ホープ

流し台の水垢が 不摂生な生活を
起き抜けの僕にだけ そっと警告してる
寝癖も直さないまま 手に取るマッチとホープ
煙まみれで作る珈琲 欠伸も混ぜて

「物が少ない部屋だな…」と 笑われてしまうけれど
つい考え過ぎてしまう癖が 染み付いてるだけだろう

バイト先まで15分 出会いなどは無いけれど
ポケットには気休めの希望 小さなホープ

ゴミ袋をあさる猫 横取りを狙うカラス
これとよく似た事を 今朝のニュースで見たな
コンビニの灰皿まで 火種が続いたホープ
足取りがまた少し 速くなってきたかな

「代わり映えの無い日々だぜ…」と 同僚の愚痴を聞く度
面倒な奴だと思う僕は どんな顔をしてるだろう

大金を叩いてまで ギャンブルはしないけれど
懐にはちょうどいい希望 小さなホープ

「物が少ない部屋だな…」と 試すように笑いながら
声に出してようやく気が付いた ただの怠け者だなと
「代わり映えの無い日々だぜ…」と ついでに愚痴を零せば
「何やってんだ…」と言葉が続き とうとう拳を握る

「とりあえず…」と呟いて ペンとノートを取り出す
そんな僕にささやかな希望 小さなホープ
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