白もくれん

春遅き庭に 白もくれん
惑う私の 心の色
哀しみの束 ほどいてみる
亡き人想う しみじみと
拭わぬ涙が こぼれて咲く

十六夜(いざよい)の月 雲の絶え間に
心の殻を ぬぎすてる
心細さに 仰ぎみる空
淡き光が 闇をてらす
夢叶えんと 我に誓う

惜しむ間もなく 散る花は
香り高く 凛として
思いはせるは ふるさとの母

咲いて 咲かせて 命つきるまで
×