国境の船唄

磯の千鳥か 身は浮舟の
夢もかなしや 荒波まくら
あゝ国境の
国境の港の灯り
燃えてしみゞ 誰をまつ

月のデッキに 飛沫(しぶき)を浴びて
見れば果てない 千里の潮路
あゝふるさとの
ふるさとのあの娘(こ)の便り
抱けば瞼(まぶた)が 熱くなる

暗いランタン 酒場は更けて
醉えば未練な 別れのグラス
あゝ嵐よぶ
嵐よぶ男の胸に
汽笛鳴らすな警備船
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