地下室のメロディー

階段を降りると淡い光線(ひかり)が
命のようにまっすぐに伸びていた
地下室の酒場は人があふれ
煙草の香りと ときめきが満ちている
悲しみの数だけ乾杯はくり返され
まるで運命(さだめ)のそのように俺と君は恋におちた
バンドは“出逢い”というメロディー奏でながら
オールナイト 一晩中スウィングしていた

妖しい貴婦人(マダム)は綺麗な少年ひきつれ
秘密の手ほどきをしている
明日をも知れない いなせなジゴロは
ポケットの愛を安売りしている
淋しい人々(ひと)は虚しく祈り
俺と君はささやきのその中で泣いていた
バンドは“孤独”というメロディー奏でながら
オールナイト 翔ぶようにスウィングしていた

階段を昇るとドラマも終り
狂った夜の果て 靴音が響いている
地下室の酒場はあの頃と同じ
ワインの香りと笑いが満ちている
急ぎすぎた青春に傷ついて
まるで運命のそのように君さえも去ってしまった
バンドは“別離(わかれ)”というメロディー奏でながら
オールナイト 悲しげにスウィングしていた

バンドは“別離”というメロディー奏でながら
オールナイト 悲しげにスウィングしていた
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