小雨の終着駅

二人旅なら君となら
雨の夜汽車じゃ来ぬものを
春も終り、戀も終りの終着驛は
思い切れとて暗いホームに花が散る。

思い切れぬを思い切る
男ひとりの旅の果て
握り締め、汗のにじんだ、片道切符
薄い灯影で見ればしみじみ雨も泣く。

恋に二つはないものを
君に二人はないものを
別れ来つつ、雨に濡れつつ諦めごころ
抱いて他國の町に消えゆく男顔。
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