残桜抄

風誘う花よりも なを我はまた
春の名残をいかにとやせん
せめてひと太刀
いまひと太刀の
胸に無念の 早や桜 
残す家臣の 忠義まで
散らす 我が身の愚かさよ

[セリフ]
あ…いま少しの辛抱があれば…
そち達の苦労に報いることも出来たのに
許してくれい…許してくれい…
武士としての意地だった
…せめて一言内蔵助(くらのすけ)に 内蔵助に
いま一度 赤穂の桜が見たかった…と想いは馳せる

赤穂の城の幾春咲けし 庭桜(にわざくら)
心静かに 腹切れど
誰ぞ 放つか 鷹の羽を
散るも桜か 残すも桜
命ひとひら 風に舞う
武士の作法の 白袴(しらばかま)
その名 汚がせぬ 一文字
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