと、いつか 春の魔法が 遥か魔法が いつか解ける日が訪れたなら 過ちさえもちゃんと笑って振り返ることができるだろうか 嘘を吐くんだ 下手に笑って 君が今幸せならいいや、と そんな心にもないことが 本音に変わるまで 早く、解けないかな |
Strawberry Marchmol-74 | mol-74 | 武市和希 | mol-74 | | 遥か彼方 どこまででも 満たすような春風のかおりよ 君と僕を いつまででも 包むような木漏れ日のとばりよ 嗚呼 君が咲うだけでどんな景色もハイトーンになる こんな瞬間が永遠に続け、と 僕ら手を握る 裏返しの暮らしの中で満ちた心を萎ませる出来事 切って 貼って 膨らませて また破れて 侘しくもなるけど 嗚呼 君のはしゃぐ姿でどんなノイズもとろけてしまう こんな瞬間が永遠に続け、と 僕ら手を握る 赤白の夢 アイラブユーも霞むような想いを紡ごう ずっと ずっと 嗚呼 君が咲うだけで今日も世界は美しくなる こんな日々が永遠に続きますよう 僕ら手を握る それはふたりでつくる祈り |
目を覚ましてよmol-74 | mol-74 | 武市和希 | mol-74 | | ふとした時の表情が隠してる君を映すんだ 僕には分かってるんだよ 心の奥底でずっと君は手を伸ばしているんだ 僕には分かってるんだよ 聞こえる? 目を覚ましてよ あの頃を思い出して 君じゃなきゃな 意味がないんだ 掴めないんだ 目を覚ましたら夢を見よう 僕らの夢 誰かが作ったレール上を 首を傾げて進むんだ 本当は分かってるんでしょ? 何かのせいにしたってきっと 許せないのは自分自身だ 本当は分かってるんでしょ? 聞こえる? 目を覚ましてよ あの頃を思い出して 君じゃなきゃな 意味がないんだ 掴めないんだ 目を覚ましたら夢を見よう 僕らの夢 遠くなっても 見えなくなっても 離さない 君の本当を 君の本心を 君自身の声で 叫んで 他の誰でもない自分自身へ 聞こえる? 目を覚ましてよ あの頃を思い出して 君じゃなきゃな 意味がないんだ 掴めないんだ 目を覚ましたら夢を見よう 僕らの夢 |
Answersmol-74 | mol-74 | 武市和希 | mol-74 | | あの頃見上げていた未来は星みたいに綺麗で掴めなくて 無数の光を放っていた 永遠のようだった 時間の思い通り 僕らを離していく 蛻けた瞳を隠すように 笑ってみせた君が儚い 命が足りないくらい夢見てたのに あれから全部 手にした全部 落とさぬように 失くさないように 抱きしめていた 握りしめていた だけど確かな何かを掴めぬまま 非対称な運命へ導かれていく君の眼 それでもきっと まだ間に合うって 空を見上げては 明日を待っている 刹那が目論むように 僕らは毀れていく 硝子の疵に気付いたように 溶暗していく熱が悲しい 気持ちのゆらぎを解ってたはずなのに あれから全部 手にした全部 落とさぬように 失くさないように 抱きしめていた 握りしめていた だけど確かな何かを掴めぬまま 肥大していく終焉へ引き寄せられていく君の手 それでもきっと まだ間に合う、って 言葉と裏腹 胸は騒いでいる 触れるだけで壊れそうな約束たち 憶えている? もう忘れている? 鉤括弧のない言葉を声に出そうとした時 空っぽだった瞳の中には光 僕とは違う輝きを宿している そうか、もう君は あの頃見上げていた未来は星みたいに綺麗で掴めなくて 無数の光を放っていた 永遠のようだった あれから全部 手にした全部 落とさぬように 失くさないように 抱きしめていた 握りしめていた だけど確かな何かは掴めぬまま 非対称な運命へ君は今進みはじめる さよなら、きっとまた出会えるって それぞれが出した答のその向こうで そう信じていく |
氷菓CYNHN | CYNHN | 武市和希 | mol-74 | | カメラロールのなかに 笑った僕らがいる 何が可笑しくて笑ったのか それは忘れたけど 君が一口くれて 齧った氷菓 あれはどんな味がしたのか それも忘れたけど 住宅街包む夕の景 回想を誘う蝉の時雨 シャッターを切らないような見慣れた瞬間に すべてが詰まってた気がして もう会えないや 液晶に映る君 もう言えないや 「明日は何する?」 賞味期限のない氷菓みたいに いつまでも甘く いつまでも淡く いつまでも笑う いたずらに増えていく その分離れてしまう 青い矢印の標識は 現在に訴えている あの頃もピンとこなかった あの頃も欲しくはなかった 幸せになるための法則を 僕は解けないままだ もう会えないや 液晶に映る君 もう言えないや 「明日は何する?」 賞味期限のない氷菓みたいに いつまでも甘く いつまでも淡く いつまでも笑う 君だけが解けてく フェードアウトしてく スクロールする度に消えてく 僕の知らない場所 僕の知らない人 君が今生きてる世界へ もう会えないね 液晶に映る君 もう言えないね 「明日は何する?」 賞味期限のない氷菓みたいに いつになっても 今になっても もう会えないね 液晶に映る君 もう言えないね 「明日は何する?」 それでもぜんぶ、偽りのない日々 いつまでも甘く いつまでも淡く いつまでも笑う 溶けない夏の日 いつか振り返るかな 今年のこの夏の日も 現在(いま)目に映している瞬間に シャッターを切る |