砂を掴んで立ち上がれ

白昼
馬鹿に景気良く打ち上がる花火は
色がない 味気もない じゃ
やってられるかよ
だが
虚しくなって足を止めるな
腐ってちゃ進まねえよ
砂を掴んで立ち上がれ
喰らわせてやりな

白昼
黒い石つぶて
物陰の悪意は
顔がない 姿もない じゃ
話になるかよ
ほら
悲しくなって絶望するな
泣いてちゃ分からねえよ
砂を掴んで立ち上がれ
喰らわせてやりな

真っ黒な口を開けている
憎しみの墓穴
錆びた空洞が鈍く光っている
微かに震える大地に
膝をつき息を切らしては
あふれそうになる何かに耐えている

「ちくしょう!」
それでいいのかよ?
「クソクラエ!」
それでいい

息を整えろ
濁る眼を狙え
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