キレナイナイフ

くもる窓ガラス 拭うとキミが見えた
凍える目をした ボクと言うキミがいたんだ

何十回 何百回 誤魔化しただろう
もうキミにサヨナラ

切れないナイフを 胸に押し当て
ボクは叫んだ 何度も叫んだ

ボクは勇気を 確かめるように
ふるえながら 胸の傷をなぞった

キミは正直で ボクは臆病者で
でも生まれ変わる それは遅すぎはしない

きのうも あしたも 見分けつかないって
そうキミは泣いてた

誰かのために 歩く道なら
たぶん上手に歩いて行ける

だから迷ったり 立ち止まったりして
夢の地図を 何度も描き直した

ズルくなってしまう 大人になるたび
背が伸びるたびに 遠くが見えるようになって
なんか あきらめてく

ボクは器用に ボクは不自由に
切れないナイフで 夢刻むけど

胸に突き刺し 鼓動確かめる
自分自身を 欺いたりはしない

サヨナラさ… ボクはキミをきっと乗り越えてくよ
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