霧の土讃線

旅の出逢いも さだめでしょうか
あれは霜月(しもつき) かずら橋
燃えて燃えて 燃えて紅葉(もみじ)の紅より赤く
命までもと 染めた恋…
おもいで訪ねて 今日また暮れて
影もやせます 霧の土讃線

剣山(やま)のけむりか 男のこころ
風の吹くまま 七曲(ななまがり)
待って待って 待って忍んだ春夏秋を
水に流して 冬支度…
夕陽のしずくに 泣きぬれながら
きのう琴平(ことひら) 明日(あす)は土佐山田

谷の瀬音に ひよどり啼(な)けば
旅も終りの 無人駅
泣いて泣いて 泣いて忘れて出直す朝に
馬鹿ね やっぱり女です…
帰りの切符を 買ってはみたが
寒い逢いたい 霧の土讃線
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