薄幸花

捨てて逃れた 故郷でも
離れてみれば 恋しいものよ
生きる のぞみを 分けあった
あなた今では 遠い 遠い人

人を待つのは 辛いもの
待たれているのは 尚、辛い
待ちも 待たれも しない身の
ひとりぼっちは 泣ける 泣けるだけ

野辺の名もない 花よりも
幸せ薄い 私のいのち
どうせ この世の 旅路には
こゝろ休める 宿も 宿も無い
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