姫事

あなたの指令に従って、あなたの望みを叶えてきた
あなたの思想を迷いもせず、この世界に解き放ってきた
その十本の指と
たった一つの口

あなたのトキメキの火種、尽きる時まで燃料を燃やす
あなたのキラメク希望の扉、時には雨、心洗い流す
命奏でる心臓と
真っ黒な二つの目

私はそんな彼らよりも、側に行くことができますか?
私のこんな気持ちはどんな役割を果たすのでしょうか?

サヨナラを一層寂しくさせる、色もない影の立役者
あなたそのものに価値も付けず、ただの現在をそこに知らしめる
自由主義者の風と
現実主義者の鏡

私はそんな彼らよりも知り尽くすことができますか?
駆け巡る赤い液体は心臓を壊しそう

青に染まらぬ太陽と
黒に飲み込まれない月

私はそんな彼らよりも唯一のものになれますか?
私の持つ光はどんな役割を果たすの?
私はそんなあなたよりも必要なものがありますか?
駆け巡る赤い液体は速度を速めていく
私はそんな彼らよりも側にいくことができますか?
私のこんな気持ちはどんな役割を果たすのでしょうか?

これはほんのヒトリゴトで
人に話すまでもなく…
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