亘理の冬

白い浜辺をひとり歩けば
泣いてくれます亘理の砂が
蔵王おろしか舞う風花(かざはな)か
遠くかすんでにじみます

愛は突然にガラスの器のように
もろく傷ついてこわれて消えた
生きれば悲しみ増えるだけですか
わたしの明日はどこですか

髪も凍えるわたしの先に
光りまぶしい鳥の海

あの日あの人は心を変えてしまった
ふたり積み上げたすべてを捨てて
教えてほしいの阿武隈の川よ
別れの理由を今すぐに

いつか春が来て桜が空をそめても
ずつとこの胸はあなたを待つの
ヒュルヒュルヒュルルと風が吹こうとも
せつない涙はかわかない
もう二度と…
×