オレンジの河

横顔だけで 「送るよ」と言うの
激しいワイパーのむこう
インターチェンジ 渋滞の灯り
街中 深い海の底

車止めて 時間を忘れて
愛が終わるの 見たかった

さようなら ともだちでは
苦しいの 本気だったの
オレンジの河は走る
消えては瞬く想い出を 追い越して

土曜日ならば 高速に乗って
最後の海を見たでしょう
幾つの恋が ここから生まれて
通りを 何処へ流れるの

近くに来た時は 電話して
きっと 微笑んでみせるわ

これからは 髪のかたち
気にせずに 自由でいいの
ここでいい 飛び出す街
お互い ひとりの孤独へと 帰るのね

さようなら ともだちでは
苦しいの 本気だったの
オレンジの河は走る
あなたを追えない哀しみも 流れてく
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