瞬火作詞の歌詞一覧リスト  185曲中 1-185曲を表示

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曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
龍葬陰陽座陰陽座瞬火瞬火裂ける 竜鱗は 此の 甚い 風に 舞う 糜爛なりし 膚を 是連れに 隠して 色を 作す 鬣 湿らせる 雲の 澪 密かなる 雨風は 絶望を 穿く 魂聲よ  劈ける 甍は 眥の 端に 消ゆ 睡り 飽いた 洞を 遺さぬが 贐 身に 過ぎる 寛恕に 酬いるは 是が 非でも 冥雲を 今 破る 有る 丈の 聲で  俄然と 参に 斉う 煇る 佳味の 渦 思い 遣るな 真直に 見遣れよ 此の 一道  放てよ 我を 熾す 炎 かなえ  哮る 貴方は 白き 開士に 見ゆ 今日を 生きる 空を 惜しみなく 与えて 在り渡る 矜恃は 咲き 継がう 歌に 成り 愛しさの 霓を 呼び 雲を 得る 如し  情けばむな 我が身の 渾てを 撃ち 焦がせと  葬れよ 龍を 塞ぐ 邪気を 境え 魂で  俄然と 参に 斉う 煇る 佳味の 渦 思い 遣るな 聲の 限りに 直 歌おう  放てよ 我を 熾す 炎 かなえ  響き合え 龍の 棲まう 肚裡よ 紛え 葬らる (龍よ) 身空を (駆けよ)
鳳凰の柩陰陽座陰陽座瞬火瞬火葬具を 打ち遣りて 不要の 幕を 諫め返す 霊気の 飽き満ちて 皦かな 景星に 冒された  花よ 常陰にも 陽の 在るなら 此の身を 碾かせても 綴じる  火生の 意想ぞ 毀れた 欠片は 渦動の 瑕 抱き 逢える 此の 際 丈は 来世の 日へも 越えたい  痩躯の 銀張りて 無用の 柩を 糾返す 励起の 鳴き満ちて 備うる 傾性に 突き上げる  腕よ 躯こそ 霊と 視るなら 立たぬを 奮わせて 躙る  化生の 異相ぞ 微咲む 朮は 斯道の 跡 抱き 寄せる 此の 怪 丈は 誰の 手にも 渡さぬ  噫 滅ぶ勿れ 鳳凰を 宿す 魂  火生の 意想ぞ 毀れた 欠片は 渦動の 瑕 抱き 逢える 此の 最 丈は 未だ 豊けく 流れて 耀け
大いなる闊歩陰陽座陰陽座瞬火瞬火先に立ったら 迷いぬ 背を追ったら 魘はる 蓋し 魔を 禍を 想わば が 聳り立ったら 占めたもの 行き変わっても 侍え いざ 頃ぞ 鬼の 居ぬ間に 歩け  歩みが 歩神だ 己が 選んだ 道を 大手振り 闊かに 往け (どんどん) 終わりの 隣に 連れ行けば 其れぞ 我らの 往く道の 名  朝になっても 陽が出ぬ 夜になっても 眩い 踏寄せも 平に 成れど が 此処に立ったら 熬られる 紅く 青く 燃える 火を 纏った儘 (ぼうぼう) 己の 随意に 歩け  歩きに 歩き抜いた 一向 来た 道を 掉尾 奮い 闊かに 往け (どんどん) 日割の 可也を 棄て行けば 其れぞ 我らの 狂る道の 名  歩みが 歩神だ 聢と 燃え 尽きたら 大手振り 悠かに 逝け (ぐうぐう) 終わりの 隣に 連れ行けば 是ぞ 我らの 大いなる 跡  だが 未だ 征こう
猪笹王陰陽座陰陽座瞬火瞬火口惜しき 不覚の 瑕で 仮初の 貌 斯かる 化言を かむ あれよ 火縄銃と 犬 責めて 引き去れば 逆様に 破る  此れが 何ぞや 生残の 妙 (突 猛 進) 獣や 人間が 夫夫に 具う 仗を 苅って 奪って 仕舞う  御前の 銃で 寺門を 狙う 粗陋 等 堰いて 呉れまいか 私の 牙で 鳩尾を 捉う 暇を 残して 呉れまいか  恨めしき 二つの 枷 気怠気に 蹴出す 蓋し 獣の 契 礼かなど 求めぬ 伯母峰に 侍り 捨鉢に 染まる  其れが 謎や 盗人の 論 (突 猛 進) 筋を 違え 行人を 殺む 所業 曾て 唾棄 為遣る  御前の 銃で 寺門を 狙う 粗陋 等 堰いて 呉れまいか 私の 牙で 鳩尾を 捉う 暇を 残して 呉れまいか  責めてもの 果ての 二十日は 軛の 続きを 呉れまいか 私の 牙が 御前を 小突く 夢を 見せては 呉れまいか  寧ろ 上人の 拝むに 任す 投槍に 茶湯 濁すなら 御前の 銃と 吼ける 犬で 笹を 又候 散らせ
滑瓢陰陽座陰陽座瞬火瞬火「我が 嚼みし上は 万事 良好 也」 招かれざるに 何時の間にや 杯を 干す 「我が名を 刻め 成る丈 大きく」 紫煙を 吐き 多義に於いて 場が 烟る  由無しなと 怖じぬ 見たがり屋の 道化ぞ  滑り 訪う 実に 呆るは 其の 真似 (瓢) 眩り 障う 抑 憂き名も 何食わぬ (瓢)  「何奴も 此奴も 我の 徒弟 也」 聞かれざるに 異な 呼号を 吹き散らす 「界隈で 我を 知らぬ者は 居らぬ」 厭きの 窮 皆 抑 名も 知らぬ  由無しなと 怖じぬ 見たがり屋の 道化ぞ  滑り 訪う 実に 唸るは 其の 業 (瓢) 眩り 障う 世に 為さるの 例 無く (瓢)  廻らせば 不図 憐れなり 掬い上ぐのは 雰の 砂 誰に 誹らるとも 困じぬ 千枚張り 道外れ  滑り 訪う 実に 呆るは 其の 真似 (瓢) 眩り 障う 抑 憂き名も 何食わぬ (瓢)  すらり 舞う えも言われぬ 軽業 (瓢) がらり 奪う 然も 有らねば 唾壺と 化す
赤舌陰陽座陰陽座瞬火瞬火因果律の 悩乱が 飛んだ 水の 行方を 探る 八百万の 排斥が 澄んだ 水を 淦に 変えて  (売買) 透ける 下垂りが (媒介) 軈て 真っ赤になる  殿の 楯備え 咎む 地虫が 我の 丈を 抱え込む (淦) 喋くりで 用を足す 洒落た 御仁らが 他人の 背中を 楯に いきる  献花台の 垂涎が 賤陋なる 其の 品を 暴く 醒め遣らずの 功勲が 罷んだ 病みを 笠に着て ほざく  (売買) 愛しき 此の 郷が (媒介) 灼けて 真っ赤になる  ざんばらの 槍備え 呆げる 毛虫が 下種な 理路で 銜え込む (淦) 御作りを 否ぶ 割 臀を 放り出して 他人の 厭気 糧に 生きる  物の数に あらねど 穿げ除く 蟻の 一穴に 窺く 拗けを 視れば 捨て 置けぬと  殿の 楯備え 咎む 地虫が 我の 丈を 抱え込む (淦) 喋くりで 用を足す 洒落た 彼奴奴らが 僭うも 其は 隠すに 現ると
月華忍法帖陰陽座陰陽座瞬火瞬火墜ちた 地表に 流る 我に 適わぬ 血汁 既の 際に 掌を 返す 慮外 喚く  斯くなる 上に 余執は 稲妻 爪紅に 代えるは 此の 泪  其の 闇が 痛いなら もう 死せる 月の華を 浴ぶりて 往けよ 眥 裂ける 今宵に 孔雀の 花が 舞う  包み討ち なぞは 返し刀 胡坐の 酬いは 死の 舞踊 絶後に じわり 覚るが 良し 神鳴りの 刃 落ちる  斯くなる 上に 余執は 稲妻 爪紅に 代えるは 血の 泪  其の 闇が 痛いなら もう 死せる 月の華を 浴ぶりて 往けよ 眥 裂ける 今宵に 孔雀の 花が 舞う  覚悟の 上に 奔るは 雷光 夜四つの 闇路に 月が 映ゆ  斬り抜けて 此の身が 千切れても 然う 死せる 月の華を 泳いで 生よ 為抉り 惧る 迷いに 還らぬ 顔を 浮かべて  業因が 此の身を 屠るとも 棲まいた 此の 闇を 抱いて 逝けよ 霹靂 終に 鳴らねば 月夜に 神は 無し
白峯陰陽座陰陽座瞬火瞬火秋ざれの 真尾坂に 吹き過ぎる 野風 藪陰の 陵に 心思う  湿る 様な 木下闇に 籠める 雲霧に 苦い 荼毘の 果てに 眠る 君の 憐れを 念い 塞ぐ  陽月の 白峯は 徒夢の 別れ 濡鷺の 一輪は 影も 無し  厳し 御世に 在らせられし 時代は 昔歳と 深い 闇の 茨に 身を 委ね 蔓の 巻くにさえ 払い 除く 手も 無く  浪の 景色は 変わらじを 形無く 君は 成りにける 濡つる 愚僧を 呼ばう 聲 響く  振る舞おう 返し歌 安心を 極む 想いに 浮かべるが 良い 流れに 寄せる 浪 残心の 燻る 小舟の 朽ち果てしを  此の 眼が 手が 星羅に 殖ふ 彼の 捌きへの 猛襲  否や 君よ 痴めきの 穢を 絶て  聞き負えよ 道義の 聲 奴儕の 為做す 非道を 震えるが 良い 糾える 妬婦の 陰 国民の 禍と 知れ 憎悪 滅罪  偈を 哭を 天魔に 問う よも 了らねば 啾啾  否や 君よ 痴めきの 穢を 絶て  慾心と 二人連れ 聞こゆるは 他でも 無き 民の 憂哭  魔道 踏み締む 踊躍の 影が 闇に 躍りて 声高に 喚く  業 炎 暴 雷  野葬 紛いの 惨酷に 就かば 無理に 非ずと 僅かでも 覚ゆ  業 炎 暴 雷 怨 念 戒 終ふ 肯ふ  高 慢 業曝しの 楼 業 障 断 免罪  邪道の 下奴に 命ずる 族 (御意 御意)  奏 覧 憚らしの 令 族 類 噴飯ぞ  寿命を 握り 滅びを 待ち得 (開 開) 堕落の 怒り 尽きせぬ 谺 鏖 殺  詛ふ  縦し 過ぎしの 閨が いと 麗しき 玉とて  斯かる 後の 御身に 執りて 総ては 何為なる 現人の 死出に 於いて 如何な 開きも 有らざる  我にも 媚ぶらぬ 詞の 摯る 諭しが 誄に 成る 衷情を 憶ゆと いこる 心 冷む
迦楼羅陰陽座陰陽座瞬火瞬火零れ 落ちた 雫と 消ゆる 羽音 飛び 翔ない 我儕にも 有る 雲路  尸解の 骸の 如くに 蹲いたる 此の 身 遠き 歌に 身を 焦がした 儘  騒めきも 怒りも 命駕の 如 過去も 前世も 都ての 此処 才めきも 伎癢も 請い捨てられたら 此の 空に 徒で 歩き出したい  崩れ 落ちた 傍に 消ゆるは 音 薄紅の 花にも 無い 憐れ  斯界を 統べる 御託に 流されぬ 倖い 唯 望むは 火を 点せる 様  騒めきも 怒りも 命駕の 如 過去も 前世も 都ての 此処 才めきも 伎癢も 請い捨てられたら 此の 空の 下で 歩き出したい  遂げたら 終わりを 探して 然らねば 翼翼と 舞え 愛しむ 詩想が 翼と  轟きも 力も 胎芽の 如 明日も 未来も 未しの 此処 華めきも 枝葉も 咲うに 付せたら 此の 道を 空と 歩き出したい  産まれ 落ちた 沈くに 映ゆる 鋼 嗾けない 我儕に 有るは 鬩ぎ
覚悟陰陽座陰陽座瞬火瞬火鳳麟 念者 能わぬ 面 矢鱈 吹かれりゃ 一遍で 消えて仕舞う 降臨せぬは 周囲の 咎 戯れた 寝言の 暇に 遊敖 為なはい  遣れども 遣らねども 時間は 経る 祈れども 其れは 疾く 前へ 炳として 花もこそ 移ろえば 時間は 一寸 待っては 呉れまいが  傲慢 運者 襤褸儲けの 種 可惜 麓の 天辺で 消えて仕舞う そがいなが ええけん 我の 正念 忽ちの 永久に 優勝 有りゃせぬ  寄れども 寄らねども 遠離る 怨めども 其れが 憂き世にて 定理の果て 曝れども 順えば 誰ぞ 一寸 持っては 呉れまいが  譲れない 揺るがない 其れは 事の 前に 痴れて 吐かす 勿れ 為果せし 者の 詞 ばら掻きでも  遣れども 遣らねども 時間は 減る 祈れども 其れは 疾く 前へ 炳として 花もこそ 移ろえば 時間が 待っちゃらんのは 是非も 無い  根腐れど 起てども 遠離る 怨めども 其れが 憂き世にて 定理の果て 覚悟を 決め 添えば 何ぞ 擦った揉んだの 入り用が 有るまいが
両面宿儺陰陽座陰陽座瞬火瞬火粉骨を 尽くしても 過ぎたる 徳は 存外 身命を 賭するは 却りて 乱逆の 脅威 限外  左手に 見ゆ 鉾先は 難儀の 方 示し 右手に 在る 錫杖で 障りを 祓う  猗 勲は 穢し 雨に 打たれて 頓ては 根組の 倦ずに 巻かれ 哀傷は 次う 影に 紛れて 冤鬼の 嘆きを 掻き 消す  砕身を 奉れども 下卑たる 目には 有罪 敵愾に 醜名は 歪む 大犯たる 行為 堕罪  左手 握る 彼の 斧は 毒牙の 禍 割りて 右手の 杖 支うのは 歩み 往く 為  猗 勲は 穢し 雨に 打たれて 頓ては 根組の 倦ずに 巻かれ 哀傷は 次う 影に 紛れて 冤鬼の 嘆きを 掻き 消す  存念は 残念と 爛爛で 罕漫の 相 常に 下問に 照りはなし 敢然と 渾然で 闌干と 寒酸の 冗 斯かる 屋後に 立ち  念う 雨が 穿つ 石の 惹かる 貌 徒然の 御業  故に 研ぎの 果ては 倩倩と 狂りて 己を 謡う 姿  鞘なる 祠堂は 忌まう 風に 吹かれて 生りては ならぬを 暗に 告げる 法る 気概の 廉に 討たるなら 零落ちるを 呼ばうは 妖怪 豪し 誉れ
静心なく花の散るらむ陰陽座陰陽座瞬火瞬火丑 三つには 草木も 眠ると 謂うが 実にも 然り 繰り返す 太刀音の 全然 聞こえぬ  花軸に 感じは 無し 根は 端に 抜いた 闇を 合わせて 光と 成す  此の 卍は 終の道 時雨 無い 神鳴りが 討たれて 仕舞う 迄 あな 馮河と 唯 嗤え 思い出づ 名を 賭して 月夜に 花は 舞う  暁には 七つに 刻むと 謂うが 未だ 二つぞ 吐き返す 液の 澱 花気に 噎せぶは  花柱に 流れ 落ちる 距の 黒い 蜜が 花柄で 混ざり 赤らむ 故  此の 卍は 終の道 時雨 無い 神鳴りが 討たれて 仕舞う 迄 あな 馮河と 唯 嗤え 思い出づ 名を 賭して 孔雀の 花は 舞う  此の 身空が 討たれたい 尽きせぬ 修羅にて 独り笑む なれど 只で 散ろうか  疾うに 終焉は 夜を 明かす 果てしない 懊悩を 睡が 殺す 迄 我が 名前を 宣ばえよ 静心なく 散ると 最後の 雷火を 放つ 丈
心悸陰陽座陰陽座瞬火瞬火時間が 萎れる 軈て 蹲る 其れが 過ぎる 魔障としても 胸に 訊くのは 弛みない 鼓動 此れが 竦む 私の 糧  怖い 位 脈の打つに 任せてきた故 僅かにでも 止まる 夢を 見れば 動悸 動悸 する  身体に 充て 離らざれ 私と 生まれた 血汐 (震蕩) 心悸く 心臓に 強く 高く 胸を 熱らせて  鯨波を 厭いて 雪も 黒くなる 其れが 度ぎる 火傷としても 裡に 響くは 類なき 壮志 此れが 闇を 白に 染めて  恐い 冥い 長い旅も 刹那になる故 仄かにでも 光る 道を 往けば 造句 造句 する  身体に 廻て 涸らざれ あなたに 生まれた 血汐 (震蕩) 心悸く 心臓に 甘く 淡く 胸を 躍らせて  亢る 心臓は ぼくらの 歩いた 印 悸く だに いっそ 竦み 歩けない  身体に 有る 心臓で 私を 生命と 呼べる (震蕩) 時めく ことなく 一つ 一つ 今を 搏ち 鳴らせ
茨木童子陰陽座陰陽座瞬火瞬火紅梅に 襲ぬも 五条に 綻びて 借り物を 手に 其の 筋は ひらひら  幾度 遡れど 腕 矢場に 舞う  頼光 天王 謀略殿 怯懦の 輩 人間 雑兵 廃亡せぬ金輪際  叢雨の 九条で 雷鳴に 又 落ちる 然こそ言え 唐櫃は からから  生まれの 際から 窺く 童子の 貌  頼光 天王 謀略殿 怯懦の 輩 人間 雑兵 廃亡せぬ 金輪際 来同 玄応 幽艶ぞ 刹鬼 無頼 乱漫 合焦 顕現せん 郷土の 塊  逆髪 抉られた 月の 夜を 泳ぎ 果てる 迄 十六夜う 天命は 善かれ 仇衆を 刻む 仰せ  鬼子の 憐れに 見たり 衆生の 傲り  逆髪 抉られた 月の 夜を 泳ぎ 果てる 迄 十六夜う 天命は 孰れ 徒しを 刻む 逢瀬  赦すまじ いみじくも 又 遡る  残亡 昏沈 頼光殿 汚穢の 狙 濫妨 擁掩 乾綱なり 羅城の 徒
甲賀忍法帖Mary's BloodMary's Blood瞬火瞬火SIN・Mary's Blood下弦の月が 朧に揺れる 夜を 包む叢雲 磔られた 番う雛 絡める 非情の罠 嗚呼 今も燻ぶ 想い胸に 聢と宿らば (殲) 水の様に優しく 花の様に劇しく 震える 刃で 貫いて 宿命られた 涙を 瞳の奥 閉じても 貴方を 瞼が 憶えているの 無明の淵で 終焉を待つ 私は 噎ぶ身無し児 蹂み躙られた 尽る恋を 両手に 包んだ儘 もう 諍えない 共に辿る 釁りの黄泉路を (殲) 水の様に優しく 花の様に劇しく 震える 刃で 貫いて 宿命られた 涙を 瞳の奥 閉じても 貴方を 瞼が 憶えているの 水の様に優しく 花の様に劇しく 震える 刃で 貫いて 宿命られた 涙を 瞳の奥 閉じても 流れる 血潮 止められない 蜜の様に零れて 徒の様に散りゆく 儚い 祈りを 掻き消して 宿命られた 二人を 葵闇が 裂いても 貴方と 揺蕩う 隠り世まで
一輪一滴陰陽座陰陽座瞬火瞬火永永と 越後の 郷に 降り積もる 雪花 寒花を 化粧ふ 白粉か  淙淙と 流れる 水は 血と汗 清かに 諳れる 謳は 澪標  道なき 途を 頑に 往くは かえらぬ 謂の 只 有る故  恐れず 歩み 細やかに 備う 其れ丈を 念いて 然う 成るを 目掛ける  直 醸みた 一滴の 酒に 其の 泪を 釈して 笑むなら 零れ 咲き 巡り ゆく 季に 今日を 重ぬ 衆を 潤す 一輪の 花よ  恐れず 歩み 細やかに 備う 其れ丈を 念いて 然う 成るは 遙に 遠かれど  醸みた 一滴の 酒に 只 一縷の 憩いが 有るなら 今日も 廻む 営みの 傍に 魂 尽くす 衆に 微笑む 一輪の 花と 幾重にも 願う
甲賀忍法帖YURiKAYURiKA瞬火瞬火下弦(かげん)の月が 朧(おぼろ)に揺れる 夜を 包む叢雲(むらくも) 磔(はりつけ)られた 番(つが)う雛(ひいな) 絡める 非情の罠  嗚呼 今も燻(くす)ぶ 想い胸に 聢(しか)と宿らば (殲(せん))  水の様に優しく 花の様に劇(はげ)しく 震える 刃(やいば)で 貫いて 宿命(さだめ)られた 涙を 瞳の奥 閉じても 貴方(あなた)を 瞼(まぶた)が 憶えているの  無明(むみょう)の淵で 終焉(おわり)を待つ 私は 噎(むせ)ぶ身無(みな)し児(ご) 蹂(ふ)み躙(にじ)られた 尽(すが)る恋を 両手に 包んだ儘(まま)  もう 諍(あらが)えない 共に辿(たど)る 釁(ちぬ)りの黄泉路(みち)を (殲(せん))  水の様に優しく 花の様に劇(はげ)しく 震える 刃(やいば)で 貫いて 宿命(さだめ)られた 涙を 瞳の奥 閉じても 貴方(あなた)を 瞼(まぶた)が 憶えているの  水の様に優しく 花の様に劇(はげ)しく 震える 刃(やいば)で 貫いて 宿命(さだめ)られた 涙を 瞳の奥 閉じても 流れる 血潮(ちしお) 止められない  蜜の様に零(こぼ)れて 徒(あだ)の様に散りゆく 儚(はかな)い 祈りを 掻(か)き消して 宿命(さだめ)られた 二人を 葵闇(あおいやみ)が 裂いても 貴方(あなた)と 揺蕩(たゆた)う 隠(かく)り世まで
覇王陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火「立て」 我は 刻を 告げる 限外 断行 鬼神も 転び 避きぬ  蓋 全滅罪 イ舞 閻羅に 業 奉ず  「絶て」 其れは 急を 告げる 存外 残葩 雨は 山を 平す  蓋 全滅罪 イ舞 染汚に 引導  子良 覚醒よ 此の 末路に 昊 暗まされど 行くを 覇道と  王が 嗤う 歌は 伍の次と 王が 怒れる 依正 斯く也や 王が 焦る 有情 幾ばくか 王が 妨ぐ あれよ 外法と 蔑しけり  其 耳食の 城 然ればいな 自ずと 塵を絶つ 其は 不治の 病みよ 早夜 結びに 指を染めて  坎廩たる 果てか 否 不肖の 報いか 半壊する 景に 愁の毛を 立てるも  然う 斯界は 責めて 択び得る 夫れ夫れ 行が 道に代わる  子良 覚醒よ 此の 末路に 昊 暗まされど 行くは 正に 覇道ぞ
覇邪の封印陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火覇邪の封印俄に 湧いた 黒い 何かに 跳ねることを 許す 卑陋なる 畠は 持たぬ  瞑げば 泛かぶ 辿り 瞼に 深い川の 如く 静かなる 流れの 途次  冷たい 柩に 蓋を 定むは 未だし 世時  蠢く 漸滅の 欠片 暗す 前の イ舞 末枯る 此の世に 腐れても  あられなき 竃祓 賤しき 様態 態を 上衆に 奉じても 覇邪の 世は 買えぬ  土は 甕に 盛るな 愚弄 那由多に 励むことを 嘲笑う 尾籠なる 旗は 破け  滲んだ 色に 誤魔化されるや 向かい側の 汚俗 抉られた こようを 閉じ  告げたい 安い 二歩など かだむは 邂逅に 有るを 無きに せしめ  蠢く 漸滅の 欠片 暗す 前の イ舞 末枯る 此の世に 腐れても  あられなき 竃祓 賤しき 様態 態を 上衆に 奉じても 覇邪の 世は 買えぬ  風間に 靡べ 帆風は 求めぬ 例え ゆりの 墓標に 有る名 無かれど 過ぎる 魂は 定めを 殺ぐ  蠢く 漸滅の 欠片 暗す 前の イ舞 末枯る 此の世に 腐れても  あられなき 竃祓 悍しい 如来 是ぞ 創意と 居直るか  誇らしく 纏うは 紫の 羅衣 誂えた 如 いみじくも  穢れなき 常陰に 暮れて 消ゆ 世迷い 沫の 岩戸に 封じても 覇邪の 夜は 冱えて 流らえ
以津真天陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火絶島の 産んだ 白露が 珠と 初める 蛹化に 目が眩む  月桂を 浴びた 嬰児の 歌う 故の 多さに 鼻白む  其の 内向きさえ 晒せば 麗句 顋門まで 辿るが 運命  軽軒なれば いざ知らず 徒行く 徒等の 歩み 何時迄 炯眼なれば 其は 永し 暮れゆく 折に 憚りて 参れ  月桃に 遊ぶ 蜜蜂が 騙る 嘘の 叢話に 笑みこだる  絶景に 浮かぶ 灯蛾は 下駄を 履いて 潰れて 顰め面  其の 内向きさえ 晒せば 麗句 顋門まで 辿るが 運命  霊験なれば 然もあらぬ まやかす 味の 旨み 何時迄 慧眼なれば 其は 流罪 成り行く 任に 謀りて 参れ  嘯きさえ 醸せば 含み 微睡など 破りて 抛れ  軽軒なれば いざ知らず 徒行く 虎の 歩み 何時迄 炯眼なれば 其は 永し 粗末な 檻を 食い裂いて 吼け
陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火隷  脆性 闌干で 獺祭 絶天佑 蒙昧 論罪の 合切 及ばざれ  灰燼 連環す 存外 輪転す  呪力の 隷よ 只 るいるいと 積もる 塵に 理は 要らぬ 衆生の 道にて  従臣 重用で 傀儡 量産す 叛ける 陰陽の 端倪すべからず  牢人 淪没す 背負う蝿 繁冗す  意力の 隷よ 他我 磊磊と 贖る 才に 断りは 要らぬ 附属の 覇気にて  花 散り初めし 霧海に 在りて 此の またたきを 絶やしてなるか  花 咲き初めし 佳境に 在りて 其の 囁きぞ 此処乍らの 孤立  憂い 心に 殊更めいた 独り琴を 隠すより 現れた 裡 其の 貌  清濁 蘭艾は 弄玩 順慶流 長城 爛壊で 雑載 竜に見せ  灰燼 連環す 存外 輪転する  呪力の 隷よ 只 るいるいと 積もる 塵に 理は 要らぬ 衆生の 道にて
腐蝕の王陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火深い 此の 涅の 底で 腐爛せし 尊厳 幾億の 障りに 稍 眩いて 無色の 天よ 腐蝕の 果てに 冴え行け  不意に 立ち塞がる 難境も 故意に 打ち遣られる 功業も 無意に 凝り固まる 概念も 心念に 触れて 意志へと 変わる  深い 此の 涅の 底で 腐爛せし 尊厳 幾億の 障りに 稍 眩いて 無色の 天よ 腐蝕の 果てに 冴え行け  刹那に 泛ぶ 空劫の 欲 成劫に 在る 悦びの 翳 壊劫に 至る 故など 知らぬ 憂いに 狂れて 強さを 備う  腐り太刀の 錆が 今 触らす 韻文で 千億の 調べを 散撒いて 胡乱な 聲を 腐蝕の 粮に 研ぎ上げ  深い 此の 國の 底で 腐爛せし 尊厳 幾億の 障りに 稍 眩いて 無色の 天の 腐蝕の 咎を 誇りと 誉れる 故  屹度 怺え切る 先に 不乱たる 尊厳 追憶の 何彼に 只 泣いて ぼろんを 極む 腐蝕の 王に 成れ  潜血に 濡れた 此の 讌の 行く先よ せんれつに 燃えた 此の 謡の 成れ果てよ
一本蹈鞴陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火砂を 噛むなら 翫味と 為る 禄を 食むなら 倍の 役を 為す  嗚呼 夙み 焦がれる 夢想 狂言に 然う 未だ 遠いも 遠いも 大いに 嘆くも 踏み明けるのは 直道  業に 踏み抜く 鞴の 練す 材は 鉄の 魂よ 燃えろと 喞子が 往き還り 鋼鉄を 成す  闇を 覗けば 光を 知る 取りも直さず 陰は 陽の 鑑  嗚呼 常に 流れる 空音 鏘然と 然う 唯 容易な 妖異と 王威が 嘔吐えど 切り拓くのは 此の 道  正に 打ち合う 矜恃の 堅き 牢な かなとこの 金属に 込めるは 相鎚 三組が 鍜し 上げる 音ぞ  燻り出して みよ 燃え残りの 火で 生み出して みよ 其処に 蛻の殻 なれば 脱ぎ 捨てたる 主を  業に 踏み抜く 鞴の 練す 材は 鉄の 魂よ 燃えろと 喞子が 往き還り 鋼鉄を 成す  正に 打ち合う 矜恃の 堅き 牢な かなとこの 金属に 込めるは 相鎚 三組が 鍜すや 重畳と
飯綱落とし陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火其処に 在るなら 取りも 敢えず 行き立つ 是非も 無く 迷いも無くば 追えど 待たぬ 御座なりの 我は 影無し  憐れなる哉 無為に 如かず 只 狩られる 狐狼よ  運命なりせば 渾て 呑まれて 終え 其れは 未だ かなうと 然れど 至情に やけに 過剰な 覚悟は 剥がれはしない  何処に 在るやら 丸で 見えぬ 苛立つ 態も 無く 争で 生まれ 死ぬるを 随にさるか 置き去りの 悔いに 喰われて  愚かなる哉 戒も 聞かず 只 咲いて 散るのに 何れとも無し  掟なりせば いっそ 巻かれて 仕舞え 其れは 未だ かなうと 然れど 無上に 酷く 野乗の 編みたし 滅びの 儘に  運命なりせば 渾て 呑まれて 終え 其れは 未だ かなうと 然れど 至情に やけに 過剰な 覚悟の 忘れ形見 神鳴りの 魔ぞ  真芯に 走るは 二度と 返らぬ 念い 其れが 今 翔るも 然らば 非道に 暮れた 私よ 彼の手に 抱かれて 墜ちる
鉄鼠の黶陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火末期に 堕つる 闇 深く 欺罔の 罪を 恥で 贖え  果たせば 労に 報いると 出任せ 恩を 無みするか  手向けは 一筋の 泪 无冠を 弔う 後悔の 黶 無かれば 二粒の 舎利を 襲ねる 鼠害は 祈念の 限りに 留まぬ  あれよ 惨めな 撥ねた 鼠 目障りな 功徳 揉み消そうぞ  否 故意に 非ず 如何様に 捉えるも 御心の 随意に  実に 惘るぞ 豈図らんや よも 阿闍梨の 差し金 也と  好しに 過ぎた 柄の 所為か  抑 白河 延暦の 罠 山の 寺の 囂し 破戒の 極み  好しに 過ぎた 面の 皮ぞ  褒美の 反故など 知らぬ 憾むは 棄ち遣る 無体と 謀り 欺く 様な 小者を 見抜けぬ 己の 愚よ  拭い去るのは 一筋の 泪 成せりを 葬りし 報いの 黶 無かれば 二粒の 舎利を 襲ねる 鼠害は 傲りの 対価に 収めよ
無礼講陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火発程 己に 遠慮を するなよ てんで 二進も 三進も 行かぬ 事情が なかれば  徹底的に 魂 吐き出せ 空に なったら なったで 然れば 喰らえば 良い  遣らざるを 悔やむなら 為て かんまんわい 其の 為に 今が 有る 照れくさい 気持ちなど 俄然 こんまいわい 其の 声に 担がれ  大声 出しても (無礼講) 足りぬと 言っても (無礼講) 度が 過ぎようとも (無礼講) 寧ろ 応えなかったら (無礼者)  発生 腹に 空気を 溜め込め 其は 肺やの 胞やの いらんぜ 気持ちの 話よ  決定的に 無敵な 眺めよ 皆 だっても さっても 置いて 狂えば 良い  遣らざるを 悔やむなら 為て かんまんわい 其の 為に 生きて 在る 照れくさい 気持ちなど 俄然 こんまいわい 其の 声に 絆され  身 乗り出しても (無礼講) 無茶苦茶 言っても (無礼講) 飛び 跳ねようとも (無礼講) 敢えて 知らぬを決め込みゃ (無礼者)  何時も 夢に 舞う 此の 場面 何も 介入られぬ ぼくたちの 約束の 場所  降り注ぐ 汗の 雨 其 しょんないわい 生きてりゃ 色々 かく 徒に 冷めた 振り しよったら 良んないわい 此の 尻を 蹴り上げ  大声 出しても (無礼講) 足りぬと 言っても (無礼講) 度が 過ぎようとも (無礼講) 寧ろ 応えなかったら (無礼者)  身 乗り出しても (無礼講) 無茶苦茶 言っても (無礼講) 飛び 跳ねようとも (無礼講) 生きて 生きるを せんなら (無礼者)
桜花忍法帖陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火眼指で 殺したい 絡む闇に 諍う 念い 強く 両の眼に 宿して 情熱を 閉じ込めて 裏切れれば 泪は 要らぬ 焼べて 道ならぬ 番を  咲き乱る 花の哀れが 私語く 触れなば 堕ちよ 無影の 徒と  桜の 宙 あなたに響く 祈り 運命の 随 ふたりを繋ぐ 雲路 結びかけた 指を 優しく 解けば 然う 少しずつ 彼の日に 還る  愛しさを 殺したい 只 無闇に 逆巻く 想い 酷く 遠き日と 紛えて 生滅を 翫ぶ 企ちなら 慈眼は要らぬ 渾て 音も無く 砕いて  聳え 征く 叢雲に待つ 魔道よ 残らず 爆ぜよ 悔悟を 抱いて  桜の 宙 あなたに響く 祈り 運命の 随 ふたりを繋ぐ 雲路 結びかけた 指を 優しく 解けば 然う 精神だけ 彼の日に 還る  帷は 眼で下ろす 瞼の 夜を為す 未だ 明ける 残花の 色を 視よ 其は 必じ 散るとも 逆う  桜の 宙 あなたに響く 祈り 運命の 随 ふたりを繋ぐ 雲路 解きかけた 指を 優しく 結べば もう 戻れぬ 彼の樹のもと  舞い落ちる 弔(い 殉う 花に 只 閉じる 未練に怖じる 心 愛を 湛う 矛で 此の盾を 打てば 然う 来る日が 桜に睡る
迦陵頻伽陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火胚なる 我 目醒めるも 視界の限り 影は無く 息吹も聴かぬ 虚ろが 群れて 跳ぬ  幽栖 無生 仄めく 聲 孵る前に あなたを探していた 幽契 無形 敢え無き 石角 夢の裡に 界を 殺したの  晦冥は 目見を 鍛し 侵凌の 徒は 嶺らを紛い 何処の空  重ねれど 崩れる 石を 醸みて 滴りを 刹那の 水に代えて その聲を探すの  幽栖 無生 仄めく 聲 孵る前に あなたを探していた 幽契 無形 敢え無き 石角 夢の裡に 界を 殺したの  然れど 感くは 呼び合う 聲 見えぬも 然り 同じき ものに 生まれた  果て無き 慕情 明けし 聲 宿る前に あなたの傍に 居た 此ぞ 無上 孤峰の 虚空 在るを愛でる 有り触れた 心は 耀きの中に 妙音を 聴く
陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火あだなき 鳳が 真逆に 落ちる 矢疵も 病も 無かれど 灯したことも 気付かぬ 内に 亡くした 火の名を 胸に 独り 散る様を  飾るは 此の 羽盛 最後の天に 泛ぶ 沙羅の 華 葬らる 此の 鸞を 忘れる頃に 覚れ 音が 絶えると  鼓翼を 気取り 火燼が 跳る 然したる 寂など 有らねど 手繰るも 毟るも 羽根は 盗れぬ せめて 嘯むけ 飛ばぬ 鳳は 有り得ぬと  誑すは 其の 羽振り 無数の虚に 泛ぶ 邪侈の 腹 嬲らる 此の 廉を 嘲るものに 定む 聲は 聴かぬと  あれなる 天が 官製ならば 賊土こそ 我が意 天を 蹴りて 地へと 昇れ 其れこそ 只 前に 歩むこと  飾るは 此の 羽盛 最後の天に 泛ぶ 沙羅の 華 葬らるとも 穢されぬ あぐねる内に 無価の 命が 限りを 知り 自ずから 散ると 然れば 歌えよ
熾天の隻翼陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火(罪) 安い 正義の 破落戸 (罪) 法が 色黒く 曝る  (滓 便 護) 人の権 奪わば 剥奪が 当  例え 翼 折れても 御前の 許に 必ず 墜ちる 見え透いた 虚言も 省みる 振りも 露 求めぬ  (罪) 下種が 制偽で 守られ (罪) 遺族 嬲りて 嗤う  (滓 便 護) 有るならば 返せ 等価なる 命  例え 翼 折れても 御前の 許に 必ず 墜ちる 見え透いた 虚言も 省みる 振りも 露 求めぬ  人を裁く 是非は 要らぬ 獣なれば 己に 若し 降り掛かりて 未だ 繰り言を 言えるならば  然様か 其れすら 無理か 斯かる 悲嘆を 推し量るすら もう 何も 望むまい 願わくは 少し 黙りおれ  例え 翼 折れても 御前の 許に 必ず 墜ちる 見え透いた 虚言も 省みる 振りも 地獄でやれ
曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火上身の煌めきよ 鞘なる心よ 佐爾波の 付喪に 宿れ  振り切れ難き 主君への 想い 掻き乱れて 運命の 侭に 別離を 容れる 切なさよ  然う迄も 只 誓う程 欺瞞の徒等を 抛りて置けぬ  上身の煌めきよ 鞘なる心よ 佐爾波の 付喪に 宿れ 重なる 刃金の 凭りて継がう 白い刃音よ 舞いて 歴史を生らせ  虚ろに響く 良しなの 祷り 打ち拉げて 刻の 貌が 醜く 歪む 悔しさよ  鋒で 質し合うとも 次元の違え 凝りて 固み往く  靂よ はばきの辭よ 無常の 滾りに 報え 掠める 族の 穢で染まる 禍根の雲 裂いて 天を霽らせ  終を 告げる 月の光が 毀れた 総身に 散れど 忌まわしき 穢れを纏う 彼の 手を 払いて  上身の煌めきよ 鞘なる心よ 佐爾波の 付喪に 宿れ 重なる 刃金の 凭りて継がう 白い刃音よ 舞いて 飛べるならば  決して 絶えないで 契りの 勇士よ 無道の 追儺を 遂げて 永久に存えぬ 命をこそ 刻になぞり 鳴らせ 白刃の聲は 爪音
廿弐匹目は毒蝮陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火迷うはずもない 詰まらぬ 道 無礼顔に 見舞う 驚駭  よもや 当たりはすまい 百に 一つの 凶事 見よや 二十重に 小衝けど 只の 小枝よ  蛇の 目路は 既にして 捉う (絶対) 蛙楽 止み 毒癘が 満ちる (残害)  そんなはずはない 見知らぬ 径 酒頬に 伝う 焦燥  馬鹿な 当たりはすまい 高が 二十と 二つ ひょいと 引き上ぐ 蔓草 其れが 毒蝮  蛇の 目路は 既にして 捉う (絶対) 蛙楽 止み 毒癘が 満ちる (残害)  蛇の 目路は 既にして 捉う (絶対) 蛙楽 止み 毒癘が 満ちる (残害)  邪の 道は 蛇ですら 見えぬ (全然) 足掻く 闇 毒焔が 吼える (わんわん)
御前の瞳に羞いの砂陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火心悸 其れは 時空も 歪める程 手前勝手な 心思い 然れども 只 此の身は 老い 曝らぼう 淡い 寂寞の 欠片  離れてより はや幾年 忘る程 なれば 変わり果てた 此の 容姿を 御目に 晒せようか  (老嬢) 砂混じりの 宵 瞼を 閉じて (老憊) 泥塗れの 恋 さも あらねば 其の 瞳に 羞いの 砂を  瞬く うちに 過ぎたる 時間を忌む 軽い 六垢な 心根 然りとて 最早 笑えるはずもない 深い 悲しみの 欠片  如何にしても 繕いたい 叶わねば 然らば 見る影無い 枯れた 顔で 御目を 汚せようか  (老嬢) 砂混じりの 宵 瞼を 閉じて (老憊) 泥塗れの 恋 さも あらねば 其の 瞳に 羞いの 砂を  離れてより はや幾年 忘る程 なれば 変わり果てた 此の 容姿を 強いて 視ると 言うか  (老嬢) 砂混じりの 宵 瞼を 閉じて (老憊) 泥塗れの 恋 でも 視ようとして  (老嬢) 袖を噛む 迷い 逢いたい 然れど (老憊) 待ち過ぎた 報い 遅すぎたと 目眩撃ちに 苛立ちの 砂を だから 早く 逢いに来て
轆轤首陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火辿り着いた 西海の 際に 泪の玉 きらきら 舞う 不埒の果て 契りたる 男は 諍う 間も無く 影も無し  見つめられたら 直ぐに 零れてしまう 移り気な 此の身 なればこそ 抱き寄せて 繋ぎ止めて  躍れ 先の旦 巡り廻りて 彼の 前夫の番 彼是 すべてを 水に 投いで 私を 肯え 千里眼 あらば 馳せて 私の許 夜な夜な 首伸ばし 迎えに来る 夢を見る  板に付いた 独り寝の 傍に 借り取りの 猫が 侍る 詮無きとて 選り屑と 縒りを 戻して 遣る 他 如くは無し  求められたら 直ぐに 蹌踉けてしまう 不身持ちの 女 だからこそ 盗らるるは 貴方の罪  躍れ 先の旦 巡り廻りて 彼の 前夫の番 彼是 すべてを 水に 投いで 私を 肯え 千里眼 あらば 馳せて 私の許 夜な夜な 首伸ばし 迎えに来る 夢を見る  間抜け面した 優しい前夫 未練のあらば 兎も角 御出で  躍れ 先の旦 今や 懐かし 彼の 飛頭蛮 彼此 すべてを 蜜に 化して 解ったら 疾く 審美眼 あらば 染めて 私の事 又候 過てど 奪って逃げる 男が好い  待ち草臥れて 伸びきる 首よ
氷牙忍法帖陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火謀 蠢く 懐に 生まれ 息差も 己の 任に ならず 遂げる 何かは 幽冥に 隠る 人を 斬るに 糸は 切れない  悔悟の 牙よ 此の身に 宿れ 未だ 腕に残る 軽みが 悍しい 故 最期に 踊れ 氷の 荊棘を 撫でる 様に 塵と 罅ぜよ  怒りに 喚く 彼の頃に 染まれ 目差は 奴の 其に 非ず 欠ける 泪は 血刀に 代えて 戯れた 嘘も ざらり 纏みて 此の手で 葬らん  悔悟の 牙よ 此の身に 宿れ 未だ 腕に残る 軽みが 悍しい 故 最期に 踊れ 氷の 荊棘を 撫でる 様に 塵と 罅ぜよ  数え切れぬ 疵よ 此の身を 喰らえ 甦る 胸の 痛みが 睡らぬうちに 最期に 踊れ 氷を 穿つ 雪の 様に 白に 眩いて 縷縷に 贖う 修羅の 途を
人魚の檻陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火忘れないで 水に泳ぐ 此の髪を 憶えていて 眠りを断つ 其の意味を  現し身なら 救いもある 孰れ 終焉が 嘆きを 和ぐ 悲しみさえ 閉じて 濁る 此は 檻  幽棲からの 囁き 彼の 岸で 呼ぶ 哀号すらも 届かぬ 此の 岸に 独り  悠久なれば 安らぐ 老いらねば 好し 頓に 恐れた 愛するものが 川を 渡るを 渾て 御前を 蔑す 御為倒しの 夢  我 誰 澱に 憩う 別れを 忌う 【別たれ 檻に 今 乞う】 潤み色の 罪 永久に 死せぬ 我が身 溶きにし 曲水 【常磐に 死せぬ 海神】 思い遣らぬ 愛  命の 絶えぬを 善かれとするが 馳走なら 己が 喰らえよ  惘るほど 愚かし 人魚の 臠 謀りて 饗ふ 徒に 傲った 愛するものに 永久を 与うと 其が 御前を 奪う 人の 生きる 世 から  我 誰 澱に 憩う 別れを 忌(う 【別たれ 檻に 今 乞う】 潤み色の 罪 永久に 死せぬ 我が身 溶きにし 曲水 【常磐に 死せぬ 海神】 思い遣らぬ 愛  溢れる 嘆きを 集めて 深き 水に 問う 終 無き 此の身を  忘れないで 水に溶ける 此の貌を 憶えていて 二人を裂く 其の罪を  幾久しく 貴方を 待つ 水馴りて
素戔嗚陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火奪わる 母の 心 言祝ぎ 亡くした 愚蒙に 黄泉が来た  そそるは 荒の 塔 煌めく 傲りに 有界が 舞い降りた  早められた 廃滅の 黒い 影を 糧に 加えて 穢土に 還す  蛮行の 徳 (五噫) 塹壕の 労苦 (五噫) 難航を 模す (五噫) 鈍根の 徒を (五噫) 遇す  誂えたる 鬧熱の 捏ねた 泥を 気吹と 吐かば 汚穢が 散る  問 解 冥 問 解 冥  故に 配流は 自明の 事ぞ 上に 納めぬ 下策を 取る 何ど 遣り遂げたい 「なら 死ぬが良い」 下劣なる 声も 異界では 好き音と  嗚呼 愚かな 性 それでも 己が 宇気比に 余儀は 無し  早められた 廃滅の 黒い 影を 糧に 加えて 穢土に 還す  捏造り上げられた 気道車が 撥ねた 泥を 渾て 被りて 三事を 成す
絡新婦陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火壁に書いた 糸文字は 栞 恋い乱る 胸を 今も 残した儘  疾うに 投げた 謀りを 告げて 情など 乞わず 二度と 見えぬ 故  人ではない 花でもない 斯かる 虫の 我が身 なれど 行き場のない 此の 想いだけが はらはらと 舞う  頷きすら せず 見下ぐ 御目 瞬く間に 顰める 声も聴かず 焦がれた日も 無みして  言葉もない 容赦もない 毒の刃 雨を 降らす 逃げ場のない 此の 子蜘蛛たちが 生し腹を 怨んでいる  人ではない 心がない 差し伸ぶ 歩脚を 断ち 嗤うか 躙くられた 詫び言を 抱いて 愛しさと 悔しさに 音も無く 哭きながら 逝くの  八つを欠いた 此の脚に 捕らう 貴方への 想い 今も 遺した儘
愛する者よ、死に候えGOLD LYLIC陰陽座GOLD LYLIC陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火殺るのは 細工も 刃も 要らぬ 瞳子の 魔にて 自滅の 花と 散れ 俄の 破約に 道理を 求めても 運の火は 和ぎを知らず  争ふ 苛厳の 星が 揺らめき 彷徨い 竦む 心を 照らして 呉れる  己が 行き場など 此の 期する 刻の 果てにて 待て 永久に 停まぬ 斜道 転ぶならば 其の 奈落で 絶て  恋うのは 熟れざる 覚悟で 出来る 童子の 如(く 否むは 恥と 知れ 然らでは 斯の 冥き 闇を 呑み干せぬ 凍て付く儘 燃え焦がりて  奏ず 和弦の 響き 翳みて 忍びて 残る 純裏を 剥ぎて 切り裂く  己が 行き場など 此の 期する 刻の 果てにて 待て 永久に 停まぬ 斜道 転ぶならば 其の 奈落で 絶て  争ふ 苛厳の 星が 消ゆ 望みも 絶えし 心は 澄みやかに 澱む  生くるも 死ぬも 沙汰は無し 何れとて 離れるに 勝る 終焉は あらず 然らば 剣をとれ 名前無き 愛の 墓標を 刻め
風人を憐れむ歌陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火過ぎ去り行く 風の 声を 留め置くは 誰の 為か  其の 憂いは 要らぬもの 畏れる 迹は 歩まねば 刻まぬ  おまえの歌は 何処にも行けぬ 只 果て逝く 此の手に伝う 心の 声も 振り返る 前に 砂になる  愚かに過ぐ 己が 声を 求めるのは 己のみと  縦し 気付けど 時間 遅く せめても 願う 風に 紛れて 消え去れ  おまえの歌は 何処にも行けぬ 只 果て逝く 此の手に伝う 心の 声も 振り返る 前に 砂になる  其れでも 歌う 声は 止まぬ 生命の 在るを 確かむ様に  ぼくらの歌は 役にも立たぬ 只の 戯句 溢れる程の 無闇な 愛も いま 風に溶けて 土に還る  おまえの歌は 誰にも遣らぬ 歌って逝く 忘れたくない 無双の 声も 嗄れ果てる 前に 音を消す
然れど偽りの送り火陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火嗚呼 風に靡くは 真理の 求び 絆されて 産土の 守を 爪で 弾きて 焚き捨てる 彼岸の 鳥達は 見知らぬ島へ 降りて 消ゆ 戒めの 名など 籤で 決まると 懈しかり 廻向を 供うに 筆も 取らぬは 無道也 異郷の 鬼達は 忘らる日まで 黙し 俟つ 権実まで 片落ちて 蟾魄など 説けども 指を見る 諂曲まで 有り触れて 年伐さえ 無みす 気味よ 憂わしく 飛雁の 降りた地は 内なる神の 睡る 場所 権実まで 片落ちて 蟾魄など 説けども 指を見る 諂曲まで 有り触れて 年伐さえ 無みす 気味を 憂うばかり 懸絶まで 見過ごして 潜熱など 孝ずも 布施に由る 纏縛まで 飼い馴らし 念仏さえ 懶きを 頼るしかない故
神風陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火散りぬれど 咲かぬよりは 好まし 取り縋る 枷は 眇めば 只の 障泥 取るに足らぬ  泥濘り果てた 天の下 踏み固む 足音 障る 飾太刀も 後ろの鎗も 及ぶ 以前に 塵と化せ  鏡を 無くした 故俗の中で 此の 眼を潰した 記憶 爛れに 委ねた 物言わぬ 花に 縷紅を 化して  そぼ濡れど 盛ることは 好まじ 解き放つ 風を 吹かすは 神に非ず 己の業  坐繰 猥る 餓鬼骨の 嘲す 調べ 騒ぐ 風達よ 鎮みて 滾れ 凪の 間にこそ 吼ゆる 時化  哀れに 窶した 蠱毒の中で 此の 手を砕いた 記憶 欺瞞に 酬いた 物忌まう 門に 不撓を 是して  叫べ 此の 斯界に 媚び付く 法は 有らず 吹き飛ばせよ 腐儒等の穢 昊天 仰ぎて  鏡を 無くした 故俗の中で 此の 眼を潰した 記憶 爛れに 委ねた 物言わぬ 花に 寇す 風を 殺す  哀れに 窶した 蠱毒の中で 此の 手を繋いで 歩ぶ 欺瞞に 酬いた 物忌まう 門に 不撓を 是して
一目連陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火藁で囲った 牢獄に 囚わる程に 耄碌せぬ ぶらり 下がった 葡萄葛 酸いも甘いも 己で調ぶ  自の 陶冶ぞ 百日紅 花も 色も 斯かる 程に 開き返す  統ぶは 蓋し 無位の 志業  荒ぶる 神楽に 爪印 毎年 暴風 喚ぶ 意業  逆上せ上がった 人形の 為たり 面に 作興も無し がらり 変わった 値打ち踏み 寧ろ好き哉 汝で白む  独活の 不材か 桐指か 振りも 差しも 測る 物に 依りて反す  已に 芽差す 無我の 遺響  荒ぶる 神楽に 爪印 毎年 暴風 喚ぶ 意業  荒ぶる 神楽に 爪印 毎年 暴風 喚び 心に 嵐を (嵐)  揺振る 開悟に 総員 邁進 嵐 魔風 吹く 魔境
蛇蠱陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火海鳴りさえ 届かない 静寂 波に踊る 泡と 私の慟き  漂い乍ら 蠱毒を 宿す 菖蒲は 憑く 憑坐に 齎す事を 選らぬ  想い丈を 抱き締めたの 恋い恨み 乍ら 赤む 頬が 訴うのは 煩う 胸 此の 祷は 身に過ぎたの 忌まわしい 置目 貴方の 背を 睨まえた 其の 業 異し  呼び名にさえ 音のない 蠱が 際に迫る 気振り 酬いの調べ  只 酔い乍ら 孤独を 厭とし 危めた 尽くより 増しに 覚ゆる 心の 儘に  想い丈を 抱き締めたの 恋い恨み 乍ら 赤む 頬が 訴うのは 煩う 胸 此の 祷は 身に過ぎたの 忌まわしい 置目 貴方の 手を 掴まえた 其の 業 異し  漕ぎ戻して 告げたい 其の愛こそ 彼我に 蠧毒を 沃る 愛しい男 憎んだ 私を 怨ず  其の骸を 抱き締めたの 只 悔やみ 乍ら 絡む程に 痛むのは 足掻きの 指 然うよ 敵して 此の 宿主 呪わしい 朽女 骨身 深く 貫いて 波 静けし
陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火咲けよ 我に 宿る 波等 (邁) 轟 肚裡の 鯨波は 響動む (轟 轟) 脚を 駆るに 労しはせぬ (邁) 対う為に 灯した 此の火が 燃え渡る  遮莫よと 進む 道に (邁) 集る 類は 誰も在らず (静 静) 蘆を 苅るに 弄しはせぬ (邁) 歌う為に 殺した 己に 殉う迄  曝されし 檻の中で 澱んだ 妬害を 然う 振り払って  遮えらるとも 貫きの 鑓に 心 一つ 突き立てる 氣を 還えらぬとも 往く前の 果てに 此処を 遷して 内に 吹き頻く 旋風の様に  嗚呼 曝されし 檻の中で 漲る 血汐の 然う 飆になって 舞う様に  遮えらるとも 貫きの 鑓に 心 一つ 突き立てる 氣を 還えらぬとも 往く前の 果てに 孤鴻 羽撃ちて 共に 斉しく 旋風の如く 舞え
無風忍法帖陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火虚の頭に 生りて 湧く 孤陋寡聞の 繰り言 化人気取りの 蝸牛 此処に ずっと 在って 未だ 是なる  (ぴゅう) 素っ飛んだら 負け 打っ飛んだら 勝つ 飛びもしなけりゃ 居らぬもの 突っ込んだら 外 引っ込んだら 中 ちょびっとの 狂いで 己を 見失う  (風) 風を喰らわば 穏やかに 過ぎる 然う 吹けば飛ぶ故 風凪ぎに 宿る  新の懐紙に 書いて 詠む 束馬懸車の 痴言 訴人ごかしは 靄靄 其処に 何処に 彼に しれっと往く  (ぴゅう) 素っ飛んだら 負け 打っ飛んだら 勝つ 鳴かず飛ばずは 要らぬもの 突っ込んだら 外 引っ込んだら 中 願っても無い 其 無風ぞ 善かれける  (風) 風を喰らわば 穏やかに 過ぎる 然う 吹けば飛ぶ故 風凪ぎに 宿る  吽 風を喰らわば 穏やかに 過ぎる 然う 吹けば飛ぶ故 風凪ぎに 宿る 只 前を向き 風は吹けども 動かざる 信念 然う 何も雑ざらぬ 生きやかな 此の 風向き
八百比丘尼陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火時間は 穏やかに 留み 揺らめく 何処かで 鵺が 鳴く 罪の 贖いか 己が 宿世か 限 無き 依稀の 化生  流れる 血を 眺めて 只 立ち尽くした 彼の日の 昨日は 明日へと 逆立つ  時間の中で 夢を見て 夢幻の中で 舞い落ちる 貴女が 私に 変わって行くの  時間に 囚われた 此の身 枯らめく 誰かが 説き起す 日々の 糾いか 厭ける 虚か 敢え 無き 仮の 奇蹟  殺めた 其の 過ち 只 春を 祈り 此の儘 久しく 悔悟に 暮れても  時間の中で 夢を見て 夢幻の中で 舞い落ちる 私が 貴女に 代わって 逝くの  時代は 廻る 人は 惑う 折折に 色を変え 忘れ 難き 父の 魔道 母も 害ねた  妖 非道の 謀に 愛し 男も 失せて  呪言の 淵に 浸りて 痛める 愚かな 私を 諭す者 無限の 中に 贖るを 積みて 赦しの 暇日が 累なりて 往く  独り 長夜の 空 同じ 時間を 越えて 逝く故 閉じて 時空の 獄 変若に 生えた 前世の 私が 私を 殺しに 帰って来るの  記憶の 儘に 歪みて 廻る 遡行の 羂に 捕られて 堕ちる 閑かに 葬らる 鎖の 静寂に あなたが 私に 変わって行くの
眼指陰陽座陰陽座瞬火狩姦陰陽座・瞬火其の 眸に 映されればこそ 此の 世界に 私が 在ると 念ふ  挿げる 詞 つと 応ふ 声は 聴けど 目顔は 通り過ぎる  彼の日 毀れた 情 今は 戻れない 藐き日よ 何時か 窺い 損ぬ 二度と 帰らない 眼指よ  此の 一身を 隠される 如く 其の 世界に 私は 在り得ない  目合ふように じっと 乞うる 目の 指で 瞬ぐ 刹那 捕われるを  彼の日 毀れた 情 今は 戻れない 藐き日よ 何時か 窺い 損ぬ 二度と 帰らない 眼指よ  祈るように 流れ 落つる 離りし 泪 責めて 見留めて 其の 目路に  終に 零れた 顰み まるで さよならに 代える 目翳よ 渾て 鎖して 消える 愛し 眸から
雲は龍に舞い、風は鳳に歌う陰陽座陰陽座瞬火黒猫陰陽座・瞬火岨 駈ける 時も 聢と 眼を 開いて 其の 果てに烟る 煌めく 影に 龍を見ゆ  嗚呼 逼る 刻も 口唄で 繋いで 照らされる 貌に 泛ぶ 鳳の羽根の 愛  嶮し径も 痛める疵も 此の 結い目を 解けぬ 厳し声も 課す琢磨も 彼の 称えを 遂ぐ為  歩み往く 無天の天空を 加護の 旗手は 翻り 軈て 逝く 無常の風に 鳳は歌いて 抱かふ  あな 縷縷の 如 邁める 精神を 只 突き抜く  直歩ぶ 無天の天空を 夢の代わりに 前を見て 躄り往く 無功の雲に 龍は昇りて 了り 舞う 越えて 往く
故に其の疾きこと風の如く陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火数えば 幾許も 無き 現人に 時の間の 天命 瞬く 暇に 罷る 陰縫いを 仕上ぐも 骨  余饒の 名残 仔虫が 老ゆる 追ひ次ふは 虚耗と 露命に  嘆かふ 諦む 恨みる なれど 際に 重ねし 跡形 誇りて 眠り 逝くを 支ふ  諭せば 解らぬを 知る 墜つ 蝉は 若為 生い 去り逝く 痴めく 如くに ゆかし 笹の葉の さやぎも 断つ  余饒の 名残 仔虫が 老ゆる 叶うならば 五情を 此の 風に 覓むる  嘆かふ 諦む 恨みる なれど 際に 重ねし 跡形 誇りて 眠り 逝くを 支ふ  広がる 死せる 風の 墓上 生命に 在るは 現在  嘆かふ 諦む 恨みる なれど 際に 早きを 愛しみて 謝す故 風の如く 疾かれ
春爛漫に式の舞う也陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火言えないこと 言わないこと 沢山あるのは 仕様がないとしても 呼び合うこと 解け合うこと 止めないでくれる それが 何より 仕合せ  心は 一つだと 感じて いられるとしたら 超えてゆける  限りのない この想いは 届いてるかな 分かる人には 翳りのない その笑顔が 照らしてくれるから 次の 彼方へ  言いたいでしょう どうしたのと 熱があるのかと 思われるとしても 大事なこと 言うべきこと それは 変わらない だから 言わせて ありがとう  笑顔に なれなくても いいから 居てくれるだけで 力になる  柄にもない この言葉が 響いてるから 今があるんだ 曇りのない 道導で 目指してるから 行く 終の 彼方へ  汚れのない この時間は 光の速さで 過ぎる 掛替えない その時間を もらっているよね でも またここに 会いに来て 同じ 時間を 抱き締めたい  限りのない この想いは 届いてるかな 分かる人には 翳りのない その笑顔が 照らしてくれるから 次の 彼方へ  得られ難き この刹那が 積もりゆくから 今があるんだ 消せはしない この光に 気付いてるから 行く 終の 彼方へ 明日の 今へ
雷神陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火天空が 暗み 沈む 帳に 雲 深く 大気の 鼓動を 木々が 奏で 始めの 荒野は 雨に 打たれ 生える 軈て  天空が 崩れ落ちる 脆き 褥も 削る 滅びの 事由を 花が 歌い 最後の 征野は 新に 復りゆく  遥かな 古に似た 未だ見ぬ 地平の 先に 在ると謂う でも 愚かな 地上の 主は 神鳴る事も 畏れず すわ 畢 放て 劫火
天獄の厳霊陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火つがもない声を 杓子の柄で 酌む 浅慮 賺し合い乍ら 慟きを弄る 非道にのみ 有る 救い 問い掛けは 無意味  冥き 怒りの 目見が 抉られてゆく  怖じよ いざや 此の 天獄を お前に 天よ 見たか 其の 厳霊は 此処に在る 遣る瀬無く 戦慄き  留処ない汚辱 口惜しきは 其の 態ぞ 嘲笑い乍ら 偽善を模る 下卑た 入れ智慧の 謳 斜向いた儘で  黙せ 裁かれぬなら 直ちに 放て  怖じよ いざや 此の 天獄を お前に 天よ 見たか 其の 厳霊は 此処に在る 下衆に 踏み躙られて  理念を求めても 還らぬ 光  贖え いざや 此の 天獄を お前に 天よ 見たか 其の 厳霊は 此処に在る 遣る瀬無く 戦慄いて  此の 劫罰を 奴等に 黄泉よ 見たか 其の 代員は 天に在る 古義の 火が 消ゆるとも 天獄に 墜ちよ
千早振る陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火輝く 雷火で 視界が 満ちる 轟く 遠音に 大地が 吼える 此の 漲りも 迸る 精気も 二度目の 雷鼓が 恵む 為し遂げる迄 幾度なと 巡る 夥人と 結びて  厳しき 神よ 清かに  其は 雄々しくも 嫋やかなるを 得たり 裂罅に 昇りし 無煙の 炎 裹みゆく 此の身  此の 漲りも 迸る 精気も 止めの 雷斧に 籠めて 張り裂けるとも 憩いなど 無い 斎の霊を 賜ばりて  厳しき 神よ 清かに 超えよ 神代を 其の力で  周 廻る 弱き星は 軈て 火球と成り 猛る 尾を 棚引かす 其が 照らす 馬手を  厳しき 神よ 清かに 超えよ 神代を 其の力で 今
人首丸陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火(舞) 厳存 (舞) 先考の (舞) 美童 (舞) 潜蔵 岩洞  討夷 興ず 暴徒らに 晏寧は 来ぬ 徴償ぞ 葬らん  朶頤 傲の罪 雷同の 舞  (舞) 籠城 (舞) 決行の (舞) 剣舞 (舞) 激昂の 喪  攘夷 命ず 真人らに 栄典 与ふ 蒙蔽ぞ 葬らん  朶頤 傲の罪 雷同の 舞  朶頤 傲の罪 雷同の 舞 戴天の訴 月光の 舞  (月 餞 唄)
夜歩き骨牡丹陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火蝶と生まれど 蛾よと 囃す調子の 悔しさよ 肉叢という名の 容れ物の 良しや悪しを 誰が定む  急いて逝き 骨となり 其の貌 見違える 盂蘭盆の 花は 夜に舞う  月に 相照らす 骨の 白さに 溺れて 辻を 徘徊る 艶の 空売りは せざる  花と生まれど 徒花と 独り言ちすら 懐かしび 皮という名の 裹み紙 剥いで 千切って じっくり 鞣せば 他人と混じって 見分けも付かぬ  芍薬は すっと立ち 黒牡丹 馨しく 百合に似た 花は 夜ぞ召す  月に 相照らす 骨の 白さに 溺れて 辻を 徘徊る 艶な 押し売りは 如何に  急いて逝き 骨となり 其の貌 見違える 盂蘭盆の 花は 夜に舞う  月に 相照らす 骨の 白さに 溺れて 辻を 徘徊る 艶の 空売りは せざる 見惚れて 骨に
神鳴忍法帖陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火微温い丈の 疵に 泥を 塗り籠み 逝き損ねし 斎を 瞼に 重ぬ  無数に 散らばる 摘み取りし 腫物に 憫れびは 無く 只 そと 羨しびて  為合うとても せざる 受け太刀 風 すら 構えの侭 絶える 音も 無く 屠る毎に 手馴る 血振い 否む 故 其の 手を 下ろして  振りかぶれば 落ちる 私は 神鳴 生きあぐねし 道が 亦 血で 烟る  末魔の 的は 瞑ぐとも 逸らさぬ 突けば 竭く迄 只 其の 灯火と  為合うとても せざる 受け太刀 風 すら 構えの侭 絶える 音も 無く 屠る毎に 手馴る 血振い 否む 故 其の 手を 下ろして  此の 身空が 打たれたい 尽きせぬ 修羅にて 独り笑む なれど  為敢うとても 畢ること無き 不離 修羅 名乗る迄も 無いとしても 抑 名前は無い 動けば 無益な 毀傷が 痛い 故 其の 儘 討たれて 棹立ち
天狗笑い陰陽座陰陽座瞬火招鬼陰陽座・瞬火己等は 「犬」じゃない どっちかって言うと 「狗」って言って 違うよ 「犬」じゃなく 「けものへん」のほうさ 分かるでしょう  嗚呼 山を守る 人を諭す 偶に怒る そんな務め  火を飛ばし 樵り積みて 飛礫打ち 高笑いの 聲が 何処となし 乾いても 容赦なく 扱き使われ それでも 一寸 噛む  ある意味 山の神 あ 気にしないで ただの 独り言 だけども 彼の土地じゃ 大天狗より 偉いのに  木の葉にさえ 烏にさえ 見下される 上見りゃ 切りがない  火を飛ばし 樵り積みて 飛礫打ち 高笑いの 聲が 何処となし 乾いても 容赦なく 仕事は 山とある  また 人を嚇かしたって きっと 鼻であしらうだけ もう 泣けて 眠れない そんな夜を 幾つ 呑み込んで  火を飛ばし 樵り積みて 飛礫打ち 高笑いの いや だから「犬」じゃなく 「狗」って言って 「けものへん」に 句読点の「句」さ 仕舞いにゃ めっちゃ 噛む
陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火身に余る 馳走ぞ 来ぬ 佳話の 瑞よ 皆 其処に 円居て 返杯を 享け 賜れ  疎ましき 醜女と 野放途に 吐き 助 流す 不義理に 慄え 戯笑すら 覚えて  配の 名は 行き摺れ合う 廝女の 意か 然りとても 消すとは  過ぎた 望みなら 道連れの 夢 始めから 見させないで 戯れに 契りを籠む 前に 只 一言 呉れれば 済む 賤なる 醜女を 娶りはしないと  羽根の折れた 鳥の様に 弱りし 貴方を 抱き締めたのは 情けと 心悸 染めた 故  貴方に もっと 尽くして 貴方を きっと 癒して 貴方を ずっと 守って 貴方に そっと 寄り添い 偶には ちょっと 笑って はにかむ様に 見てくれさえすれば  私は もっと 良くして 二人は きっと 通じて 誰もが ずっと 囃して 二人で そっと 夢見て 私は ちょっと 綺麗に なれただろうに 如何して 無体な 真似
陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火夕蝉 消え残る 夏の 匂い 問い聞く 年月 辺に 垂れ籠める 黄泉の 帳 薄明の 哭 湛えて  聴した 手を挑げ 秋に請う 緩る緩る 来て 呉れまいか  僅かな 今日に 静かな 嘯を 奏で 幽かな 眩暈 秘かな 撥ね荷 昔方の 記憶 手繰り  重ねた 手を繋ぎ 冬に添う 嗄び 果てし 声 涯 歌う 蜩  僅かな 今日に 静かな 嘯を 奏で 幽かな 眩暈 秘かな 撥ね荷 少し 閊えてる でも  僅かな 明日に 愚かな 今日を 重ね 仄かな 歩み 慥かな 終わり 流転の 廻に 綴じて
曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
而して動くこと雷霆の如し陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火嘆きの 極みに 愛しむらば 疾き 風の 如く 馳する迄 残心 相 覓みて 眩くは 争う 刻に 為せる為  映ずる物 渾てに 行き場よ 在れ 跡形 消えど  今 高く 否 前に 歩みて 往け 蔭に 殉ふ 心思いで 未だ 闕く 高才に 氣が 臥せても 彷徨う 夜の 虎口を  火影の 姿に 認むるは 風凪ぎの 中に 哮る 者 繊塵 碍とみて 蔑むは 見境ふ 気概の 無かる為  詠ずる程 然るべき 道話も 無し 然れば 如何なる  今 高く 否 前に 歩みて 往け 蔭に 殉ふ 心思いで 未だ 闕く 高才に 氣が 臥せても 彷徨う 夜の 虎口を  而して 踏み出す一足 揺らぎは 無い  然う 見ゆ物 渾てに 行き場よ 在れ 跡形 消えど 忘れ去らざる  頓に 高く 否 前に 歩みて 往け 蔭に 殉ふ 心思いで 未だ 闕く 高才に 氣が 臥せても 彷徨う 状こそ  いと 神の 鳴る如く 打て 此の 地を 雨に 生ゆるは 始まりと 絡み合う 功罪に 樹が 震れても 帰らぬ 夢幻の 道を
雷舞陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火一斉に 束んなった 一寸見ぬ 無量の 魂が 全開で舞いよらい 此方迄 迫って みなはいや(雷) いんだっち かんまない しゃって 観な いけんち 言いよらんぜ もうちいと ええかへん 分かった ほしたら もう言わんけん  雷のように 舞え (雷 轟 電 転) 悩んだち しょんないわい (雷 霆 万 鈞) 厳つ霊の世に 前へ (雷 轟 電 転) がいに 飛ばしよらい (雷 霆 万 鈞)  あろわ たりない もっと ようけ ばかんなって 合体 しょうや 一 二 一 二 三 四 (五) ぼれたっち かんまない だって みな びっしょよ 分からせない しょんないわい 加減せぇ 言うたち そがあな 智恵ないけん  雷のように 舞え (雷 轟 電 転) 悩んだち しょんないわい (雷 霆 万 鈞) 厳つ霊の世に 前へ (雷 轟 電 転) がいに 飛ばしよらい (雷 霆 万 鈞)  このまま 寝てしもうちゃ いけんろか どがいしても 瞼が 下りる いけんぜ 起きなはい だって まだ 歌 終わってないけん  雷のように 舞え (雷 轟 電 転) 悩んだち しょんないわい (雷 霆 万 鈞) 厳つ霊の世に 前へ (雷 轟 電 転) がいに 飛ばしよらい (雷 霆 万 鈞)  雷のように 舞え (雷 轟 電 転) 時間だけ 勿体ないわい 雷 霆 万 鈞) 厳つ霊の世に 前へ (雷 轟 電 転) 風になって 雲に乗って 雷のように舞う (雷 霆 万 鈞)
甲賀忍法帖MachicoMachico瞬火瞬火下弦の月が 朧に揺れる 夜を 包む叢雲 磔(はりつけ)られた 番(つが)う雛(ひいな) 絡める 非情の罠  嗚呼 今も燻ぶ 想い胸に 聢(しか)と宿らば (殲(せん))  水の様に優しく 花の様に劇(はげ)しく 震える 刃で 貫いて 宿命(さだめ)られた 涙を 瞳の奥 閉じても 貴方を 瞼が 憶えているの  無明の淵で 終焉(おわり)を待つ 私は 噎(むせ)ぶ身無し児 蹂み躙られた 尽(すが)る恋を 両手に 包んだ儘  もう 諍(あらが)えない 共に辿る 釁(ちぬ)りの黄泉路を (殲)  水の様に優しく 花の様に劇しく 震える 刃で 貫いて 宿命られた 涙を 瞳の奥 閉じても 貴方を 瞼が 憶えているの  水の様に優しく 花の様に劇しく 震える 刃で 貫いて 宿命られた 涙を 瞳の奥 閉じても 流れる 血潮 止められない  蜜の様に零れて 徒(あだ)の様に散りゆく 儚い 祈りを 掻き消して 宿命られた 二人を 葵闇が 裂いても 貴方と 揺蕩(たゆた)う 隠り世まで
青天の三日月陰陽座陰陽座瞬火瞬火仮初の 従 かなぐり 別るは 戦乱の 左右 転がり込みし 天を 統べるは 如何なる 偉器 なりや  耀ふ 闇と 闇がる 光を 草薙の 太刀で 慥かみて 其の手の 附子を 喰らえども 我が眼に 燃ゆる 紫電が 閃く  涅染の 爪牙 舐り 諮るは 狸の 相 下らぬ 冗話 除き 術よく 汝の 肚裡 見せよ  耀ふ 闇と 闇がる 光を 草薙の 太刀で 慥かみて 裁きの 奉仕は 厭わねど 我が眼に 燃ゆる 紫電が 閃く  咲き乱れた 花の熱に 眩れる 遠き 聲が 時勢を 容れよと 諭す  天下を 請うなら 我を 逐うてみよ  耀ふ 闇と 闇がる 光を 草薙の 太刀で 慥かみて 裁きの 奉仕は 厭わねど 交ふ 刃に 答よ 在れ  陰ろふ 月を 包みゆく 青天よ 未だ 見ぬ 和世を 齎して 能わぬ 武士は 去りゆくも 最後に 叫ぶ 無天の 誉れを
ゆきゆきて青し陰陽座陰陽座瞬火瞬火然う 望みは 共に 泰平の 成就と 覚ゆ もう 草臥る 腕に 槍下を 求めぬ 平時の 為に  争いの 幕に 仰ぐ 空の色  嗚呼 蒼よりも 青い 信じることよりも 只 成した 丈 嗚呼 空よりも 青い 此の今は 悠く 棚引いて 相継がれゆく  然う 了うは つとに 儕の 勲と 謝する 念う 照らしても 未だ 計り得ぬ 大器に 時世を 預く  抗いの 果てに 移る 色は今  嗚呼 蒼よりも 青い 夢見てなどいない 只 成した 丈 嗚呼 空よりも 青い 此の今は 悠く 棚引いて 相継がれゆく  聢と見ゆ 蒼よりも 青い 未来は其処にない 只 明日 丈 馳せるも 行き行きて 遠い 彼の空は 青く 冴え渡り 時代を告げる
がしゃ髑髏陰陽座陰陽座瞬火瞬火屍と屍が寄り合いて 伽藍の眼は虚く洞 (髏)  夜の黙を裂く 風が がしゃりと鳴りゃあ 化檀掲げた腕 闇を震わす 轟くは 怒号  去らねば 喰らう迄  骨と骨が組み合いて 見上げる躯で隠る月 (髏)  夜の荒野を往く 脚が ぴたり止まりゃあ 諸に 笑けた臑 藪を耕す 轟くは 怒号  然為れば 喰うう迄  もう 逃げられまい 瞬く間に 餌食まれる 眼を 閉じる刻が 今生の 別れ 此処に 朽ち果てる  去らねば 喰らう迄 屍と 混ぜる迄
魔王陰陽座陰陽座瞬火瞬火産まれ落ちた 鬼子は 遙か遠く 宙を睨める 有智に雑じる 邪道は 何故か惶懼 虚夢の如  栄え墾る 刻よ 萬壽を越えて 無期に 永らえ  剥がれ落ちた 箔沙 在るが儘に 子良をなぞる 無恥を詰る 霸道に 何時か参来 後楽の園  往き交う 雲よ 然らば 今 吼えて 唾棄に 諍え  深く 冥く 濁る 無彊の闇を 切り裂いて 躍れ 己の信義 辿りて  堅く 赤く 光る 究竟の濤を 振り放いて 興せ 行き着く前は 鬼か羅刹か  「現世に 生くること 泡沫の 如くなり 滅ぶこと 常なれば 事を成し 憂き世に花を」  大罪奴(罪) 傲然漢(傲) 憎悪喰らい(憎) 悪鬼羅漢(羅) 大英雄(雄) 豪胆漢(豪) 賛美の舞(舞) 第六天魔王 有りの紛い  栄え墾る 刻よ 萬壽を越えて 無期に 永らえ  深く 冥く 濁る 無彊の闇を 切り裂いて 跳れ 己の信義 辿りて  堅く 赤く 光る 究竟の濤を 振り放いて 興せ 還らぬ上は 鬼と成りて
陰陽座陰陽座瞬火瞬火骸 藪から棒に 骸 穢土から浄土 骸 躯は朽ちて 骸 蠅虫が「御馳走様」  骸 正直者も 骸 業突張りも 骸 孰れも終に 骸 畢りが待つ  なれど此の世はいけず也(衲) 生くるも死ぬも儘ならぬ(衲) 架空無稽の鐘の音に(膿) 諸行無常の響き無し  骸 死ぬるを忌みて 骸 死に遠ざかり 骸 死ぬるを忘れ 骸 生くるも忘る  骸 生くるは業 骸 死ぬるは渺 骸 何れも対に 骸 目指すは骸  なれど此の世はいけず也(衲) 生くるも死ぬも儘ならぬ(衲) 支離滅裂の鐘の音に(膿) 諸行無常の響き有り  産まれ生くるは 節理 伽や戯れに非ず 生きて死ぬるは 条理 人間の肆意は不要  赤子も 老入も 生くれば 死に逝く 野郎も 女郎も 死ぬれば 消え去る  然り乍ら ともすれば 舞い墜ちる  聖者も 愚拙も 生くれば 死に逝く 美童も 醜男も 死ぬれば 腐れ切る  然り乍ら ともすれば 舞い墜ちる 惟神 在りし世は 遠離る  産まれ生くるは 節理 伽や戯れに非ず 生きて死ぬるは 条理 人間の肆意は不要  我 生きて 塵に継ぐ 我 逝きて 散りぬる
ひょうすべ陰陽座陰陽座瞬火瞬火善かれ悪しかれ 骰子は放られて 疎い頭で 蝶や花ではないなりに  当たり前の 言の葉を 目映い程 赫かす まほろば  (ひょうひょう) 百遍云っても 見るにゃ勝らぬ 何遍振っても 為るにゃ敵わぬ ひょんな 拍子に ひょっくり嗤えば 鶴も 釣られて 月に飛ぶ  敢えて敢えなく ふらり振られて 又のお越しを 今日を限りじゃあるまいに  取り留めない 言の葉を 有り得ぬ程 棚引かす まほろば  (ひょうひょう) 天辺盗っても 此にゃ勝らぬ 満遍売っても 其れにゃ敵わぬ ひょんな 拍子に ひょっくり嗤えば 亀も 駆られて 勝ち急ぐ  鮮やかな 紅の 其の 魂で 飛んで征け  (ひょうひょう) 百遍云っても 見るにゃ勝らぬ 何遍振っても 為るにゃ敵わぬ どんな 堅磐も にっこり嗤えるて  (ひょうひょう) 天辺盗っても 此にゃ勝らぬ 満遍売っても 其れにゃ敵わぬ そんな莫迦なと にんまり嗤えば 虎も ころりと 猫に成る
道成寺蛇ノ獄陰陽座陰陽座瞬火瞬火限ない 闇を 擦りて 仄白い 雨が降る 濡つる 螟蛾の翅を 穏やかに もぎ落とす  もう 何も 視えぬ 瘧の中 深く深く 沈みたい  止まない雨を 集めて 仄暗い 闇が 眩る 時雨れることも 忘れた 眼鞘を 閉ざす為  もう 誰も知らぬ 黄泉國の底 ずっと ずっと 焼かれたい  嗚呼 恋の歌を 嗚呼 彼に伝えて 嗚呼 遠き風に 愛おしき声を聴く  旅の 縁に 戯れて 誑した 女 見目麗しく 艶事欠かぬ 色女  何時か 番うと容易く 包め枕いて 畢るや否や 穴を捲くりて 帰路へ  何処へ 失せた 愛しき 男 失われたのは 花 決して 違わぬ 貴方の 匂い 詐りの 業に 泣いて  此の儘 往かないで 彼の日が堕ちてゆく  頑に迫る 蛇心の嬌笑 抗い 膠も無く 戯言の契りを 片腹痛しと 足蹴にすれども 無駄  嗚呼 せめて 只 一言 「其方恋し」と 聞かせて 嘘でも 偽りでも どうか 其の傍に 居させて  噫逢瀬重ね重ね 恋うる 心 更に 燃え上がる 噫逢瀬重ね重ね 凍る 心 新に 冷めてゆく  立ち籠める 夏霞 憧れは 泡と消ゆる  止めどなく 流れ 落つるは 悔いの泪 貴方を信じて  野辺に 咲く 花にさえ 憐れびを 向けように 人でなく畜生の 道を只 這いずれば 「恋いもせぬわ」と  余りと言えば 余りない言い種  臠が爛れる 残酷の雨 蛇の獄の中 生きて帰さぬ 骨も残さぬ 其の罪を 悔いて死ね 今更 呼ばないで もう直 楽になる  愛しい 人を 殺めた 贖いの 雨が降る 止まない雨を 集めた 滾つ瀬に 身を委す
にょろにょろ陰陽座陰陽座瞬火瞬火髫髪子の 手房へ 明日の 火を灯す 夢現の 光りかの 藁 もがる 宇宙の彼方へ 投いだ手を 延ばせば 未だ 産まれ立ての 無窮の 才は 垂らない故  心が 滑り堕ちるときは 冀望の数より 愛しさだけ 求めた 如何して 胸が 熱る ときは 鬱いだ 悄気込みも 空に消えた  幼気を 携え 嘖む悲を 躱す 夢心地の 赤らかの 末那さあ おがる 仔虫の貴方へ 涕を 取り成せば 未だ 忘れ掛けの 夢中の 窗は 無くさない故  何かを 成せる 意志の 在り処 何処はあれども 此処では無いと 撥ねた 然うして 辿り着いた 海は 澱んだ 斑声も 若音に変えて  幼気を 携え 嘖む 悲を 躱す 夢心地の 赤らかの 末那さあ おがる 仔虫の貴方へ 涕を 取り成せば 未だ 忘れ掛けの 夢中の 窗は 無くさない故  幼心開く 有りっ丈の祈り 斃れても 手折れても 無くしたくないもの 離れても 露に 濡れても 忘らぬ 言葉  髫髪子の 手房へ 明日の 火を灯す 夢現の 光りかの 藁 さあ もがる 宇宙の彼方へ 投いだ手を 延ばせば 未だ 産まれ立ての 無窮の 才は 垂らない 萎れない 薨らない故
吹けよ風、轟けよ雷陰陽座陰陽座瞬火瞬火風波を裂き 徒で漕げ 標無き世に 於いて 立たば 擽る丈の 太刀を捨て 阿修羅を纏いて 夜を 白で染め抜く  (爽 烈 轟) 此の愁いを 鎖した随 (爽 烈 轟) 其の壁を 打ち破って (爽 烈 轟) 只 己に 課するは 疾風を 駆り 発て  風に舞う 神が鳴る 人造の磐座に 天つ風 波座 成し 吹き乱れて 奏で合い 混ざり合あう 故に 轟き合う 軈て 其の聲は 大地の槌と成れ  稲妻を呑み 雨で飛べ 類いなき背に 追風 呵さば 誇大の罷る 餌無き地に 神鳴り眩いて 愚陋を薙げ 火群  (爽 烈 轟) 此の魚麗を 生かした随 (爽 烈 轟) 今 心 燃え盛って (爽 烈 轟) 只 此の身に 纏うは 全霊より 現ず 爆轟之雷  風に舞う 神が鳴る 人造の磐座に 天つ風 波座 成し 吹き乱れて 奏で合い 混ざり合う 故に 轟き合う 軈て 其の聲は 大地の槌と成れ  斯かる音に 震えて  風に舞う 神が鳴る 人造の磐座に 天つ風 波座 成し 吹き乱れて 奏で合い 混ざり合う 故に 轟き合う  軈て 其の聲と 行き延びて  風と化す 此の雲路 馳せる念いの果てに 降り注ぐ 現在の 耀きを 抱いて 乱れ合う 陰と陽よ 共に 逆巻き合え 然して 此の聲よ 轟き 吹ふ荒らせ
生きもの狂い陰陽座陰陽座瞬火瞬火様も無く 生き腐れ 両の眼は 曇らえど 訳も無く 存えて 物の哀れを 訴わん 恥も無く 憚りて 故郷の誉れは 尽きるとも 懲りずまに 歩む我がに 一瞥たりと 望みはせぬ  死に狂いでは 間に合わぬ 生きるものこそ 狂おしい  がらがら 合点じゃ(おい) ごろごろ 獄官じゃ(おい) ばらばら 縺れる 物の音を がらがら 合点じゃ(おい) ごろごろ 獄官じゃ(おい) わらわら 挙りて 結ぶが 吾等  甲斐も無く 不貞腐れ 斯かる尾籠に 居直れど 術も無く 頽れて 物の聞えに 慰む 謂れ無く 出し抜かれ 折れる弱気に 覚えは無し 心無く 蔑されど 生きはだかるは 毛虫の相  死に狂いでは 間に合わぬ 生きるものこそ 狂おしい がらがら 合点じゃ(おい) ごろごろ 獄官じゃ(おい) ばらばら 縺れる 物の音を がらがら 合点じゃ(おい) ごろごろ 獄官じゃ(おい) わらわら 挙りて 結ぶが 吾等  生まれ生まれ 生が身の仇 生くるまで 穴は穿っても穴  死に狂いでは 釣り合わぬ 生きるものこそ 愛おしい  がらがら 合点じゃ(おい) ごろごろ 獄官じゃ(おい) ばらばら 縺れる 物の音を がらがら 合点じゃ(おい) ごろごろ 獄官じゃ(おい) わらわら 挙りて 結ぶとぞ良し  だらだら 達観じゃ(おい) どろどろ 吶喊じゃ(おい) ばらばら 零れる 物の怪を だらだら 達観じゃ(おい) どろどろ 吶喊じゃ(おい) まだまだ 通いて 愛でるが 吾等
組曲「鬼子母神」~徨陰陽座陰陽座瞬火瞬火何処かで 声が捻れる 誰かの 嘆きを告げる 風が 此処には 着かぬと 恨みる 鎖は絶えぬ 聯なる 悲懐を訴う 風が 其処に 吹き交ふと 矩は 何れなる 責めて 悔いの 凪 求めて 喪の暗き 足音に 惑う 然らば 光 閉ざす 流亡の果てに 想 彷徨う 丈 念いが 腐り始める 澱んだ 譏謗で固む 壁が そそり憚ると 矩は 疵に問う 枷鎖となるより 枷ぐ霊に 離る 情 呼び掛ける 責めて 悔いの 凪 求めて 仄暗き 命に 償う 然らば 光 閉ざす 流亡の果てに 想 彷徨う 丈 迷うなかれ 迷うなかれ 帰らぬ 残滅の径を 過ぎ往き 亡き 彼の霊に 手向く 責めて 墜の 刻を 越えて 此の暗き 己を 賭して 然らば 光 閉ざす 流亡の果てに 独り 彷徨う 迄 二人 彷徨う 迄
組曲「鬼子母神」~産衣陰陽座陰陽座瞬火瞬火外れに 攫みし 一縷の 望み 沈くも 泛ぶは 涙すら 零す  飯櫃な 刻よ 魂 呼ばいて  贄す 産子 釁らる肝に 香が 揺らめいて 薫る 魄の 甦す 愛子よ 最早 冥慮は 要らぬ  呼べども 応えぬ  黙の 哀れ 空な 蛻の 産衣を あやす  飯櫃な 刻よ 魂 呼ばいて  贄す 産子 釁らる肝に 香が 揺らめいて 薫る 魄の 甦す 愛子よ 最早 冥慮は 要らぬ  甦る 愛子 切なる肝よ 何れ 屠ららば 同じ事ぞ 勾引ふ 贄子よ 最早 憂慮は 要らぬ
組曲「鬼子母神」~膾陰陽座陰陽座瞬火瞬火人外なる 洞に響く 喘鳴 鈍き 戦慄 憫笑 或いは 嗤笑 解せぬ 現況 下臈なる 下知 松煙と 教唆に 噎せび 惘然と 窘み 固唾を呑む 振り切れざるのは 動悸 皆目 所以の 当て所無し 兇害なる 下卑た深謀 足掻く蟲螻 膾に叩く 目が眩む 頭が割れる 惨劇 昏絶 然して暗闇 瘴煙と 狂気に 噎せび 妄染の 嗜み 虫唾が這う 割り切れざるのは 動機 題目 気焔の 逃所無し 膾 膾 膾 引っ被って 鬼になれ 膾 膾 膾 掻っ攫って 鬼になれ 膾 膾 膾 打っ手斬って 鬼になれ 膾 膾 膾 疾く 膾 膾 膾 引っ被って 鬼になれ 膾 膾 膾 掻っ攫って 鬼になれ 膾 膾 膾 打っ手斬って 鬼になれ 膾 膾 膾 重畳
組曲「鬼子母神」~鬼拵ノ唄陰陽座陰陽座瞬火瞬火ゆるがせも よくぼりも 鬼のしわざにすればええ よそものの るにんなど 鬼に見えねば見せりゃええ やまがみの おぼすまま 鬼が出たなら殺せばええ いくとせと してきたり 鬼がいなけりゃ拵えりゃええ 鬼がいなけりゃ拵えりゃええ 鬼がいなけりゃ拵えりゃええ 鬼がいなけりゃ拵えりゃええ 一つ 卑近な 瓢箪も 拾い候え 飄然と 二つ 不便な 瘋癲は 不労 浮浪の 風来坊 後生だ 芽吹いてくんな 出来りゃあ 実ってくんな ついでに 撓んでくんな 豊作だったら 言うこたぁねぇ 忽も 欲ぼりも 鬼の為業にすればええ(ほいッ) 三つ 蜜柑も 妙丹も 見立て候え 明眼で 四つ 余分の 羊羹は 余所見 装って 揚揚と 何の恨みもねえ 何の謂れもねえ なら気に病むこともねえ 行き摺りだ 構いやしねえ 余所者の 流人など 鬼に見えねば見せりゃええ(ほいッ) 拝 拝 拝 (ほい ほい ほい) やらねば 日照が起こる 起こらぬのは やったから やって起こるは 何とする やってなけりゃあ これでは済まぬ 鬼が 居らんな まあええ 居らにゃあ 居らんで 拵えりゃ仕舞いじゃ 山神の 思す随 鬼が出たなら殺せばええ 幾年と 為て来たり 鬼が居なけりゃ拵えりゃええ(ほいッ) 鬼が居なけりゃ拵えりゃええ(ほいッ)
組曲「鬼子母神」~月光陰陽座陰陽座瞬火瞬火可惜短い 罪無き 生命 病みに 奪われて 他人の 稚児を 引き替うことで 黄泉帰る なら  生肝 抜いてやる お前 逝くには 早すぎる けれど 此の世に 余計な 未練の 無い様に 直ぐに 埋めて あげる  苟且に添う 虚妄の母子 月に 照らされて 亡くしたものを 取り戻す為 罪無きを 亡くすのは 拠も無し  名前を 付けてやる お前 呼ぶのは 殺むまで なれど あの子を 本当に 失う 覚悟で 連れて 逃げて 代わりに愛して あげる
組曲「鬼子母神」~柘榴と呪縛陰陽座陰陽座瞬火瞬火繋ぎ止めた 魂に 絡みついた 棘 深く 燻べるは 怨念の 遣る瀬無い 犇 もう 忘れて 平らに 只 暮れ泥む 届かぬ 声 絞りて 暮れ惑う 夫なを 案ずる 樹海に 挿す 楔に 睚を 聢と 磔した 儘で 愛しさも 愛しみも 叶うなら 儺火に 焼べる 願うのは 只一つ 貴方に 生きて欲しい 見詰めて 其の 幼し 瞳に 感じて あの子を 見付けて か弱しき 瞼に 生き抜く 祷りを 臍噬む 声 震わす 侘しげな 背中を 見詰める 孺孩を 只 守りて 泪を 堰き止む 貴方 愛しさも 愛しみも 叶うなら 儺火に 焼べる 願うのは もう一つ 其の子と 連れ立ち 降りて 見詰めて 其の 幼し 瞳に 感じて あの子を 見付けて か弱しき 瞼に 何より 生きて 其処に 在るは 幻 恙無き 彼の日は 此処には 無い しがみついて 得るのは 哀しみを 紛う 苦しみだけ 見詰めて 此の 潤む 瞳に 感じて 私を 忘れて 嬲られし 妻子を 仇すを 止めて 喰らい厭きた 柘榴に 説道の 嘘を知る 甦る 讐怨よ 燃え上がる 恨みの 火に 焼かれて 死中に 仇 討たねば
組曲「鬼子母神」~鬼子母人陰陽座陰陽座瞬火瞬火皆の 祈りが 御霊に 届き 禍の芽は 萎びて 枯れる  産土の 供物 思し召す 随に 安らけし 和ぎに 伏して 礼べ  崇めよ 此の 恩恵は 総ての ものぞ 畏れよ 其の 穢らひは 功徳で 浄める  御霊の 聲が 私に 届き 皆の所行が 良かれば 実る  産土の 供物 思し召す 随に 里村の 為に 伏して 供え  崇めよ 此の 恩恵は 総ての ものぞ 畏れよ 其の 穢らひは 功徳で 浄める  汝らの 贄子 只 吾子の 為に 甦る 時を 伏して 祈れ  崇めよ 此の 恩恵は 私の ものぞ 畏れよ 其の 出涸らしは どうなと 分かてよ 山?に 差し出す 生命よ 其を 私に捧げよ 迷わず
組曲「鬼子母神」~怨讐の果て陰陽座陰陽座瞬火瞬火山の碧が消える 空が鼠に染まる 水は何も 映しは しない 紅を脱いだ柘榴 炎すらも白けて 戦慄く 吾が手は 黒く染まる 帰る径を 探して もう 何も 還せはしない 怨讐の 華 鳥の声が絶える 風の鳴りが失せる 雨音すら 響きは しない 渾ての 色が死んだ 音も滅びた 最期に想うは 不憫な 花 死んだ 葉奈を 殺して 其の 花を 散らせぬ様に 吾儕の 花 噎ぶ 妻を 嬲り 稚を 無下に 殺した 奴儕 残して 逝くに逝けぬ 遺して 逝くに逝けぬ 怨讐の 華
組曲「鬼子母神」~径陰陽座陰陽座瞬火瞬火皆に 祈り 託し 巫女は 定に 死せり 総て 村を 念うが為 我ら 鬼の 番 御霊への 務めに 罷る 容受せよ 汝らの 穢れを 総身に 背負いて 鬼謀の 蘇生を 告げる 因み 序に 謂うならば 汝らの 巫女 正に 真の 鬼ぞ いざや 道を あけい 早鐘に 精神 萎される 破鐘の 罵声に 紊される 愚かな 夢 奪胎の 贖いと 只 転んで行く 迷いを 砕いて 疾く 馳せて 互いを 望みて 径を 駆けて 擬いを 見抜いて 舁き 伏せて 違いを 暴いて 追 遁れて 粒切れの 息が 途絶えても 踝の 撥条が 径を 蹴る 遙かな 尾根 絶界の 限り迄 花を 抱いて行く 迷いを 砕いて 疾く 馳せて 互いを 望みて 径を 駆けて 擬いを 見抜いて 舁き 伏せて 違いを 暴いて 追 遁れて 連れ立ち 秋風に 揺れる 灯火 希う 差し延べて 繋ぎ掛けた 手を 生き合ふ 径ぞ 迷いを 砕いて 疾く 馳せて 命沙汰 臨みて 互いを 望みて 径を 駆けて 擬いを 見抜いて 舁き 伏せて 自分を 庇いて 違いを 暴いて 追 遁れて 彼方へ 此方へ
組曲「鬼子母神」~紅涙陰陽座陰陽座瞬火瞬火遅くなると 約した 男は 動もせば 抑 来やしない 馬鹿な話さ 左様な 科白を 真に受けるから 泣きを見る 待ち侘びて 諦めて 憂き世は あな憂 闇雲に 意志を 投げても 迷わないで 道形だから 歩き疲れた 徒し身も 痛みも 手を 取り合えば 紛る 涙 はらはら 弓眼が 疼ぐ 生きる 甲斐を 無くした 私も 稚持てば 未だ 張りも出た 殺す つもりで 御子を 浚うも 其と同じと 止めたのに 待ち侘びて 諦めて 憂き世は あな憂 藪蛇じゃ 浮かばれない 紕わないで 肝消ゆ故 二度も 亡くした 哀しみも 痛みも 手を 取り合えば 紛る 涙 はらはら 弓眼が 戦慄く 眼下に 零る 一粒 滲んで 馬鹿にしないで 認めない故 歩き疲れた 徒し身も 痛みも 手を 取り合えばと 嗤わせないで 紅涙が痛い 二度と 帰らぬ 哀しみも 悼みも 手折りた 花で 紛る 涙 はらはら 弓眼に 流れる
組曲「鬼子母神」~鬼哭陰陽座陰陽座瞬火瞬火吹き増さりし 風が 裸形を つと 包む 開かぬ方の 眼には 逢えぬ 貌が 浮いて消える 何故に 終わらぬ 唄よ 此の 忌まふ 山に 謂う可き 事はない故 恚みを 血の涙に 代える 嗚呼 此の 嘆きを 籠めて 嗚呼 血も涙も 涸ぶ 嗚呼 彼の命に 意味よ 有らなと 風に混じる 音は 嘆く 鬼の 憂哭 赤ん坊を 闕いた 産衣を抱く 鬼は何処 斯かる 健気な 花を 此の 忌まふ 山に 封ずは 忍びない故 血の涙に 代える 嗚呼 此の 嘆きを 籠めて 嗚呼 血も涙も 涸ぶ 嗚呼 其の命で 道を照らした 貴方が 熄滅を 血の涙で 願う 嗚呼 彼の 戯句を 止めて 嗚呼 迷いもせず 迷え 嗚呼 此の 怒りに 義など 要ろうか 何も 血の涙に 代える 嗚呼 此の 嘆きを 籠めて 嗚呼 血も涙も 涸ぶ 嗚呼 此の命で 花を生けよう 何処かで
紺碧の双刃陰陽座陰陽座瞬火瞬火不破野の 空を 東より浪速へと 飛ぶ 鳥の影 糜爛の 雲を 迅雷と貫く 戦端の矢か  太閤 存命 三郎 起つ 合切 断滅 昇平ぞ来ん  其は 皆 無常人の群 繰り返す 諍乱も 果てぬ瑕も 和世の 礎業と 称える  紫紺に 混ざる 色褪せた碧の 月映えは黒 弥栄 然れど 穢土を成す丈 不惑の罰  風雲 急告 独眼 並む 噬臍 慚悔 焉んぞ 薨らぬ  其は 今 落人の夢 揺り返す 大乱も 病める雉も 無き世に 戻りて 手返る  天下人とて 手負いの猿 斬るも 墜すも 思いの儘よ 戦乱の後に 残った屑は 巧く拾えば お主のものぞ  其は 皆 迷い子の群 口遊む 大望も 志も 裄丈 千代への 供物と  嗚呼 無常人の群 繰り返す 諍乱も 果てぬ瑕も 和世の 礎業と 称える
陰陽座陰陽座瞬火瞬火鬼の哭く音が 繚乱と舞い 煌めく刹那 鳳凰が羽搏く 夢幻の裡に 點睛を遂げ 魔天の主が 物の怪と成る  流例の廉は 不退 無点の春は 操 溟海の果て 遥 跡絶える 由無く 歩ぶ 軈て 其処に生い立つ  刻の 愛しさに 此の眥 開いて 往く丈 岨の 花笑みに 此の羅袖が 染まりて 咲く哉  底滓は 目ら向けず 除き 祝詞は 苦し甘露に 似て 凶夢 斑し 貘が 餌ばみ 幻 瞬く 刹那に 鏘鏘 鳳凰は飛び立つ  刻の 愛しさに 此の眥 開いて 往く丈 岨の 花笑みに 此の和酬で 応え続けよう  疾く 醒めて 見上げれば 抉られたら 天 賓の 土産も 解かざる儘で 満開の葉花が 絶界を照らすとき 光が 溢れる 刻の 愛しさに 此の眥 開いて 往く丈 岨の 花笑みに 此の羅袖が 染まりて 咲く哉  鳳凰よ 青竜よ 其の翼は 辞びて 歩もう 路の あらましを 此の声で 歌い伝えよう
十六夜の雨陰陽座陰陽座瞬火瞬火もう 視界が歪む 指は震える 骨が 軋み上げる 干涸ぶ 此の身よ いっそ 朽ちよと 願うも 連れ無し  否や 此れ以上 出来るなら 独り暮れたい なれど 亦 二人 唇は 朱に染まりて  雨に 打たれる 為に 漫ろに行くを 見遣るは 夜の 雲や  刻んだ 咬み痕 細る好き人 迚(も 見て居られぬ 干涸ぶ 其の身の 愛おしきこと 首筋を 摩る  否や 此れ以上 出来るなら 濡れて触れたい なれど 紛うなり 唇は 何故に染まるや  雨に 打たれる 為に 漫ろに行くを 見遣るは 夜の 雲や 雨に 濡れ戯らせて 後生や 遂って来やるな 微温い 夜に いざよう  否や 此れ以上 出来るなら 独り暮れたい なれど 亦 二人 唇は 朱に染まりて  雨に 打たれる 為に 漫ろに行くを 見遣るは 夜の 雲や 雨に 濡れ戯らせて 後生や 遂って来やるな 雨に 喚く 十六夜
小袖の手陰陽座陰陽座瞬火瞬火闇も見えぬ 無明の 淵から 添うこともなく 散りぬる 此の身 嘆く 忘れられた 形見の 衣手 まほろばへと 戦慄く 手房 伸ばす  眼を 凝らすには 時間が 無い故 思い出して綻ぶ 前に  貴方を 待っている  矯めし瞳 眇めつ 顰みて 然う 音も無く 非太刀を 袈裟に 降ろす 鮮血まで 愛して 月の光に 騙された儘で 噫 「許せよ」と 呟く 聲が 離る  哭を 絶やすのは 終焉が 無い故 さあ 連れ出して 衣桁の 涅を  貴方を 待っている 貴方を 呼んでいる  ほら 差し伸べて 其の手を 良らし心で 手向けて 襟に 這わせた 此の 手で そっと 輪を描いて  貴方を 待っている 貴方を 呼んでいる  闇も見えぬ 無明の 淵から 添うこともなく 散りぬる 此の身 嘆く 忘れられた 形見(の 衣手 貴方だけを 此の手で 探して
孔雀忍法帖陰陽座陰陽座瞬火瞬火何処かで 山風の唄 響く 其れでは 果たせまいよと 嗤う 茸 蹴散らかすは 子の刻 己の 漏剋は現在 止した儘  実に 嘔吐かせるのは 末生りの 下司が 裏で謀りし 逆命 恋い 狂おしいほど 愛しき男を 然様とは知らず 手に掛けて  此処まで 嬌態の声 届く 今宵は 逃がすまいぞと 嗤う 花片 舞い散るは 丑の刻 汝の 鏤骨は今 無駄と化す  実に 悔やみ切れぬは 言い成りの 己が 畏み受けし 幕命 恋い 狂おしいほど 愛しき男を 此の手で 取るは 生き地極  (誅)何も見えぬ 何も言わぬ 何も聞かぬ 此の 刃を 甘んぜよ 踊れ 彼の如く  実に 嘔吐かせるのは 末生りの 下司が 裏で謀りし 逆命 恋い 狂おしいほど 愛しき男を 屠らせしめた 贖いを  (誅)何も見えぬ 何も言わぬ 何も聞かぬ 此の 泪は 契りの 叢雨  (誅)何も見えぬ 何も言わぬ 何も聞かぬ 其の 命で 報わせよ いざや 誅せん
挽歌陰陽座陰陽座瞬火瞬火行き過ぐ 亡き身の 群を 帷が 漆黒に 染める 暮れるも 在りし世は 帰りはせぬと  譬えば 宣らさるるとて 齢は 誰も 知らず 明日にも 散り逝く 我が身と 念う  留まれど 過ごせど 重なるが 随 辿りし 道形 遺るものが 在るならば 悔い乍ら 弔う 迄  嗚呼 過日は 孔の海 然為れども 積もりて 餞に 代わる  萌ゆれど 枯れれど 重なるが 随 辿りし 道形 遺すものが 在るならば 笑み乍ら 花を 手向ける
曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
組曲「九尾」~玉藻前陰陽座陰陽座瞬火瞬火ねえ 童賺しは 仕舞にして さあ 傍に 座して あな 徘徊る如 濁らせても 夜は 徒 深ける丈  此の躯は 御身のものぞ 艶場と 寝腐り 揺られて 眠る  見詰めるより 抱いて 震える迄 太刀風より 強く 崩れる迄 囁くより 枕いて 燃え切る迄 寝る魂より 甘く 酔い痴る迄  ねえ 其れで少しは 男せらば さあ 振りを 見せて あな 裲襠の褄 引き張るとは 如何に 不得手に非ず  夜の羽根が はらり 落ちて 火照る 芋虫が ふわり 浮かぶ 密めき 色に 焼かれて 堕ちる  見詰めるより 抱いて 震える迄 太刀風より 強く 崩れる迄 囁くより 枕いて 燃え切る迄 寝る魂より 甘く 酔い痴る迄  嗚呼 痺れる 爪先 投ぎ 打場げし 肩を 撫でる 濡れ通る 褥 泳ぎ 寄せ返す 濤に 漕ぎて 扱ぎて 絶え果てる迄  見詰めるより 抱いて 震える迄 太刀風より 強く 崩れる迄 囁くより 枕いて 燃え切る迄 寝る魂より 甘く 酔い痴る迄  惚げり 立ち居るより 抱いて 震える迄 舞風より 強く 崩れる迄 接吻より 噛んで 千切れる迄 鳥羽玉より 黒く 汚れる迄 融け合う
組曲「九尾」~照魔鏡陰陽座陰陽座瞬火瞬火漂う膿 心 濁して 幾度目かの 伽 苛ちて 障りし旨 問い合わせど すげない素振り 桃花染に 臍を噬む  容貌を視らば 打ち遣る 此の疑氷 打ち遣れ 其の疑氷  簓の態 肚裡 括りて もう御座なりの 伽 遣り付け 曝ける胸 抛り出せば 貪る頭 何ぞ 笑みが 零れる  体躯に痴らば 吹き飛ぶ 此の紕 吹き飛ぶ 此の紕  遊ぶも 対の 契りと 努々 此の旨味 忘れさせぬと  尾ろぞ見ゆる 九尾ろが 鱗落つる 牝狐の化生  嗚呼 然こそ 優女 持てり 情の 証 嗚呼 元へ 商の 女ら 飾ろう 装具  有られ無き 仰せ いと 惜しけしや 徒然に 添うた 蜜を 喪いて 謂れ無き 仰せ 愛おしき日は 微睡と 知って 崩れ 消え惑う  鏡を視らば 巧みの 臍落ちぬ  荒ぶも 終の 契りと おめおめ 傾国 忘れられじ 抜かるも 不意の 限りと 夢夢 飽いたと 忘れて仕舞え  泡沫と潰えし 此の上の 沙汰なぞ 興り無し 憖じ 智恵など 振るいたる 汝が 業を 呪え  叢立ちの 蟻に 隠る 傍痛し 下げ 寂滅の 凪に ぽつり 疼く躯 浸せ  居るも 詮無き 此の宮の 上に残せし 翳 喩 去れども 揮るいたる 波紋 灼に 怖じよ  おお 歪む 躯 固む 矢竦みの 背(を 綰ぬ おお 裂ける 貌を 刳る 藻女の 胞衣は 要らぬ
組曲「九尾」~殺生石陰陽座陰陽座瞬火瞬火隙孔 群らす 怪 悉皆 痛める 骰子 断罪 遁る 舞 赦さじ 断断然  残骸の 山に 縋り 幾千夜に 歎く 賢しらなり 有財和尚  金槌 打って 破壊 静まり 鎮む 蓋 堕落の 妲己 乃 緩めじ 断断然  今在の 沙汰に 見たり 人間の 意力 倒なり 我が 負くとは  (卵 激 蒜) 名を 借りて (卵 激 蒜) 為す 蠧毒 (卵 激 蒜) 訛偽 播いて (卵 激 蒜) 撓垂れる 傾城 入魂の悔い  其所な 益荒男や どうか 放して 賜れ 斯かる 手弱女に 酷な 仕打ちと見らば  (卵 激 蒜) 猶 在りて (卵( 激 蒜) 為す 荼毒 (卵 激 蒜) やれ 軈て (卵 激 蒜) 項垂れる 警醒 信念の 凱
喰らいあう陰陽座陰陽座瞬火瞬火宣誓 魂だけは なんぼじも喰えらい 一体 それみな ぺろりと 平らげらい  連れ立ち いざや 我慢 出来ない  喰らいあう 喰らいあう 心 躍る 喰らいあう 喰らいあう 故に 魂を 喰らいあう  先生 お腹空いたけん よう動かない ほやけど 頭垂れるがは 尚早すぎらい  舌打て いざや 我慢 出来ない  喰らいあう 喰らいあう 心 躍る 喰らいあう 喰らいあう 故に魂を 喰らいあう 喰らいあう 躯 燃える 喰らいあう 喰らいあう 更に 魂を 喰らいあう  心が 満ちゆく 渾てが 朧だとしても 力が 迸しる 心念は 止められないし 止める気もない  喰らいあう 喰らいあう 心 躍る 喰らいあう 喰らいあう 故に 魂を 喰らいあう 喰らいあう 躯 燃える 喰らいあう 喰らいあう 永久に 魂を 喰らいあう  魂を 喰らいあう  喰らいあう
紅き群闇陰陽座陰陽座瞬火瞬火只 立ち尽くす 丈 彼は 産土を 恤む人  禍 遥か 遠く 連れ立ちたい 春の場  謀を 捨てて 欺罔も 失せて 溢るる 泪さえ 消えぬ儘 貴方が 択みし 所為の轍 私怨を 忘れ 故に もがいて 訪れし 末路を 容れぬ儘 私に 残りし 移郷よ 此の瞬間を 挿頭す  未だ 忍び泣く 丈 川 浮津など 要らぬ人  更 揺 揺き 泳ぎて 連らなりたい 果つる迄  鑑を捨てて 非望も 伏せて 爛るる 疵痕も 癒えぬ儘 貴方が 殺めし 族の轍 私怨を 忘れ 故に もがいて 訪れし 末路を 容れぬ儘 私に 残りし 移郷よ 其の瞬間を 別つ  禍 遥か 遠く 連れ立ちたい 闇の奥  明かりを 棄てて 冀望も 失せて 群がる 闇の前 見えぬ儘 貴方が 描いた 愛の轍 私怨を 忘れ 故に もがいて 訪れし 末路を 容れぬ儘 私が 望みし 帰郷よ 此の瞬間の 中に
蒼き独眼陰陽座陰陽座瞬火瞬火戯れに 縺れし 糸に 箍 抄い取られ 疾うに 無くした 神の綱 只 己を 懸けて  抗うは 穢れ無き 守の 真名 遺す為 誓いの 縁で 遂ぐ  降るを 悔ゆる 惑い 其は 武人の 性 理も無き 為置なら もう 情は 要らぬ  抗うは 細なる 波の 未だ 果てぬ為 終焉を 背にして 立つ  差し零す 蹤血の 鮮やぐ 紅 哉 運命の 証  何も彼もが 呑まれゆく 望まざる 紮げりに 只 術も無く 覆うは 大牙の 闇 叫びも 掠れど  曇り無き 此の 蒼き 眼差しを 今 月に代え 崎嶇など 斬り捨て 憚る
慟哭陰陽座陰陽座瞬火瞬火せめて あと一度 最期に 顔を見せて 別離を告げる台詞は彼岸に 捨て逝く  責めて 狂愚の沙汰 歪んだ 愛の骸 我が身は 罪の 畳まり 泪は 嘘になる  雪よ 白く 深く 他人を皆 染めて 真黒に 爛れるは 此の 手底 だけ  もう 汚さなくていいの 貴方の手には 取る可きものが 有るはず もう 背負わなくていいの 渾て 預けて 奈落への 道連れに  嗚呼 虚空が 酷く 蒼黒く見える 醜き 此も身 引き裂きたい  決して 私を 許さなくていいの 寧ろ 憎んで 生まれたことも 忘れて もう 放さなくていいの 繋いで 其の手 松羅の契りに  只 せめてもの 罪ほろぼし
相剋陰陽座陰陽座瞬火瞬火流転の 果てにて 陵されたのは 禁忌の 蜜月 夫妻の 埋草 二刀の 蔭間 殖ふは 末裔の 殃禍  「恨むことで 何を果たせるの」 惑う 聲は 只 遠く 良き こと 聞く 其の 願い 半ばで 頸よ 踊れ  下天の 流刑地 埋もれたのは 懺悔の 沐浴 処女の 落胤 償いの 鬼子 珠艶に 生い立つ  「奪うことで 何を得られるの」 逆ふ 聲は 只 響く  斧 琴 菊 此の 手に 還るまで 縊り 嗤う  「恨むことで 何を果たせるの」 惑う 聲は 未だ 遠く 憂き こと 聞け 此の 黒い 呪よ 冥府に 沈め
青坊主陰陽座陰陽座瞬火瞬火鐘の鳴る間に 憂き世は反る 然れど 我が身は 明日をも知れぬ 揺り返す 取沙汰に 身を委ね 噴き上げる 傀儡のまやかしに 抄われる  乱人 勢人 業人 奪って 一つ 鬼の頚 濫飲 声韻 強引 威張っちゃ居らぬ 世迷いの句  鶴の鳴く間に 寝る子は育つ 然れば 渡るは 世俗の海路 繰り返す 過ちを 文り付け  汲み上げる甘露の恩恵に 魅せられる 乱人 勢人 業人 穿って 二つ 鬼の頚 濫飲 声韻 強引 威張っちゃ居らぬ 世迷いの句  穏座も 頓挫も せざる 因の 俎に 魚が 跳ねて 俟つなら  乱人 勢人 業人 奪って要らぬ 鬼の頚 濫飲 声韻 強引 茹だっちゃ居るが 世迷いを戯る
しょうけら陰陽座陰陽座瞬火瞬火髫髪子の 手房へ 明日の 火を灯す 夢現の 光りかの 藁 もがる 宇宙の彼方へ 胸の奥で 三尸が騒ぐなら がいな声で 皆で おらびなはい 無理な にわく からうより 歌が響けば 踊り出す  彼方此方 まっことに 其方此方 言いよらい 唯々の花が舞う (唯 唯 唯)(はい はい はい) 彼方此方 見事に 其方此方 舞いよらい 天まで届け (唯)(はい)  腹の底で 声を張り上げて ねぬぞ ねたかぞ ねたかぞ ねぬば と おおけなこと うずむより 拍子を打てば もんてくる  彼方此方 まっことに 其方此方 言いよらい 唯々の花が舞う (唯 唯 唯)(はい はい はい) 彼方此方 見事に 其方此方 舞いよらい 天まで届け (唯)(はい)  彼方此方 まっことに 其方此方 言いよらい 唯々の花が舞う (唯 唯 唯)(はい はい はい) 彼方此方 見事に 其方此方 舞いよらい 名残惜しいけん  もう一辺 彼方此方 まっことに 其方此方 言いよらい 唯々の花が舞う (唯 唯 唯)(はい はい はい) 彼方此方 見事に 其方此方 舞いよらい コレデオシマイ (唯)(はい)
鬼一口陰陽座陰陽座瞬火瞬火異里外れの 荒屋に 人喰らう 鬼の 在りという  (座す 座す 座す)驀然 (座す 座す 座す)独行 (座す 座す 座す)辣腕 (座す 座す 座す)べっかっこう  電光石火の 早業に たじろぐ 聲すら 喰らいけり  (座す 座す 座す)驀然 (座す 座す 座す)独行 (座す 座す 座す)辣腕 (座す 座す 座す)べっかっこう  戦く 刹那に 鬼が嗤う 響動めく 間も無く 鬼が屠る  あな憂や いとも あられ無き 末期劫火で 炙る 拷と 比ぶれば 許りか 寧ろ 未練など 無いも もう直 我を 噛砕が 攫う  宛ら 牙の 尖どさときたら 襤褸の 如く 肉を 引き裂こう 恐れる 胸が 早鐘を 鳴らし 死に逝く 我を 恐悸へと 攫う  戦く 刹那に 鬼が嗤う 響動めく 間も無く 鬼が屠る 蠢く 刹那に 鬼が嗤う 阿と吐く 間も無く おくびと化す
酒呑童子陰陽座陰陽座瞬火瞬火赤るも 倫護り 私慝を 咎められど 等閑午睡の余花 解け合う 故抔亡く  刻を 遺す 鬼の名 彩み 孳尾の儘に  噫是も 嶮し 山を 何故 徒跣で 趾尖鋭なる 爪こそ 化人の瑕  刻を 遺す 鬼の名 彩み 孳尾の儘に  女に 窶した 謀りの綱を 振り解いて 芸に 傲った 金色の時雨 降り乱れて  光輝を 頼る 者を 嘲る 義は 無かれど  僧に 窶した 卜部の礼言 振り落として 酒に 盛られた 貞しき光を 振り払って  闇夜を 貶す者に 諂う 気は 更 無し  讒誣の海 繁縛の河 溺ほす 意趣なら 空し 流刑の膿 泥犂の苛は 甘噛みか 歪なり
陰陽座陰陽座瞬火瞬火此の群青が 朱に染まる 其の私語が 無下に舞い散る  運命の糸なら 疾うに斬り捨てた 己の択りし途 供の螺旋を 墜つる  胸の 逝き場を 探して 冱てる 孤独を 止めて 遥に 滲む 肱の傍に 只 君の 随意に  此の乱声が やけに離る 其の騒めきが 無礙に過ぎ行く  運命の異図なら 問うにも及ばぬ 戻れぬ丈の途 墜の螺旋を 昇る  胸の 逝き場を 探して 冱てる 孤独を 止めて 遥に 滲む 肱の傍に 只 君の 随意に  滅び消ゆる 我が身の 傍で殉ふ 憐れさよ せめて過ぐる 来ん世は 輪廻の果てに 重ねて 見ゆる 風と月とぞ  胸の 逝き場を 探して 埋ける 相座 求めて 遥に 滲む 無間の空へ 此の随 束に微睡む
野衾忍法帖陰陽座陰陽座瞬火瞬火小人なら 語るに落ちる 大人とて 猿の筆が滑る  行き摩りの 皆様は 物見笠 素見騒きか  偶人なら 騙るに墜ちる 厭人とて 恋うること忘らぬ  行き摩りの 皆様は 物見笠 素見騒きか  知らぬを 只 貶め 見えぬを 只 推し遣る 吐いた唾 飲まねば解らぬ  御座なりを 已めて 奇ぶ 火を灯す 疑りを 込めて 怪士を愛でる  知らぬを 只 貶め 見えぬを 只 推し遣る 知らぬを 只 知らせて 見えぬを 只 見遣りて 要らぬを 只 聴して 食えぬを 只 往なして  刮ぎ見れば ひらりと野衾
陰陽座陰陽座瞬火瞬火変幻自在の 擦れ枯らし 折柄飛び出し 大上段 御託を並ベて 小五月蠅く 居直る構えで 澄まし顔  嗚呼 如何でか 偏み 睨める 目指し  超えて 超えて 堪える為 燃えて 燃えて 悶える程 異端の鎖 飛び散る頃に 肥えて 肥えて 応える為 萌えて 萌えて 貰わずとも 渾て終わりて 飛び去る様に  俄然と憚る 穀潰し 折しも駆け抜け 抜け駆けと 蘊蓄傾け 小賢しく 流行りも 廃りも 受け容れぬ  嗚呼 如何でか 疎み 責める 根差し  超えて 超えて 堪える為 燃えて 燃えて 悶える程 異端の鎖 飛び散る頃に 肥えて 肥えて 応える為 萌えて 萌えて 貰わずとも 渾て終わりて 飛び去る様に  超えて 超えて 堪える為 燃えて 燃えて 悶える程 異端の鎖 飛び散る頃に 肥えて 肥えて 応える為 萌えて 萌えて 貰わずとも 渾て上がりて 飛び起つ様に
紅葉陰陽座陰陽座瞬火瞬火然様 捜しける 鬼女は 現在の 憂き名 此の身の 処遇 もう 逃げられぬ 山鳥 声を 聴くは 情  嗚呼 罅ぜるは 刹那の夢 小鳥なら 一太刀で 逝ける  其の手を 差し向ける前に 言選りを 願い上げる 皇に 傅かる 貴方に せめても 手向く迄  左右 頑に 端張る 汝 声は 滅びの 呪文 念う 嗾けし 主は 曾て 恋いし 男  嗚呼 疏解は 只 一言 凩など 吹く暇も 要らぬ  其の手を 差し向ける前に 言選りを 願い上げる 皇に 傅かる 貴方に せめても 手向く迄  嗚呼 罅ぜるは 刹那の夢 小鳥なと 小太刀なと 参れ  両手を 差し仰ぐ前に 此の髪を 納め賜え 泪に 暮れ果てる 此の子に 別離を 詫びる為
飛影陰陽座陰陽座瞬火狩姦・瞬火真白い 鬣 疾風に 靡け 爾を 奪いし 奴等を 叩け  嘶ふ 聲に 気取らば 踊る 影が 現る  欲りせし 目論見 叶わぬと見て 生命を 掠むは 外道の 証  嘶ふ 聲に 気取らば 踊る 影が 現る  嘶ふ 聲に 気取らば 踊る 影が 現る  翳す 太刀を 諸共 馬蹄 受けて 贖え
木葉天狗陰陽座陰陽座瞬火招鬼流れ流れて擦れ違う 旅人達を 背負いて 何は無くとも 銭稼ぎ 白狼は 辛いよ  彼の山の 爺さまが 赤ん坊 返せと 怒鳴る 魂消たな 滅相もねぇ 其れは 鳥の 替業  朝から 晩まで 幾 さぼる 暇も無し  今日も今日とて 齷齪と 薯蕷集め 暮れる 京の鞍馬の 大天狗 焦がるも 遥かよ  彼の村の 少女は 木っ端 去ねと 囃す 其れは無いよ 無体な 割りを喰うのは 嫌じゃ  抜かれて 取られて 幾 天狗 丸儲け  巻かれて 敷かれて 幾 明日は 何方だろう
不倶戴天陰陽座陰陽座瞬火瞬火天蓋屋が 舌の先 売り代の 算用に勤しむ 揚屋が 溢れ出し ど外道が 為たりて 跳る  零れ落ちた 報せは 誰の許に 訃音齎す 後から 囀る輩 我が為倒す 屑  東西屋が 群を成し 亡骸を 躙りて冒す 三昧耶の 熱が醒め 下手人が 筵道 渡る  腐れ堕ちた 白沙は 上の下に 仇を戴く 彼処から 囀る輩 態とがましき 屑  罪! 罪! 罪!  零れ落ちた 報せは 誰の許に 訃音齎す 後から 囀る輩 恥と情を 知れ
覇道忍法帖陰陽座陰陽座瞬火瞬火夜空を 籠める 雲は 鬼が神 屠る 兆し 畏れと 憎しみに 満ちゆく 霸業の 道を  何処から出 何処へ征く 終焉の無い 此の行路 焉から出 其処へ征く 結びの無い 此の往路  聳える 猛き 山は 神が鬼 殖ふ 寝屋処 (神 神 神) 寝惚けた 寝穢き 餓鬼達を 蹴ゆりて 散らす  何処から出 何処へ征く 終焉の無い 此の行路 焉から出 其処へ征く 結びの無い 此の往路  擦れど 己が 旅路 夢幻と 虚無への 供物 忘れじ 語り部の 孫よ 伝えよ 鬼は 其と  何処から出 何処へ征く 終焉の無い 此の行路 焉から出 其処へ征く 結びの無い 此の往路  何処から出 何処へ征く 終焉の無い 此の行路 焉から出 其処へ征く 結びの無い 此の往路  嗚呼 遙か越えて 嗚呼 無愧を抱いて
接吻陰陽座陰陽座瞬火瞬火如何して 私に生まれた 如何して 貴方に生まれ 其処に居るの  焼け付く 貴方への想い 燃ゆ程 赤く濁る 其れは 固く 痼る 私の罪  どうか せめて 結ばれないのなら地獄まで 愛も 傷も 頬を伝う泪に変わる頃 溢れる吐息が 魔になる  斯うして 私が生まれた 斯うして 貴方も生まれ 此処に居る  凍て付く 貴方への想い 温めど 冥く澱む 其れは 固く 閉ざす 貴方の罰  何も 言わず 結ばれないのなら地獄まで 愛も 傷も 頬を伝う泪に変わる頃 溢れる吐息が 魔を喚ぶ  尽きせぬ 貴方への想い 忘らぬ 終の辞 其れは 歪み 歪む 私の性  どうか せめて 結ばれないのなら地獄まで 愛も 傷も 頬を伝う泪に変わるから  何も 要らぬ 酬われないのなら地獄まで 肉も 色も 許されない契りを嗤うだけ 魔の吐息で 嗚呼 接吻で
生きることとみつけたり陰陽座陰陽座瞬火瞬火(礼)  無償の贐を 忘れてないてや その言葉は みな 守るべきこと 教えてくれた  四の五の 吐かして憚りたいなら 自分の 名前を 叫んでみろ  そがいなこと もう分かっとらい 生年の意味と そう がいなこと もっと やっちゃらい 証を求めて  万感の想いを 隠してないてや 略 この言葉は みな 他でもない 我に向けたもの  己の 在処を 探したいなら 自分の 全てを 己と知れ  そがいなこと もう分かっとらい 生年の意味と そう がいなこと もっと やっちゃらい 証を求めて  死んでも 死ぬまで 生きることをする 痩せても枯れても 視線の彼方に 流転の空  そがいなこと もう分かっとらい 生年の意義と そう がいなこと もっと やっちゃらい 魂に賭けて  そがいなこと もう分かっとらい 壮年の日々は そう がいなこと もっと やっちゃらい 今にこそあると
大頚陰陽座陰陽座瞬火瞬火樹雨のそぼ降る 霧らふ 森の中に 鉄漿染めを 塗した 黒き歯が 浮かぶ  垂髪乱す 頚の他に 持たぬ 女は 滑滑 恋歌 口遊む  仄冥き其の歌に流るる 侘よ 其は 騙し絵の 如く  黄色い花娶り 赤い花を囲う 白い花を手折り 青い花を手籠む 嫡妻の糺問 のらりくらり躱す 堪り兼ねた末に 黄色い花は散る  泪を 流して 彷徨う 頚在らば 躯を 探して 流離う 折返し  黄色い花は散り 赤い花は逃げる 白い花に刺され 青は実は男 散ったはずの黄色 化けて出て云うには 然れど わっち矢張り あんた無しじゃ居れぬ  何かを 無くして 呻吟ふ 頚在らば 貴方を 探して 漂う 女郎花  仄冥き其の歌に流るる 侘よ 其は 騙し絵の 如く 惑い 募り 新に白く 此の寛に流るる 刻よ 其は 永久の 如く
黒衣の天女陰陽座陰陽座瞬火瞬火爛る灰土に独り 落つる涕 涸れて 何時の間にか 復らぬ 天を仰ぎ 手繰る想い 只の慰み  交ふ 人の簇が 同じ貌に見える 安らぎを(汚穢の) 望む末路は鬼の国  今 此の身を砕いて 戦慄も 傷みも 遮る 無明で 抱いて  罪無き稚と双り 屍に 抱かれて 幾そ度か 阿る 顔に嘔吐き 吐る念い 誰を慰み  障ふ 胸の臆で 叫く己を除く 明けぬ化作(然こそが) 餓鬼の眼に見えぬ水  今 裁きを下して 吃も 怒りも 絶え滅ゆ 墓標を 抱いて  戻れぬなら 黒で閉ざす 貴方の探す女は 待たなかった  今 此の身を砕いて 戦慄も 傷みも 愛子の 乳汁と  今 裁きを下して 憐れみも 歎きも 刻意の 柩と 焼べて
泥田坊陰陽座陰陽座瞬火招鬼旧い 縁の 田地を 蔑し 夜毎 蕩いて 善がる 四人と 作夜の 与太は よもや 酔い醒まし  集る 悪たれ 吹き込む 戯け 所詮 友擦れと 我の 早瓜 和院も 嗤う 童 我賢し  (田 田 田 耕せ)覆さぬ (田 田 田 耕せ)悴は (田 田 田 耕せ)迷いね (田 田 田 出直せ)  とうと 余して 放した 先は 新の 曖昧屋 熟田 毀して 恋里 漕ぐは 黄金 拵える樹  春を耕し 枕を画き 鶏唱は嬌笑 当の 豚児は 鶏冠を 磨ぎて 取るは 透頂香  (田 田 田 田返せ返さぬ (田 田 田 田返せ)輩は (田 田 田 田返せ)早去ね (田 田 田 田手放せ)  絶えなば絶えね 吾儕の裔 薬も 卦も 手も 尽きし 風 堕ちらば堕ちね 族の泥 のさばりゃ 憂き名は 廻る  絶えなば絶えね 吾儕の裔 薬も 卦も 手も 尽きし 風 堕ちらば堕ちね 族の泥 祖道の 恩誼を 忘れて のさばりゃ 己は 要らぬ  (田 田 田 田返せ)
顎門陰陽座陰陽座瞬火狩姦在れ 成れ 翌檜の催芽 彼 戯れ 内府の遊び (顎音)  有れ 汝 噫 砂を野饗か 荒れ ざれ 亡い歩の 臍本  只 無言よりも 遙か佳く 然れど 依然 倣うよりも 馴染めと  彼 稀 鎹の蓮 故 張れ 代詠の聲が  只 無言よりも 遙か佳く 然れど 依然 倣いよりも 馴染めと  曲 差し越える 根も 添い遂げれば 染む  只 無言よりも 遙か佳く 然れど 依然 倣うよりも 馴染めと  然れば 唯 縷言よりも 在るが儘に ならば 唯 叶うよりも 挑めと
陰陽座陰陽座瞬火瞬火此の霆が 翼を毟り 燃える大地の 知方と代える  言葉を無くした醜い奴も 痛みを知らない穢れた我も 生命の在処を違わぬ限り 無形の力が其処に現れる  破れる璞の 霙の中 光る稲魂よ 揺り起こせ  躯を 魂を  其の厳つ霊は 渾てに滾る 萌える大地を 確と照らした儘  行き場を無くした小さき者も 妬みを知らない哀れな彼も 生命の在処疑わぬ限り 無稽の力が其処に現れる  破れる璞の 霙の中 光る稲魂よ 有理を超せ  稲魂よ 揺り起こせ  躯を 魂を 此の世を 渾てを
龍の雲を得る如し陰陽座陰陽座瞬火瞬火冥雲を 切り裂いて 霹靂が 山池を撃ち抜く 穿たれた 其の廬 軈て来る 上天の刻が  冴え渡る心に 生命よりも 確かな響き 此の手にそっと 握り締めて放つ 蒼き瞬き  叢雨が 闇を剥く 濡らすのは 熟れし 万骨 點された 其の睛 時は満つ いざ駆けよ大駕  澄み渡る天に 維の血よりも 遥かな兆し 此の手でぐっと 手繰り寄せて放つ 蒼き赫き  刹那に昇る 皇の魂を 今渾ての 輩に分かて 幾度 倒れても 甦る為に  澄み渡る天に 生命よりも 幽かな願い 此の手にずっと 繋ぎ止めて離す あまき羽撃き  刹那に昇る 皇の魂を 今渾ての 輩に分かて 幾度 倒れても 甦る為に  刹那に染める 神鳴る光よ 今渾てを 包み籠んで 折しも雨が 其の泪と成り 渾てを 愁いて 天へ
彷徨える陰陽座陰陽座瞬火瞬火彷徨い乍らも喰らう 迷いも惑いも要らぬ事 其れは 蓋し 人の摂理の所業 喰らえ  楠から転げた木魅 其の場で煮やして犬の味 其れは 寧ろ 人の原始の鼓動 喰らえ 丸で 後ろ向きな 屁理屈よりも  堅肉なれど 萎る 甘草なれど 餓えば 餬口の夢 悴む時も 日照り 茹だる時も 誰もが 粮を巡る  飢える我らは喰らう 戦もせずとも只喰らう 其れは 寧ろ 人の生きたる証 喰らえ 丸で 的外れな 似非愛護など  堅肉なれど 萎る 甘草なれど 餓えば 餬口の夢 悴む時も 日照り 茹だる時も 誰もが 粮を巡る  今日も彷徨える 明日も彷徨える 何時も彷徨える 永久に彷徨える 誰も彷徨える 彼も彷徨える 彷徨い乍らも 喰らえ!  堅肉なれど 萎る 甘草なれど 餓えば 餬口の夢 悴む時も 日照り 茹だる時も 迷わず 普く 其の口で 粮を喰らえ
不知火陰陽座陰陽座瞬火瞬火遥かに 海面を臨みて 静かに 瞼を閉じれば 浮かぶ  もう 泣かないで 其の手離して 眩れ初む 虚空に焔が 仄めくから  遥かに 前世を悔いるも 静かに 現世の熾火が 揺れる  そう 言わないで 風に話して 眩れゆく 凪の辺を 見詰めた儘  灯る 赤く 揺れる ゆらゆらと 揺らめく  幻の漁り火が 海原を染めてゆく 若しも辿り着けたら 此の身を灼いて  灯る 赤く 揺れる ゆらゆらと 揺らめく 灯る 赤く 揺れる ひらひらと 閃く
曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
蛟龍の巫女GOLD LYLIC陰陽座GOLD LYLIC陰陽座瞬火黒猫嗚呼 渾てを 愁いて 天へ昇り行く 龍の面影は 彼の蛟龍の儘 微笑みに宿した 引き留む想いを 掻き消す雨風 躊躇いは偽薬  幽遠の裁きの下に 滅び逝く我らを 救う者  永久に行き帰す 人の過ちの湖 贖 其れすらも 被せて 殉ふ 浄潔は 責めて 餞の印 纏いし 巫の衣を 染める 光よ  褪すまで 守り継ぐ 回生の綱を 幣える寸余に 解き放つ 任を 我が旨に窶した 人々の虚礼 万古の泉が 懈怠を暴く  悠遠の堕胎の如き 驕り呉る我らを 燃やせ  永久に行き帰す 人の過ちの湖 贖 其れすらも 被せて 殉ふ 浄潔は 責めて 餞の印 纏いし 巫の衣を 染める 光よ  優婉の焔の如く 滅び逝く我らを 灰にして  永久に行き帰す 人の過ちの湖 贖 其れすらも 被せて 殉ふ 浄潔は 責めて 餞の印 纏いし 巫の衣が 朱に 染まりて  天を仰げ 満ちる 粛清の威光 崇めし 鈍は 狂りて 唱う 救済など 渾て 砂上の桜 寄り臥せ 此の星を喰らい 廻る 生命よ
我が屍を越えてゆけ陰陽座陰陽座瞬火瞬火真っ白な光の飛礫 騒めきと響動めきの調べ 高らかに掲ぐ其の手に 掛け替えぬ喜びを 抱いて  未だ誰も知らない 無敵の歌を そう 転びながら 手負いながら 探している故  努 忘れないで 今の燃える火を また 廻る時も 熱い魂のまま だけど 僕らが若しも 倒れたら 屹度願う 迷わず 此の 屍を越えて  真っ直ぐな睛の礫 ときめきと煌めきの調べ 朗らかに舞う掌に 迸る魂を 掴め  もう忘れられない 素敵な歌が そう 彼所じゃなく 其処でもなく 此処に存る故  努 忘れないで 今の燃える火を また 廻る時も 熱い魂のまま だけど 僕らが若しも 倒れたら 屹度願う 迷わず 此の 屍を越えて  もう離れたくない 異郷の町で そう 詰られても 飽きられても 声の限り 歌いたい故  努 忘れないで 今の燃える火を また 廻る時も 熱い魂のまま だけど 僕らが若しも 倒れたら 屹度願う 必ず 我が屍を越え 明日へ
鬼ころし陰陽座陰陽座瞬火瞬火鬼殺(おにこごろ)し (好い) てやてやてや (よいやんせ) 鬼ころし (酔い) てやてやてや (よいやんせ)  半殺し (しょい) しなはんな (てやてやてや) 鏖 (こなぁ) そげなことすなや (こらえんぜ)  覚れ 鬼を滅ぼし 貪る明日は 噫 人が残りて 此の世は鬼で満ちる  鬼殺(おにこごろ)し (好い) てやてやてや (よいやんせ) 鬼ころし (酔い) てやてやてや (よいやんせ)  捨て殺し (しょい) しなはんな (てやてやてや) 飼い殺し (こなぁ) なにしよるがなら (こらえんぜ)  覚れ 人を憎まず 罪を憎まば 噫 鬼が残りて 此の世は軈て朽ちる
陰陽座陰陽座瞬火瞬火殻芥の如く散る 救いも 誇りも 終焉に残るは 似非笑い  運命に映した 己は黴びて 定めし悪むは 生まれの業と 余人の砂塵に捲かれて  慚 慙 惨 荒べ 慚 慙 惨 逆え  わや苦茶の御託さえ 翳せば それなり 名乗る必要はない 二秒で終わりだ  運命に映した 己は黴びて 定めし悪むは 生まれの業と 野人の下塵に捲かれて  慚 慙 惨 進べ 慚 慙 惨 栄え  遙かに黛青は 悠く佇まい 幾重の悲しみを (折しも舞い込み) 此の手に抱き寄せて (天賜と)  慚 慙 惨  無愧の罪 然れど涕 溢れて (贅、贅) 呻吟うの 只獨 聲は千切れて  累々と 屍を越えて 存え (贅、贅) 彷徨うの 未だ獨 せめて逝かせて
甲賀忍法帖PLATINA LYLIC陰陽座PLATINA LYLIC陰陽座瞬火瞬火下弦の月が 朧に揺れる 夜を 包む叢雲 磔られた 番う雛 絡める 非情の罠  嗚呼 今も燻ぶ 想い胸に 聢と宿らば (殲)  水の様に優しく 花の様に劇しく 震える 刃で 貫いて 宿命られた 涙を 瞳の奥 閉じても 貴方を 瞼が 憶えているの  無明の淵で 終焉を待つ 私は 噎ぶ身無し児 蹂み躙られた 尽る恋を 両手に 包んだ儘  もう 諍(あらが)えない 共に辿る 釁りの黄泉路を (殲)  水の様に優しく 花の様に劇しく 震える 刃で 貫いて 宿命られた 涙を 瞳の奥 閉じても 貴方を 瞼が 憶えているの  水の様に優しく 花の様に劇しく 震える 刃で 貫いて 宿命られた 涙を 瞳の奥 閉じても 流れる 血潮 止められない  蜜の様に零れて 徒の様に散りゆく 儚い 祈りを 掻き消して 宿命られた 二人を 葵闇が 裂いても 貴方と 揺蕩う 隠り世まで
荊棘忍法帖陰陽座陰陽座瞬火瞬火通り過ぎたのは 離脱の糸 悔やみ切れぬ儘 蠅になる  ばらばらに離れた 精神と身体は もう見向かれぬ 伽藍芥  帰る場所など無い 浅き睡りさえ 嗚呼 生きてすら無い 深く刳る様に 絡み付くのは 荊棘の径よ  喋り過ぎたのは 紊す祝詞 酬われる程に 癈になる  粉々に砕ける 心溶かすのは そう許されぬ 伽だけ  帰る場所など無い 浅き睡りさえ 嗚呼 生きてすら無い 深く刳る様に 絡み付くのは 荊棘の径よ  帰る場所など 其処に夢など無い 浅き睡りさえ 嗚呼 生きてすら無い 其れが只草の相  救いなど無い 紅い夜にさえ 嗚呼 理由すらも無い 深く刳る様に 絡み付くのは 荊棘の径よ
組曲「義経」~来世邂逅陰陽座陰陽座瞬火瞬火咲き後れた 白い花が 薄紅に染まる 帰ることのない誰かを 待ち焦がるように 立ち止まった道の端に 常闇(とこやみ)が迫る 往く宛のない わたしを 縛り付けるように  誰にも 毀れる 月の雫 止める 術が ないのなら  あなただけが 宿した 光を亡くして わたしは只 拭えぬ痛みを 抱いて 胸に残る 枯れない 悲しみを消して 静かに 罪を泣くの  忘れかけたあの日に 擱いてきたあなたに もう一度 逢いたい  あなただけが 託した 想いを遺して わたしは只 震える瞳 閉じて 胸に残る 枯れない 悲しみを消して 静かに 来世を待つの
傀儡忍法帖陰陽座陰陽座瞬火瞬火春の麗に御山を覗けば 貍囃子に釣られて踊る 虎の威を借る 狐が寝過ごし 覚めて仰天 添い寝とくらぁ ああ夜は ころりころげて (駑鈍、駑鈍) 夏の盛りに優曇華咲いたら 古今無双の音色が響く 夏も小袖と欲張りゃ未だしも 旋毛曲りは何所吹く風 ああ夜は ころりころげて (駑鈍、駑鈍)  絶えなば絶えね ほら期待通りに 世の中 進んじゃあくれない 成さねば成らぬ ほら思い通りの ものにゃ 生半可にゃなれない (だが成せば成る!) 秋の晩くに 女形を落とせば 男冥利に にやけて候う そんじょそこらの 妃嬪にゃ劣らぬ 殿の栗毛と見紛うほど ああ夜は ころりころげて (駑鈍、駑鈍) 冬の真中に燗酒つければ 五臓六腑に渡りて染みる ちょいと微温めを鯣で一献 古妻の酌で潰れるまで ああ夜は ころりころげて (駑鈍、駑鈍 駑鈍、駑鈍 駑鈍、駑鈍 駑鈍、駑鈍)
組曲「義経」~夢魔炎上陰陽座陰陽座瞬火瞬火剥き出しの骨を 爪で つと掻き裂く 虚ろなる病みの 睡り醒ます様に 抑えられない 欺瞞の棘が 此の身を刺す 謀を 張り巡らして  (セリフ) 世に仇なすのが悪 其れを誅するが正義 有事には再びその天地が返り 畢竟、私は今、悪か  何かを果たし乍ら 誰かに疎まれ 叫びは 返す返す 明かりを 探し求めて  望みは 漂うだけ 凍える 哭が今 消えゆく 風に千切れて  無明の睡りに 疲れ 迷い 誰そ彼る 失意の韜晦 冥き星を数えて 盞に浮かぶ花弁 暗い闇に揺蕩う 胸に宿る火の鳥は 何時の日か雁になる  柘榴に なり果てる 己の頭に 群がる 埋葬虫は 兄の面をしている 殺めた数だけ 愛を手に入れると 無間の奈落も 一躍に跳べると 髑髏に 口付ける 虚栄の猿は そ知らぬ 素振りで 誰が為に唄う 殺めた数だけ 穢に塗れていると 無間の奈落に 真逆に呑まれると  嗚呼 徒に 一縷の陽を求めても 嗚呼 一向に 異郷の地に 転びて落ちる  (セリフ) 渾ては 渾ては一族の名を賭して 渾ては 渾ては亡き御父君の誇りを賭して 犯した不文律も罪科も 殺めた命さえも あなたと新しい時代の理想郷の為だというのに もうよい、黙れ 詭弁を弄すな 政れぬ虎よ 我は今、汝という悪魔を 燃やす  振り仰いだ 鈍色の空に 刻が 夜を 連れてくる 激よと 交わす言葉も 明る 色を 失ってゆく もう逃げられぬなら 此処で果てるとも 只其れで 此以上 離れないのなら  抱き寄せて 抱き締めて 抱き留めて もう一度 束の間の 別離でも 曇らさぬ様に 愛されぬ 相舞えぬ 相生えぬ もう二度と 惑う 夢の中に 彷徨う 声にならぬ嗚咽を 白い雪が嗤う  (セリフ) 抜け抜けと舞いおって 命乞いのつもりか されど子は別じゃ 後の憂いとなろう 殺してしまえ 何故このような惨い仕打ちを 己が命を取られた方が増しで御座います ああ この子だけはあの人に抱いて欲しかった お許し下さい もう逢えませぬ  望みは 漂うだけ 傲れる 嶺が今 移ろうまで 其処に降る雨は 躊躇うだけ 凍える 哭が今 消えゆく 風に千切れて
微睡忍法帖陰陽座陰陽座瞬火瞬火跡切れはじめた 意識に浮かぶ 幻 あなた少し 咲っていたから 釣られて 微笑みを返そうとするけど でも赦して 酷く眠いの 漂い微睡む 歎きと安らぎに 今はの刻みに 夢でも逢えたから 掠れはじめた 視界に映る あなたが 聢と両手 握ってくれたから 幻でもなく 夢でもない 本当に 此処に居て 見守っていて わたし  漂い微睡む 歎きと安らぎに 溢れる涙を 末期の水に譬うから Hah... Hah... Hah... Hah... Hah... Hah... Hah... Hah...
組曲「義経」~悪忌判官陰陽座陰陽座瞬火瞬火賽の河原に 打ち捨てる 誓いを染める 白旗 裂ける血汐 闇に啼いて 錯誤を匕とす  伽藍堂の正義と 現世の渾てを 呉れてやる 此の悪の力で 代価に 愛の証を呉れないか  眩く満ちる朝と 苟且の天を 呉れてやる 此の夜の力で 帷を 染め往く 白  西の彼方に 押し寄せる 祈りを込める 白浜 哮る肉を 闇に投いで 覚悟は一つと  伽藍堂の正義と 現世の渾てを 呉れてやる 此の悪の力で 代価に 哀の言葉を呉れないか  眩く満ちる朝と 苟且の天を 呉れてやる 此の夜の力で 帷に 散り逝く 赤  昏き み空は 心まで 癈に堕ちる 赤い膿も 白い衣も 黒き傲りに澱み  伽藍堂の正義と 現世の渾てを 呉れてやる 此の黄泉の力で 代価に 燃える最期を呉れないか  眩く満ちる朝と 苟且の天を 呉れてやる 此の愛の力で 幾瀬も 栄ゆるは 黒
夢幻陰陽座陰陽座瞬火瞬火羽撃いた 翼は 邪魅に羽を灼かれ 舞い降りた 花床で 開かる
邪魅の抱擁陰陽座陰陽座瞬火瞬火思う 燻べる 黒は 恣に 蹂み 躙ると もう 穢れた 白に 身罷る 此の 皇 譬う 金翅雀  黒とも 白とも 交えぬ 魂 燃え上がり 灰と狎れる  巓に遊ぶ守りは 魁を無くし絶える 手そぶも 馘した 邪魅の子らは 生えて 企み 蛇 顕 尾得て 企み 戯える  流浪の 骸は 志半ば 文 滲むと 様 崩れた 城に 見紛う 此の 絖 今や虎子  玄人も 素人も 交えぬ 魄 燼滅は 魔魅を 殖ふ  巓に遊ぶ守りは 魁を無くし絶える 手そぶも 馘した 邪魅の子らは 生えて 貶み 蛇 顕 尾得て 貶み 翳む兄 仙に余まる者は 径を創り 軈て 僊るも 御厨 邪道越えて 抱いて 羽包くみ 戯れて 抱いて 育み 悶える  縷 纏えど 精神は 錦と 麗しさに 目が眩らむ 悪し物  巓に遊ぶ守りは 魁を無くし絶える 手そぶも 馘した 邪魅の子らは 生えて 貶み 蛇 顕 尾得て 貶み 翳む兄 仙に余まる者は 径を創り 軈て 僊るも 御厨 邪道越えて 抱いて 羽包くみ 戯れて 抱いて 育み 悶える
舞頚陰陽座陰陽座瞬火瞬火軍配 無い袖は振れぬ 仇敵は無く 身方も絶え 顛沛 泥土に消ゆ 寄らば斬る世迷い  素っ首 洗って待っておけ 半刻で 我が手中 月牌 内乱罪 喝す 打ちのめす  諍う其の益荒は 轟きの懺悔に戦慄く 討ち果すは互いの 唯一の蝋燭なる頭  怨みは消えぬ 裁きを 脱す 脱す 脱す 然して 斬る  流れる 此の泪と 遅蒔きの惨劇は永く 魂消る程 輪廻な 此の念いは 雲散霧消  散る 鬨の唄は 黒き海に呑まれ 重る 病みを 統べる 諍う 巴の 人騒きは 滅ばぬ  罪も科も 斬らば御破算 月も尖る 旧の木阿弥  散る 鬨の唄は 黒き海に呑まれ 重る 病みを 統べる 争う 強敵への 情の呵を  赤る 時の唄は 黒き淵に揉まれ 重る 闇を 辷る 諍う 巴の 犇は 転ばぬ
輪入道陰陽座陰陽座瞬火招鬼(轟 動 動 轟) 視るも無慙な 地獄絵の (轟 動 動 轟) 左手の端は 末の愛子 (轟 動 動 轟) 此所は勝母の里に附き (轟 動 動 轟) 余所へどうぞと 拝み倒し  秋雨は 山車に 子良が 踏みしゃがれ 未だ 幽かに在る 息の根を止める 弐の矢  (轟 動 動 轟) 回るは車輪と 地獄への (轟 動 動 轟) 牛頭馬頭どもの 駈る荷車 (轟 動 動 轟) 何其れ彼其れ 叫くとて (轟 動 動 轟) 車は急いて 止まりゃしない  嗚呼 刻む轍に 空も知らぬ雨 唯 過ぎ行く影 ねまる 想いは 聳ち  嬲る霊の片 媒 嘖む 我が慕情に 幕下ろす さあ 廻り行け  脚を取られりゃ 韋駄天 立ち往生 腕をもがれりゃ 弁天 弾かれぬ琵琶  (下衆 駕す 貘) 廻まで (下衆 駕す 貘) 催し 危める  玉を取られりゃ 仰天 後の祭 尻を蹴られりゃ 月天 番の雛  (下衆 駕す 貘) 廻まで (下衆 駕す 貘) 催し (下衆 駕す 貘) 旧の島で (下衆 駕す 貘) 催し 殺める  嗚呼 刻む轍に 空も知らぬ雨 唯 過ぎ行く影 ねまる想いは 聳ち  嬲る豕の血が 媒 嘖む 輪が五条に 撒く俄羅斯 さあ 廻り行け 常に 刻む轍
涅槃忍法帖陰陽座陰陽座瞬火瞬火性なき 囀る 雑魚にさえ 情けの 名謁 何を成す 贖ふ 足を 洗い 改む  塞かふ 聲に (脱 抜 殺 喝 刺) 惑わされても (脱 抜 殺 喝 刺) 取り合わない (脱 抜 殺 喝 刺) 降魔の 如き 沙汰では 動けぬ  敢え無き 垢染む 阿堵にさえ 足掻く 内衛を 宥める 和ぎを為す 栄う 逆蟲と 差し渡す  祈がう 聲を (脱 抜 殺 喝 刺) 繋ぎ止めても (脱 抜 殺 喝 刺) 取り敢えない (脱 抜 殺 喝 刺) 蝦蟇の 如き 磋蛇でも 蠢く  同胞よ 決して怖じけるな 希望は無くとも 意義は在る 何程の血が其処に流れようとも 新たなる芽吹きに 是非は無し  涅槃の扉は 水色の飴 盪ける さらめきを 後ろに 嗚呼 椴の樹を 挽きながら 罷りゆく  已むを得ず 二度と帰れぬ身と 相成った 助けも 情けも無用 屍は晒しておくがよい 皆 怠りなく 任務を果たせ では然らば 涅槃では俟たぬ  涅槃の調べは 水銀の雨 届ける 漣を 蓆に 嗚呼 轟きを 聴き乍ら 交ざりゆく 肉体  祈がう 聲を (脱 抜 殺 喝 刺) 繋ぎ止めても (脱 抜 殺 喝 刺) 取り敢えない (脱 抜 殺 喝 刺) 蝦蟇の 如き 磋蛇では 直ぐに 澱んで 消える  でも 俟たない でも 俟たない でも 俟たない でも 俟たない
河童をどり陰陽座陰陽座瞬火瞬火なんちゃやない なんぼじも かんまない 唄いなはいや しゃって だまっち 見よるがやったら あぁ じゃらじゃらすなや はじまるぜ  (皿!)心に秘めた 真の魄 引きずり出して進ぜる 向う疵が渇いたなら 兎に角愉快に踊りましょう  がまんなこと 言うたちいけない 凸間凹間 なかようにせな なにまりかにまりよもだ言うたちいけんやねぇか はよせな 人生 瞬くぜ(しゃきたおっそこなぁ)  (皿!)心に秘めた 真の魄 引きずり出して進ぜる 向う疵が渇いたなら 兎に角愉快に踊りましょう  更なる求道 果て無き宇宙 在り馴る郷を愛しみ乍ら 然らば気高き 社の諸公 在り待つも好し 連れ立つも佳し  (皿!)心に秘めた 真の魄 引きずり出して進ぜる 向う疵が渇いたなら 漲る力を 全部出して  (皿!)その手に掴む 信の珠 耀き出せば信ずる 向う見ずが祟ったなら 一先ず暢気に踊りましょう
煙々羅陰陽座陰陽座瞬火瞬火其処に只在る事を 玉響にふと描き 連れに相成る 夢の中で  倶に暮れ 逝く時は此の胸に抱き寄せて 瞼に約す 来世で待つ  今 辿り着いた 夢幻の静寂  千萬天華咲く光来 其は刹那の風 運命帰すのは 会者定離の流 然れど 廻り 再び逢う  此処に未だ在る事の 尊さにふと甘え 尽くす想いも 夢の儘で  倶に暮れ 逝く時は睦まじく寄り添って 重ねた日々に 別れ告げて  今 手繰り寄せた 無限の欠片  千萬天華咲く光来 其は刹那の風 運命帰すのは 会者定離の流 然れど 廻り 再び逢う  夜雨 夜霧を紡ぎ 満つ 遙か彼方 烟る羅に 其の姿を 重ね  千萬天華咲く光来 其は刹那の風 運命帰すのは 会者定離の流 然れど 廻り 再び逢う 然れば 萌み 必ず逢う 此処で逢える
狸囃子陰陽座陰陽座瞬火招鬼狭い此の世で犇めきて 同じ頭を愛でたり貶したり 餅屋が描く枕絵 絵師が搗く黍餅 掛け違えた看板 仕舞う隙もありゃしない  貍囃子は馬鹿囃子 手前知らねど祭の渦の中 女郎が釣る太刀魚 魚屋が焼く焼き餅 取り違えた看板 返す気すら失せたら 団団 貍の腹 ぽくぽくと 冉冉 其の気の面 しゃあしゃあと 万万 貍の場 ぞろぞろと 転転 礫の如 其れが貍だぁよ  山師が守る本丸 守衛が張る博奕 行き別れた本分 改む気はありゃせぬ 団団 貍の腹 ぽくぽくと 冉冉 其の気の面 Hey 然ればよ 絶対 貍の場 ぞろぞろと 手ん手ん ねまりの極 其れが貍だ 彼も貍だ 皆 貍だぁよ
癲狂院狂人廓陰陽座陰陽座瞬火瞬火炎天の強者 悦楽の亡者 肝胆の闇を嘗め尽くす 暗澹の聖者 雀躍の狂者 淫乱の波を責め尽くす 深い自虐の曼陀羅を 手繰り上げる厭世行為 愚かしくも もどかしくも それが運命と  惨憺の隠者 欠落の念者 根元の神を舐め尽くす 背信の従者 赫奕の盲者 絢爛の民を焼き尽くす 冥い被虐の曼斗羅を なぶり上げる下卑た憩い なやましくも あさましくも それが運命と 業・罪・愛 狂人の唄声を乗せて 遣る方無き交り合い 繰る糸の先に輪をかけて 報われぬ者の功罪  深い自虐の曼陀羅を 手繰り上げる厭世行為 愚かしくも もどかしくも それが運命と 業・罪・愛 狂人の唄声を乗せて 遣る方無き交り合い 繰る糸の先に輪をかけて 報われぬ者の功罪
八咫烏陰陽座陰陽座瞬火瞬火裏の山で啼く烏が ふらり飛んでくる 屋根の上につと群がり 誰の死を告げる 黒い濡羽を振り乱し 骸をはむ奴等の影法師 伍人死んだら またおいで 羽音が呼ぶ涅槃の凪風よ  屋根の上で啼く烏の いと醜き声 旋回する あの参羽が 次の家を探す 黒い濡羽を振り乱し 骸をはむ奴等の影法師 伍人死んだら またおいで 羽音が呼ぶ涅槃の凪風よ  口の煩い 物忘れする 意地の汚い 流浪の民よ 神の御先と 敬い崇め その啼き声を啓示と畏れる Uh... Uh... Ho... Oh...
帝図魔魁譚陰陽座陰陽座瞬火招鬼・瞬火近代的 怪 象徴的 他意 現存する雑魚の群に 畏る者は皆無 影法師に礼 其は原寸大 因果律の形骸化は 滅びを招かん 精神的 戒 月夜の犬吠 遠い記憶 呼び覚ませど 胸の内は大霧 欺瞞は誇り 誇りは詛い 先天的魔人なれば 憂世は楽し 明けても暮れても 寸暇を惜しみて 祝いと呪いの 苧環紡げば 彼の魁岸は 星の蔭に 巡り続けるだろう この開成も 月の影を 照らし続けるだろう 先進的 問い 退廃的 解 懇願する烏合の衆 取るに足らぬ拝舞 魔障を調伏 されど返り討ちで逝去 能書きだの蘊蓄だの 蛆でも喰わない 眠れど醒めれど 頭を離れぬ 正負を織り交ぜ 苧環紡げば 彼の魁岸は 星の蔭に 巡り続けるだろう この開成も 月の影を 照らし続けるだろう  彼の魁岸は 星の蔭に 巡り続けるだろう この開成も 月の影を 照らし続けるだろう
化外忍法帖陰陽座陰陽座瞬火瞬火嗚呼 骨が哭く 谿谷に独り佇み 風が告げる 仇討ちの愚かな末路 徒野 泪に朦朧と 化外の躯が 飛び散る 願いの刃に掛けた 夢は遠過ぎる  食み出したる まつろわぬ化外の民は 人目避けて 里を生し その時機を待つ 鳥辺野 那由他に浪々と 裁きの随意に 流れ行く 願いの刃に掛けた 夢は遠過ぎる 何を求め 誰も待たず  徒野 泪に朦朧と 化外の躯が 飛び散る 願いの刃に掛けた 夢は遠過ぎる
眩暈坂陰陽座陰陽座瞬火瞬火(この世に不思議なことなど 何もない)  鬱瀬身に光は照りつけ 懊悩の果ての業曝し 廻りだした意識の聲は 遠く冥い澱の底から (残念、観念の幻想)  射干玉の夜の乱れ髪 眦の奥の惑わかし 廻りだした意識の聲は 遠く冥い澱の底から (残念、観念の幻想)  (「産の上にて 身まかりたりし女、) (其の執心、 此のものとなれり) (其のかたち、 腰より下は血にそみて、) (其の声、をばれう、 をばれうと 鳴くと申しならはせり」) 駄螺だらだら だらだらと 駄螺だらだら だらだらと 駄螺だらだら だらだらと 駄螺だらだら だらだらと 駄螺だらだら だらだらと 駄螺だらだら だらだらと 駄螺だらだら だらだらと 眩暈坂は続いてゆく 「うふふ。あそびましょう」 (「朦朧と煙る視界の中で 少女の白い脛は朱に染まり) (私の耳元で、淫らに… 私は畏れた。私は走った。) (ざわざわと鳴る 漆黒の闇を…) (狂っているのは 少女なのか 或いは この私であるのか」)  廻りだした意識の聲は 遠く冥い澱の底から (残念、観念の幻想)
陰陽座陰陽座瞬火招鬼鬼と女は見えぬぞよろし 古の書に伝えて謂うは 鬼神であれども 鬼魅といえども 荒ぶる神の遠縁者 片目潰され 案山子にされて 囚われたるは祝殿 祟り恐れて 贄を祀りて 我が身可愛や 神祭り  丑寅の門 開きてみらば 挙りて集う 夜叉の群れ 己が堕落を打算で隠すは 孩児を屠る間引き鬼 屍気 漂いし憂き山の 静寂に浮かぶ祝殿 今や鬼神の片輪者 永久の我が庵か 人の畏怖は堂々巡 ちんがり盲の 御法神 生きつ絶えつ 鬼となりて 心の闇に 現在も ひそみ続けしと  獄卒だとて 祖霊と崇めしや 貌を得たり 御霊の天の邪鬼  人の畏怖は堂々巡 ちんがり盲の 御法神 生きつ絶えつ 鬼となりて 心の闇に 現在も ひそみ続けしと
逢魔刻陰陽座陰陽座瞬火瞬火沈み始めた太陽が 朱と紅とを混ぜる頃 静けさが町を包み 家に入れと母が呼ぶ 人と魔物が逢い見える 魔魅の忌わしき逢瀬 黄昏刻は禍々しく 百魅生じて 災い成す (逢魔刻)  焼け落ちる様な天仰ぎ 溶けて行く陽を仰臥する 郷愁の目頭から しとどに溢れる泪 現世と隠世の狭間 暗闇の雲が交叉する 誰そ彼刻は苦々しく 無常の風を吹かせて去る (逢魔刻)  魑魅魍魎の行列が 鼻を掠めて行こうとも 聲一つ上げてはならぬ 只過ぎ行くを送るのみ 映ろう人の魂が 我が世 恋しと哭き叫び 鴉にその身 窶しても 浮かばれぬその怨念よ  戦慄の時間よ今 我が身を抱いて 舞い踊れよ 戻りはせぬ日に 想いを寄せて  黄昏刻は禍々しく 百魅生じて 災い成す 誰そ彼刻は苦々しく 無常の風を吹かせて去る
文車に燃ゆ恋文陰陽座陰陽座瞬火瞬火募る想いが今宵も 恋の雫を睫毛の先で 薄く溶かした墨にて 筆を繰り綴ることには  嗚呼 愛しやな 嗚呼 切なやな  文車に乗せた恋の便りは 届くことも無く 塵へと還る 文車に乗せた恋の便りは 打ち捨てられて くれなゐに燃ゆ  心乱れて落つるは 泪の色の恨みつらみよ 吟ずる詩歌は夜想の 叶わぬ恋の鎮魂歌かな  嗚呼 恋しやな 嗚呼 侘しやな
鬼斬忍法帖陰陽座陰陽座瞬火瞬火粉雪の舞い踊る 寒の殿戸の下 匂やかな妖気立つ 陰に潜みし影  魔の物に魅入られし 人の形の鬼 殺陣は血で煙り 屍は山と成る 魂亡くした 虚ろな器 玉虫色の 幻に包みて (鬼斬忍法)  咲いた側 散りぬるは 邪気を孕みし花 嫋やかな魔性の力 病みを飲み込む闇 魂亡くした 虚ろな器 玉虫色の 幻に包みて (鬼斬忍法)  二つに裂いても 微塵に刻めど 内から外から 鬼は潜み入る 人の弱さ故 懐柔さるるが 己が魂で 打ち砕け鬼を
塗り壁陰陽座陰陽座瞬火瞬火旅路を行くは一方の 畏れを知らぬ剛の者 七分過ぎたるその刹那 見る目適わぬ 巨大な壁が  上を下へと取り乱し 途方に暮れて立ち尽くす 明日の宵には山越えて 邑君の許着かねばならぬ  嗚呼 繋ぎ止めた明日が 音もなく遠ざかり 繰り返す遺響の囁き  想いは潰えたと泣くより この身が朽ちる際まで 弛みなかれ  忌々しくもとぼとぼと 兵どもが夢の跡 諦むことも口惜しく 持ちたる杖で裾野を掃う  信じ難きやおとろしや 何時しか壁は消え入らむ 八方の手を尽くさねば 答えは出せぬ此の世はをかし  嗚呼 咎認めたはずが 声もなく立ち竦み 蒸し返す回向の呟き  想いは潰えたと泣くより この身が朽ちる際まで 弛みなく 想いは潰えたと泣くより この身が朽ちる際まで 弛みなかれ
奇子陰陽座陰陽座瞬火瞬火鮮やかな暗闇に独り 嗤い尽る白い徒花  幾重もの秘め事に揉まれ 生まれ出たことも消されて  愛を知ることもない間に 姶を白肌に湛えて  闇を出ることも叶わず 閉ざされた時の涅から  咲いても花に成れぬ悲劇の野草 その身を晒すことは月への戯笑 裂いても離れ得ぬは渾て惑い 闇に融け堕ちてゆく 涅槃まで  艶やかな嬌態に燃えて 血織り交ぜる黒い風穴  澱みから忌み事は生まれ 痼り残す それは人の性  愛を知ることもない間に 姶を白肌に湛えて  闇を出ることも叶わず 閉ざされた時の涅から  咲いても花に成れぬ悲劇の夜想 その身を晒すことは尽き得ぬ魔性 裂いても離れ得ぬは渾て惑い 闇に融け堕ちてゆく 涅槃まで  我が子に姉と呼ばれ、 この手に抱くことすら許されず 思うが儘、されるが儘に、 私という個は陵辱される  寒いよ…暗いよ…怖いよ…厭だ…出して…  此の世に生を受けた者を、己の私利私欲の為に 物同然の扱い。貴方達は、狂っています。 心のない、人間の皮を被った、醜い、鬼です。  お外に出たいよ… お祭りが見たいよ… おべべが着たいよ… おごっそ食べたいよ…  あたしの心は、極限の閉塞の中で 歪んだ宝石になって燃え上がり、凍りつき、 愛することを求めて漂うの。  生きながらにして 悦びを知らず 幽玄の澱で 哀を貪る 夜には嗤い 朝には踊る 暗闇に住まう 妖艶な蟲よ  愛を知ることもない間に 姶を白肌に湛えて  闇を出ることも叶わず 閉ざされた時の涅から  咲いても花に成れぬ悲劇の野草 その身を晒すことは月への戯笑 裂いても離れ得ぬは渾て惑い 闇に融け堕ちてゆく 涅槃まで
曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
がいながてや陰陽座陰陽座瞬火瞬火おぉいちにぃの、さんよいどぉ… おぉとろっしゃぁ どげながぞ がいながてや  ええろ、ええろて 皆ゆうちょらい まだ若いがに しゃんとしちょらい  右上がりで 飛んで跳んで舞って てやてやてやてや 好きながてや 歌唄うが  新しい夜が明けて 仄めきだす宇宙 がいながてや 明日の真ん中では 光浴びて泳いでいたいよ  嘘やないちや まっこと がいながてや 下手の横好きこそ物の上手  右回りで もうて儲けないわい てやてやてやてや 止めれんがよ 音紡ぐが  新しい夜が明けて 仄めきだす宇宙 がいながてや 明日の真ん中では 光浴びて泳いでいたいよ  おぉいちにぃの、さんよいどぉ… おぉとろっしゃぁ どげながぞ がいながてや  新しい夜が明けて 仄めきだす宇宙 がいながてや 明日の真ん中では 光浴びて泳ぐ  真新しい世が明けて 輝きだす宇宙 がいながてや 水の元のほとりで 光浴びて咲くや此花が
式を駆る者陰陽座陰陽座瞬火瞬火荒ぶる闇の蠢き 其れは時媚鬼の所作り 近付く謀りの蟲毒 彼は醜き驕り  深い邪にまみれた 血みどろの業 虚に流し込めども  今式を打つ 撫でた護符を塗り潰し 其の時を待つ 罪穢れの澱みを着せて  果てなき夜の導き 其れは餌食の虚耗 凍てつくばかりの孤独 此が邪道の報い  無惨な繰り言に 耳を貸しながら 無漏の閾値を探る  今式を打つ 撫でた護符を塗り潰し 其の時を待つ 罪穢れの澱みを着せて  折しも限りの月を 叢雲が呑み 卒塔婆を彩る花は 夜風に揺蕩い  今式を打つ 撫でた護符を塗り潰し 其の時を待つ 罪穢れの澱みを着せて
鼓動陰陽座陰陽座瞬火狩姦其の瞳を 開いた夜 此の手に 誓った 彼の背を 超える力 己が 裡に 在りやと  春には 喚起を噴き 夏には 怠り 秋こそ 就けんと起ち 冬に 見切り戯ける  諧声も 全に擦れて 通り過ぎる 嘆声は 雨に濡れて 湿る 木霊  空に臨まば 揺れる 撓に 歪む心を 蒼き鼓動で 裂ける胸 観じて  東 朝を迎え 西から 帆を出し 南の 風の吹子 北に 明日を眺める  内命は 折に触れて 魂責める 大兄の 詭謀 除けて 手繰る捷路  空に臨まば 揺れる 撓に 歪む心を 蒼き鼓動で 裂ける胸 観じて  此の鼓動が 突き上げる 錯れる 乱り胸 観じて  空に臨まば 揺れる 撓に 歪む心を 蒼き鼓動で 翔る胸焦がして
桜花ノ理陰陽座陰陽座瞬火瞬火春つ方天空の彼方に暈けて 垣間見ゆ一片の秘めた意図  明日の見えぬ頽廃の渦中で 洞ろな雲は散り落ちて 深い闇を根差す  桜花の花弁の薄闇にて 逢見ゆ人知れぬ蜘蛛の糸  鹹草のごとく生くる力 憂き世の蜘蛛は地に落ちて やがて巣を廻らす  今 狂い咲きの桜の下では 泡沫の紡糸 夢の淵で佇むあの日の 忘れかけた理  春つ方天空の彼方に暈けて  今 狂い咲きの桜の下では 泡沫の紡糸 夢の淵で佇むあの日を 邂逅すれど独り  されど今 狂い咲きの桜の下では 泡沫の紡糸 夢の淵で佇むあの日の 運命られた理
百の鬼が夜を行く陰陽座陰陽座瞬火瞬火・招鬼(百鬼)夜闇を切り裂いて 有象無象の異形が (百鬼)練り歩く月一度の 我が物顔の鹵簿  蝕え尽く京の都に 哀れに横たわる骸 この世に残した怨み 幾許か晴らさんと  月が燃え尽きた天の火の 赤と黒の下 溢れ出した百の鬼が 我先と夜を行く  (百鬼)天変地異の前触れ 己が所業の代償 (百鬼)逃げ出す事も叶わず あれよあれよの頓死陰陽の狭間から 響き渡る笑い声 あの世で結んだ契り 永久に忘れじと  月が燃え尽きた天の火の 赤と黒の下 溢れ出した百の鬼が 挙り夜を行く 闇が踊り出す巳の日の 弥生の空には 溢れ出した百の鬼が 我先と夜を行く  矮小なり、姑息なり 憎き藤原、醍醐の一族 既に亡き者時平に 代わりて屠る子々孫々ども
陰陽座陰陽座瞬火瞬火微睡と眩暈の 騒めきの檻で 堪え難き 亡状に 浮腫む我の躯  賢しく無くとも 魯鈍に非ず 故しの寝糸を 怪しみ創めた  嗚呼 肱の蛆 佯を 照らし出して 深い睡りに 食され眩いて 嫋やいで  昏冥と夜光に 爛れし総身で 掛替えぬ 玄孫を 屠るは 穢の内羅  及びで無くとも 烏滸には非ず 頑愚の戯 過ぐ世は寂れた  紅い 血に怖じ 何時の間にか 誰殺がれて 深い睡りに 食され眩いて 嫋やいで  赫き迄 腐で縅すの 閃く其の目見に泛ぶは 泪  嗚呼 肱の蛆 佯を 照らし出して 深い睡りに 圧されまじと 星を鎖した儘で  沙の誘いに 堕ちる目方に 差し延べて 邀ふ醒に 澱まぬ意志 其の聲を
静ヶ沼陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火仄めく 情の糸を手繰り ささめく 想いに幕を閉じる 常夜 窮み 落つる 眠り 己が 業を 垣間 見ゆ 睡蓮に口付け 静けさに包まれて 穏やかに戦いて 何時の間に 涙溢る 浅き夢の中で 蠢く 迷いの枷を除き  ひさめく 名残の足音に喚く 冥き 水面 映る 影と 月を 道連れ 爪先 伸ばし 震える身体預け 静けさに包まれて 穏やかに戦いて 何時の間に 涙溢る 浅き夢の中で 沈む我が身を  幾重の御霊が 此処よ来たれと 囀り廻り 白き衣の 袂を引きて 深い眠りの 腕に抱かれて 静けさに包まれて 穏やかに戦いて 何時の間に 涙溢る 浅き夢の中で 静けさに噎せ返り 愚かさに戦慄いて 畢の際を 邀える 浅き夢に 深く沈み 声は 遠く 消ゆる
悪路王陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火踏んじがるは土蜘蛛の がったり頭の鬼の倅 勿体振ったり待ったり狩ったりせぬ 時化た ちょんがれ朝廷にゃ服わぬ  (逆行! 逆行! 逆行!)我精の (逆行! 逆行! 逆行!)魂 (逆行! 逆行! 逆行!)堕すらば (逆行! 逆行! 逆行!)潮時よ  ふん縛るは土蜘蛛の ばったり臀部の鬼の汚れ 一切合切伐採獺祭喝采! 陳ねた 雄鶏御宅にゃ取り合わぬ  (逆行! 逆行! 逆行!)我精の (逆行! 逆行! 逆行!)魂 (逆行! 逆行! 逆行!)堕すらば (逆行! 逆行! 逆行!)潮時よ  愚にも付かぬ 駁論を 実しやかに 垂れ流す  其処には無く(無い無い) 此処にだけ在る(在る在る)  絵にも描けぬ 空論を 為たり顔で 仄めかす  其処には無く(無い無い) 此処にだけ在る(在る在る) 何処にも無い(無い無い) 痴めく 姿を 最期に 聢と見届けよ  (逆行! 逆行! 逆行!)我精の (逆行! 逆行! 逆行!)魂 (逆行! 逆行! 逆行!)堕すらば (逆行! 逆行! 逆行!)潮時よ  (逆行! 逆行! 逆行!)我精の (逆行! 逆行! 逆行!)魂 (逆行! 逆行! 逆行!)摩すらば (逆行! 逆行! 逆行!)勝鬨よ
陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座・瞬火醒めた蒼い月も直ぐに 後ろに在る故 抱き締めた儘 銀に染めて 霽れた貌 斎槻の直路 一路に歩かば 唯 此の瞳に映る 風に踊る田菜  詞を弄しても 愛を騙っても 滲み出す汚泥は 隠し切れない 無頼を気取っても 悪を誇っても 捨てきれぬ 真心  醒めた蒼い月も直ぐに 後ろに在る故 抱き締めた儘 銀に染めて 霽れた貌 斎槻の直路 一路に歩かば 唯 此の瞳に映る 風に踊る田菜  左様 己と向き合うことを 恐れ謀る 何かを求むなら 瞳を見開いて  胸の臆で 睡る光 誰でもなく我を羽包んで  醒めた蒼い月も直ぐに 後ろに在る故 抱き締めた儘 銀に染めて 霽れた貌で槻を潜り 一路に歩かば 未だ 此の瞳に宿る 醒め創めた光を 止められない故
梧桐の丘陰陽座陰陽座瞬火瞬火陰陽座朽ちゆく身体を明らめ 終わりは其の眼に緞帳を下ろす 揺蕩う古の生命は 軈て洲の花に混じりて馨る  視界の 闇を抜けて 聞こえてくる  鏘 彼方の星が 朝影に綯う藍を縹に染める 廻り来る渦の羽瀬に 身を任せても 貴方の星が 朝風に舞う埃に姿を変えるだけ 明日の瞬く場所へ  そり立つ胸に 儚げに 呼び返す慧灯の 聲を辿る  梧桐の 丘を越えて 届く光  鏘 新たな星が 戯れの目合で真逆に堕ちる 翳りゆく波の壁に 霊を委ねても 貴方の星が 玉藻に揺らぐ鮎に姿を変えるだけ 明日は渾ての魂に  鏘 彼方の星が 朝影に綯う藍を縹に染める 廻り来る渦の羽瀬に 身を任せても 貴方の星が 朝風に舞う埃に姿を変えるだけ 天空は零れ落ちて 海の同母に還る 明日を携えて 舞い上がれ
麒麟陰陽座陰陽座瞬火瞬火(戒) 忌ましむは妬みと (誡) 猜みの黒い肚 抱き締めても有漏に還る 相容れない水に油よ (金・輪・際 金・輪・際 金・輪・際) 五彩の背に (金・輪・際 金・輪・際 金・輪・際) 触れること罷らぬ  (誨) 老いぬれば駑材と (械) 馬鹿履き違え 毒されても無漏に還る 堪え切れない 醜い阿修羅よ (金・輪・際 金・輪・際 金・輪・際) 五彩の背に (金・輪・際 金・輪・際 金・輪・際) 触れること罷らぬ 行き摩りの宿世と 謳う痴れ者の面を蹴り 天に翔け行く  (金・輪・際 金・輪・際 金・輪・際) 五彩の背に (金・輪・際 金・輪・際 金・輪・際) 触れること罷らぬ (金・輪・際 金・輪・際 金・輪・際) 錦の調べ (金・輪・際 金・輪・際 金・輪・際) 聴くことも叶わぬ
叢原火陰陽座陰陽座瞬火瞬火狂る滾る手縄引き千切り 菖蒲躙る 汚れた其の足で 縢る齧る騙る 源の 卵待たずに 朱雀を離らん咎人が 御庫裏売り捨て戯る 足音まで盗人の禍 (貪) 只 飼はいた 掠ふ胸に畏れるならば 惟 乾いた 風吹く迄 叢 彷徨う  祟る吐る 玉綿撒き散らし 危めたるや ごの上粗相をす 傾る流る 鉛の水面向け 滓を放出 孔雀追はふ宿無し女は 御国売り棄ち爛る 彼の土間で転人の眼が (貪) 只 飼はいた 掠ふ胸に畏れるならば 惟 乾いた 風吹く迄 叢 彷徨う  只 飼はいた 掠ふ腕に懼れるならば 惟 乾いた 風吹く儘 叢 呻吟ふ
飛頭蛮陰陽座陰陽座瞬火瞬火涸れた心に宵闇 様になるのは恋時雨 嗚呼 今宵は ぢっと待ってみょうわや 呉れた假文の行方は 哀れ厠の涅の中 嗚呼 未練の汚物塗れ 間抜け面した出涸らし男 昨夜限りで袂を分ち  蒸れた番の芋虫 邪魔になるのは蝉時雨 嗚呼 此の儘 廓通いしょうかの そんな場合じゃ ありゃしねえ 儂のかかあは何処行った 嗚呼 散々泣き暮らす 甲斐性なしの兵六玉よ 疾うにあたしは他し男と 西へ  胴からもげた旦那の頸が 或る日ちょこなんと 垣根でにたり 挑みかかるや裾からもぐり 癪に障わって 直ぐ蹴り飛ばし
陰陽座陰陽座瞬火瞬火黒雲を其の身に纏い 丑三つに囀る 其の闇は正に黒い 兇事を山と帯びる  鳴弦の乾いた音に 幽かに混じりて 魂を 喚ばい戻す 寂しげな聲が游ぐ  頤を 風に乗せて 晒し上げる 此糸朱を奪う 剥き出しの肝を撫で付け  鵺が嗤う 鵺が唄う  「不気味に光る其の目を潰し 奇っ怪なる身体を 膾と切り刻んでも 残念乍ら無益なり。 それはぬえでは御座らぬ。」   人に隠れた鬼子の末期 着切る衣でふらふらと 里に紛れた女子の枕 穢も哀とてはらはらと 谷に焼かれた夜盗の弥次は 窟破りてやれやれと  泡沫水泡の折しも消ゆる間際 茜に射し込み 眩れ逝く 我を詰る  泡沫水泡の折しも消ゆる間際 尸を鎖し籠み 真柴に 我は染まる 真柴も 朱に染まる  鵺が嗤う 鵺が唄う 鵺が踊る 鵺が噎ぶ
舞いあがる陰陽座陰陽座瞬火瞬火寄辺無い時も 遣る瀬無い時も あんたが望むがやったら 二度と無い刻に 悔い残さんよに わたしが翼あげらい  くらくらするような 未曾有の幕てや ちょい しゃがんだち もう止まれない  すわ舞いあがれ 同じい時代 胸に抱いて 誉れらい すわ舞いあがれ 違う声 響かしたら 唄えらい 明日の方に向けて  幽かな息吹が 萌えるがやったら 翔べる時が来らいじゃい  ふらふらしよるが なら肩貸しちゃらい しょい(こな) 拝んだち もう戻れない  すわ舞いあがれ 同じい時代 胸に抱いて 誉れらい すわ舞いあがれ 違う声 響かしたら 唄えらい 明日の方に向けて  すわ舞いあがれ すわ舞いあがれ  すわ舞いあがれ 同じい時代 胸に抱いて 誉れらい すわ舞いあがれ 違う声 響かしたら 唄えらい 明日の方に向けて  すわ舞いあがれ 同じい時代 胸に抱いて 誉れらい すわ 今 舞いあがれ 翔る夢 投げ出したら いけんがぜ 忘れんとってよ
鳳翼天翔陰陽座陰陽座瞬火瞬火朝に醒めた顰む征野の白き乙女 瑞の小佩堅く結びて撓に立つ  浅葱褪めた澱む 遠夜の藍に沈む 失われし皹る吾が手を包む光よ  暁夢見し蒼き焔纏う鳳が 生の園まで舞い上がる  翠絶えし大地にも 堕ちた天にも 五色の翼掲げて 羽に湛えた慈しみ 渾ての魂に 与えてそだたく  暁夢見し蒼き焔纏う鳳が 生の園まで舞い上がる  天明を邀えた 梧桐の丘から 鏘鏘と鳴く聲が届いたら  紅月燃え逝く斯かる星の 天空を惑う 幾億の魄霊を明き心で束ねて 生と死の理を 来世に伝えて舞い上がれ
わいら陰陽座陰陽座瞬火瞬火木葉鬼 裾廻に群れて 騒騒と嘲罵の礫 (泥) 外野の雑怨を 捻り潰す程の 熱い魂に気付かぬ 戯け者ども  此の羽織 汝が着せた 破落戸が知らずに 脱ぎて落ちた (泥) 外野の雑怨を 捻り潰す程の 熱い魂に気付かぬ 戯け者ども  (泥) 外野の雑怨を 捻り潰す程の 熱い魂に気付かぬ 戯け者ども 目には見えぬものを 信じられぬ程度の 欠痴な魂は 此処には無いのだ戯け
目々連陰陽座陰陽座瞬火瞬火深い深い紫黒の淵の底 迷い紕う無限の十九路 未だ叶わぬ 威霊の一手 立ち竦む我を射る 無数の目  冥い冥い意識の掃溜めに 藻掻き足掻く 己の生骸 未だ見果てぬ 神への路 鈍色の絶望に嚥下さる  白と黒の魔宮 是と非に無い真理 昼と夜を反し 罪も功へと 遠い遠い錦の小宇宙 墜ちて堕ちる戯言に続く洞 未だ弊えぬ 深奥幽玄への憧憬 天元に佇む 我を視る居る 診る射る看る 無数の目
妖花忍法帖陰陽座陰陽座瞬火瞬火咲き乱れる爛漫の 沁み返る香は 罌粟の花  密園に蠢く眩暈誘う四肢は 熟れ切らない 仄かなる魔性  褥に落つる影絵は 振り返る肌 妬け野原  讌にさざめく愚妹な欲望を 止められない 高鳴る魔鐘  妖かしの花 乱れ咲く宵は 魔的で虚ろな悦楽さえ 嗚呼 私の羽に垂れた腐れと 然して淫らな拝謁に 飲み干されそう花 散り行く運命に 乱れ舞いて 抗えど 烈しく咲く程 虚しく散り行く 憐れぶ声も無く  妖かしの花 乱れ咲く宵は 魔的で虚ろな悦楽さえ 嗚呼 私の羽に垂れた腐れと 然して淫らで嫋やかな 排泄に押し流される 今も
百々目鬼陰陽座陰陽座瞬火瞬火烟景の霞の嶺 玉響に心襲う 魔の刺したる間隙 千篇が一律皆 悉く余人の功 のさばりし茶番劇 底に満ちた偉功を 這いずり舐める その仕草 その手には幾ばくの望み  混沌の祭は今 荒れ果て路頭に迷う 移ろわぬ偶像と 掌握した栄光は 手垢でどす黒くとも 満面のしたり顔 底に満ちた偉功を 這いずり舐める その仕草 その手には幾ばくの望み 己も うぬらも 限りない先人の形見を 囓りて 舐りて 明日を生きる餓鬼の群と知れ 堆く積もり 流れ落ちる どどめき  底に満ちた偉功を 這いずり舐める その仕草 その手には幾ばくの望み 己も うぬらも 限りない先人の形見を 囓りて 舐りて 明日を生きる餓鬼の群と知れ 堆く積もり 流れ落ちる どどめき
空蝉忍法帖陰陽座陰陽座瞬火瞬火朽ちた櫁を抱いて 紅い涙は零れ 剥き出しの爪先で 虚空を掴めば 心さえ 闇の淵に溶かしたの 名前さえ 甘い夢に泡と消えるの  堕ちる大廈の影に 蒼き迦毘羅と見ゆ 張り裂けた激情が 私を包んでゆく 心さえ 闇の淵に溶かしたの 名前さえ 甘い夢に泡と消えるの  空蝉の行く先は 虚無が眠る沼 心さえ 闇の淵に溶かしたの 名前さえ 甘い夢に泡と消える 躰さえ 夜の雨に流したの 名前さえ 熱く燃ゆる臆に匿して
土蜘蛛忌譚陰陽座陰陽座瞬火瞬火其の身を光刺さぬ闇に葬り 只静かに刻を待つ 爛れた 其の面の皮の奥では 深い劣情が燃える 寒し熱し 痛し痒し 声も出せぬ 孤独な土の中は 臍噬む努の欠片 冷たい土を食みて 繋いだ明日の戸片  仄見ゆ公方に順う安寧 振り払いて徳と為す 縮れた見るに耐えぬ 下卑た躰 忌むべき心を映す 饑るいだけ ひもじいだけ 吐息青く 孤独な土の中にゃ 届かぬ夢の欠片 冷たい土を食みて 繋いだ明日の戸片 朽ちてゆく誇りさえ 滔滔と時間は流れて 沸き上がる其の焦燥から 己が住処を求め惑う  毛むくじゃらの脚が 醜い脚が しなしなと震えて 躙り寄って来る  丸々と膨れた ぶよぶよの腹 孕み子が餓えて 人を喰ろうたか  土 (地蜘蛛 穴蜘蛛) 蜘蛛 (袋 腹切り) 忌む (侍 ねぬけ) 唄 (ずぼずぼ 勘平 嫌だ 厭じゃ)  哀し虚し 憎し悔し 何も見えぬ 孤独な土の中は 臍噬む努の欠片 冷たい土を食みて 繋いだ明日の戸片
蠎蛇万歳陰陽座陰陽座瞬火招鬼・瞬火ほら憂いも病もみな 玉の箒で掃き捨てる 赤い眼の同腹が 虫の息にて蛸踊り 飲めど飲めど酔いはせぬ 当に蠎蛇 (万歳!)  あら綺麗も嫌いも無く 今宵の酔いに酔いしれる 座り眼の娘らに 冷い視線を投げられても 酔えど酔えど沈みゃせぬ 此ぞ蠎蛇 (万歳!)  (飲め! 飲め! 飲め! 飲め! 飲め! 飲め!)  空見上げりゃ御天道様 今日も明日も明後日も 蠎蛇万歳!
浸食輪廻陰陽座陰陽座瞬火瞬火蓮華台に座り うつらうつら念う 我の朽ちた後は 灰と塵の吹き飛ぶのみか (廼 廼 廼) 前世の記憶 (廼 廼 廼) 今際の追憶 (廼 廼 廼) 末期の家屋 (廼 廼 廼) 輪廻の日記  夕べ喰ろうた魚は 明日の我が身かと 世捨て人になれど 死の影から逃れはできぬ (廼 廼 廼) 前世の記憶 (廼 廼 廼) 今際の追憶 (廼 廼 廼) 末期の家屋 (廼 廼 廼) 輪廻の日記  蟲は魚に 魚は鳥に 鳥は獣に 獣は人に 人は鬼に 鬼に喰われ 仏になるか 蟲に生まれるのか  (廼 廼 廼) 前世の記憶 (廼 廼 廼) 今際の追憶 (廼 廼 廼) 末期の家屋 (廼 廼 廼) 輪廻の日記 (廼 廼 廼) 此の世に生まれ (廼 廼 廼) 彼の世に還る (廼 廼 廼) 廻りて巡りて (廼 廼 廼) 浸食輪廻
火車の轍陰陽座陰陽座瞬火瞬火風が猛る虚空を抜けて 死者を攫い何処へ消える  羅袖はためき裂けて 呼ぶ声も遠く闇に飲まれた  葬斂の跡は 火の轍 弔いを焦がす  雨に濡れる五月雨の午后 引き裂かれた儕の許  逆巻く風に煽られて 呼ぶ声も遠く闇に飲まれた  葬斂の跡は 火の轍 弔いを焦がす  驀地に駆ける 火の轍 焦熱の葬車
窮奇陰陽座陰陽座瞬火瞬火目障りな醜貌が 吐き出すのは美辞麗句  疾風の刃 精神求めて 真芯に立てるとも 紅蓮の空に 晒されるのは 己の貌  肉を斬る偽りと 骨を断つ労りを  疾風の刃 精神求めて 真芯に立てるとも 紅蓮の空に 晒されるのは 己の貌  止めどなく溢れ出る 魂の冥い叫び  疾風の刃 精神求めて 真芯に立てるとも 紅蓮の空に 晒されるのは 己の貌
烏天狗陰陽座陰陽座瞬火招鬼・瞬火山薊 踏みさくみ我行く 円い天道がかんかん照りつける 獣道 悪しき夢の途中 惑う魔道を真逆に舞い降りる  およしよしよ可愛い御稚児 坊やを攫うて行こう  天を駆け廻る翼の戯る音は 時も捩じ曲げる 肱を 強いて取りて連れる前兆と  山颪 鬼灯に頬摺り 空にゃ何時しかぽっかり御月様 月明 我を照らしもせぬ 過ぎる余念は夜霧を呼び止める  おこれこれよ可愛い御稚児 娘ちゃを連れて帰ろ  天を駆け廻る翼の戯る音は 時も捩じ曲げる 肱を 強いて取りて連れる前兆と  天を駆け廻る翼のはためく音は 時も飛び越える 遊戯を 誣いて愚りて告げる調べと
陽炎忍法帖陰陽座陰陽座瞬火瞬火終わりなき破戒の咎 棕櫚に汚泥を塗りたくる 伽藍堂の苑には 噎ぶ声が轟く  其れは慙死の思いと 此は讒毀の報いと 彼は陽炎の刹那に 淀みゆく只一片の靨  陽炎忍法  心無き所業の果て 揃い集う罪人ども 鶯に啼く声は 黒き冥府に呑まれ  其れは慙死の思いと 此は讒毀の報いと 彼は陽炎の刹那に 淀みゆく只一片の靨  陽炎忍法  其れは慙死の思いと 此は讒毀の報いと 彼は陽炎の刹那に 崩れゆく只一片の靨
牛鬼祀り陰陽座陰陽座瞬火瞬火嗚呼 海潮に乗りて 届く幽冥の声  嗚呼 雲居の彼方 融けて混ざり消え逝く  今宵 贄の宴や 来たれ 乙女 我を満たさん  小袖の時雨は 現世の未練と 又選られ逝く 寝覚む残花への手向けよ  天つ風 雲の通ひ路 吹き閉ぢよ をとめの姿 しばしとどめむ  世の中は 常にもがもな 渚漕ぐ あまの小舟の 綱手かなしも  忘られぬ想いを 胸に抱いて 黄昏る波間を望みて いざ逝かば  今宵 贄の宴や 眠れ 乙女 我は満ちたり  小袖の時雨は 現世の未練と 又選られ逝く 寝覚む残花の手向け  別離世の唄は 満つ潮に呑まれて 雲居の遥かに 融けて混ざりて消えるまで
羅刹陰陽座陰陽座瞬火瞬火寧悪なる貌形 闇に紛れて 怨み辛み纏いて立つ 静寂なる真秀ら場 酸鼻を極め 月の貌も朱に染まる  暴 憎 念 血達磨の族 呪いを込めて 烙印 押さるる鬼は  忘れじの追儺と紊る汚吏の流れ 聯亘の罪 連れを枕かれ 手くろもの相応の拷を以ち贖え 淵謀の荼毘 怨は絶えぬと  啓白する内憤 神に疎まれ 継ぎの吾子も呆気に縊れる暴 憎 念 火達磨の族 救い求めて 経絡 突かるる餓鬼は  忘れじの追儺と紊る汚吏の流れ 聯亘の罪 連れを枕かれ 手くろもの相応の拷を以ち贖え 淵謀の荼毘 怨は絶えぬと  暴 憎 念 茹だる魔の嬰児 挿げる鬼殿 脈々 続く蛇道は  忘れじの追儺と紊る汚吏の流れ 聯亘の罪 連れを枕かれ 手くろもの相応の拷を以ち贖え 淵謀の荼毘 怨は絶えぬと
陰陽座陰陽座瞬火瞬火閉ざされた視界を 詛いでこじ開けて 隠された欺瞞を 白日に晒し上げ  此の胸の胎芽は 迸る炎と 今 煌を放つ魔魅へと 腫れ上がり輝き出す  込み上げた想いを 思う様吐き出して 振り上げた拳を(鉄槌)叩き付けろ  此の胸の胎芽は 迸る炎と 今 煌を放つ魔魅へと 腫れ上がり輝き出す  閉ざされた視界を 詛いでこじ開けて 隠された欺瞞を 白日に晒し上げ  心の裡で響く英霊の詞  其の胸の怪訝は 軈て来る淘げと 今 煌を放つ魔魅へと  此の胸の胎芽は 迸る炎と 今 煌を放つ魔魅へと 腫れ上がり輝き出す
朧車陰陽座陰陽座瞬火瞬火青ざめた水面に映る月が 朧気に揺蕩い乍ら  浮雲の如き空蝉の身は 漫ろはし想いを手操る  彼方に目掛けた 虚ろな詞に 灰と塵を浮かべて 無明の明日へと 遍く全てを 抱き締めて 舞い上がる  風よ 空よ 未だ見ぬ異郷に聳える彼の闇を 突き抜けて行け  彼方に目掛けた 虚ろな詞に 灰と塵を浮かべて 無明の明日へと 遍く全てを 抱き締めて 舞い上がる  風よ 空よ 未だ見ぬ異郷に聳える彼の闇を 突き抜けて行け  雨よ 雲よ 何時の日か此処で朽ち果て消えゆるとも 躊躇いはせぬと
おらびなはい陰陽座陰陽座瞬火瞬火せいや そいや はいや てやてやてやてや せいや そいや はいや てやてやてやてや  おぉれやめぉ みんながいなわい (がいな) せしかましいがに よもだもいわんと つばえてくれよらい (礼) めんどしいこと ひとっつもないてや (やあ) もっともっと ちばけてええけん (さぁ皆さんご一緒に)  手を ぎゅうと握り 腕を 高く伸ばし 胸に息吸い込んで 見えるがまま 思うがまま 感じるそのまま 叫ぶ声を もっと もっと 聞きたい (ほい)  おぉれやのぉ まっことがいなわい (がいな) むつこいわいて よもだもいわんと つばえてくれるけど (まだまだ) おらびなはい (おらびよらい) おどりなはい (おどりよらい) まだまだ まだまだ ちばけてええけん (懲りずに皆さんご一緒に)  手を もっと握り 腕を もっと伸ばし 胸に もっと息吸い込んで 見えるがまま 思うがまま 感じるそのまま 叫ぶ声を もっと もっと聞きたい (ほい)  せいや そいや はいや てやてやてやてや せいや そいや はいや てやてやてやてや  見えるがまま 思うがまま 感じるそのまま 叫ぶ声を もっと もっと聞きたい 見えるがてや 思うがてや 感じよるがてや もっと おらびなはいや  せいや そいや はいや てやてやてやてや せいや そいや はいや てやてやてやてや  てやてやてやてやてやてやてやてや
跫音陰陽座陰陽座瞬火狩姦・瞬火岨 背で聴いたは 顛躓の兆し 此は 己が負い目を 煎じた谺 追い縋る 幻を 遣り過し乍ら 燃え盛る 企みも 縁へと変えて すわ 我を呼んだは 天地の族 其は 物が乞目を 転じた隙間 追い縋る 幻を 遣り過し乍ら 燃え盛る 企みも 縁へと変えて  追い縋る 幻を 遣り過し乍ら 燃え盛る 企みも 縁へと変えて 躙り寄り 転がる疑心の玉 耐え難きうねり 忍び難き音  Oh... Oh... Oh... Oh... Oh... Oh... Oh... Oh...
月に叢雲花に風陰陽座陰陽座瞬火瞬火謦が囁いている 翳りの淵は身悶える 時が轟いている 路傍の人は行き過ぎる  啓示の月が夢に舞う 一瞬の刻を 花に生まれて甘に咲いて 慶事の月が雨に啼く 一瞬の刻を 雲に焦がれて風は凪いで  末那が揺らめいている 滾りの韃は翻る 澱が蠢いている 返しの前に短くなる  啓示の月が夢に舞う 一瞬の刻を 花に生まれて甘に咲いて 慶事の月が雨に啼く 一瞬の刻を 雲に焦がれて風は凪いで  華やいだ虚飾の風の宿りから 雲の切れ間仰ぎ謳う  啓示の月が夢に舞う 一瞬の刻を 花に生まれて甘に咲いて 慶事の月が雨に啼く 一瞬の刻を 雲に焦がれて風は凪いで 啓示の月が夢に舞う 一瞬の刻を 花に生まれて甘に咲いて 慶事の月が雨に啼く 一瞬の刻を 雲に焦がれて風は凪いで
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