バラの谷から-民草の歌

森は毎日生まれ変わる そんな風にすべて時の流れが
説き明かしてくれるから 今日も生きて行けると
男はかみしめる様に言った

その男はフィドラー
誰もが心の湖に 沈ませた想いを 道づれに
酒場から 酒場へと さまよう

歌は人から人へ伝えられる それが禁じられた歌であっても
人は小声で口ずさみ 国をも越えて育ち行く
牧場を流れる風の様に

その男はジャグラー
命綱はいつもつけずに 人々を笑わせる 黒い瞳
街角の 片隅に たたずみ

ウラルを越えてやって来た ボルガを越えてやって来た
ドナウを越えてやって来た バラの谷からやって来た

その男はフィドラー
誰もが心の湖に 沈ませた想いを 道づれに
酒場から 酒場へと さまよう

ウラルを越えてやって来た ボルガを越えてやって来た
ドナウを越えてやって来た バラの谷からやって来た
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