陽だまりの仔猫

きっと憶えてる 君とつないだ手
あれは 無邪気な記憶

高い屋根の上に立って
見る景色がとてもすきなの
潮の香り 風 町 全て
ほどけてしまいそうよ

雲の影がゆらり流れ
このままそっと時を止めたい
誘われるまま 目を閉じて
うたたねしてる仔猫

そっとしておいて どうか起こさないで
今はつかの間の眠り…

光に抱かれる 穏やかなひととき
幸せの夢見ながら 陽だまりに溶けて

誰もいない 時の隙間
古い本と埃のにおい
名前のない午後 寄り添って
おひるねしてる仔猫

赦しあえる ゆだねあえる
そんなことに泣きたくなっちゃうよ
自分以外の寝息を感じていると
ねえ 胸に光 充ちてゆく

そっと撫でていて 優しい手のひらで
今は泡沫の日々を…
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