夜の奥底

汚れのない水に
墨を落として
滲んでゆく黒を
見つめ
胸をざわつかせる
不安と焦燥
何故
こんなにも心を
震わせるのでしょう?
確かに
忍び寄る闇
満ちる静寂
あなたの声は
もう届かない

渦巻く感情に
絡め取られて
瞳からこぼれた

刻み込まれていた
理性と常識
壊して
解き放たれてゆく
声なき声たち
喉の奥をかすめ

これはわたしの
涙でしょうか
これは誰かの
願いでしょうか

雑ざりあう色
重ね重ねて
いつしか黒に
染まってゆくの
そして全てを
覆った闇は
わたしの罪も
隠してしまう

夜の底
奥へ 奥へ
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