18才の彼

18の彼は
とても美しく逞しく
ふたりが出逢った
夏の日のように 煌めいてた
笑顔で私にそっと近付いた
そのときに
なんだってしたわ
そう彼を誘うためならば

18の彼は
そのわがままさえ武器にして
映画のシーンを
真似するみたいに 抱きしめた
甘いささやきも知らなかったのね
私はただ
彼の肩越しに
ひろがる蒼空 見ていたわ

服を着るときに
私は孤独になっていた
「悪くなかった」と
無邪気に笑って 去ってゆく
彼のその背中を
なにも言わないで見送った
そして髪を直し
マスカラを入れる いつもどおり

忘れてただけよ
ちいさな鏡に映ってる
18の倍の私の齢を
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