なごりの波止場

辛い別れの この淋しさを
知るや知らずや 鳴くカモメ
連れていけない 男の旅路
せめて心は 置いて行く
波が後引く なごりの波止場

港伝いに ランプが点る
忍ぶ心を 照らすよに
なんで忘れよ 忘られようか
ふたり重ねた おもいでは
風が冷たい なごりの波止場

むせぶ汽笛が 別れを急(せ)かす
募る未練が ままならぬ
またの逢う日を 待ってておくれ
云ってまぶたの 裏で泣く
潮路はるかな なごりの波止場
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