銀の橋

夕闇影になる橋を見ていた
届かない場所へ渡れるはずの

自転車を乗り捨てて時間を止めていた
動かない雲から冬枯れの光
このままじゃダメなのにこのままでいたくて
淡い陽射しの中 いつまでも立ってた

川辺に吹く風に身を竦め
夢を語ろうとしてみた
だけど言葉になるものなんて
どこにも持ってなかった

夕闇影になる橋を見ていた
届かない場所へ渡れるはずの

水面に揺れる月にふいに素直になる
聞こえない歌にそっと耳を澄ませた
明日出会う誰かと解り合える気がした
その為に一人待っていたんだと

誰もが探してる幸せは
みんな違う形をして
ふいに伸ばした手を掠めてく
輝きだけを残して

夕闇影になる橋の向こうに
届かない場所が手招いている

どんなに遠くへ行くときも私を連れて行って
ずっと昔の約束の中へ連れて行って

暮れて行く空の最後の光
届かない場所が手招いている
夕闇影になる橋を見ていた
届かない場所へ渡れるはずの
渡れるはずの………
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