兄ちゃま

兄ちゃま、あれはどこ? 綺麗な水がいっぱいあってさ
白い鳥が泳いでいたよね 貴方はパンくず投げたよね

八景水谷の公園の事? 水が湧き出る公園だよね
水鳥が確かに居たよね 陽射しをいっぱい浴びてね

兄ちゃま、私をもう一度 あそこに連れて行ってよ

私を母が呼ぶ 私の事を兄ちゃま、と呼ぶ‥。

兄ちゃま‥、兄ちゃま 兄ちゃま‥
兄ちゃま 母が私を そう呼ぶ‥

そして、今は夜中の午前2時 私は闇を睨みつけてる
これが俺の人生なのかと この為だけに俺が居るのかと
そして、時折、俺は狂う 得体の知れない運命を憎む
だけど命は一つ 細る命を見捨てちゃいけない、と
やがて、命は動きだす 兄ちゃま、私を起こしてよ
母がベッドで声を出す 私をトイレに連れて行って、と‥

兄ちゃま‥、兄ちゃま 兄ちゃま‥
兄ちゃま 母が私を そう呼ぶ‥

命を看るって事が これ程大きな事だと
最初は思わなかったさ 俺が愛に飢えていただけ
それが間違っていた 俺は一気に大人になったよ
母に命を返す時 今になってそれが見えてきた
もしも、このまま俺が死んでも 母は気づかない
兄ちゃま、どこに行ったの? きっと、そう‥言うはず

兄ちゃま‥、兄ちゃま 兄ちゃま‥
兄ちゃま 母が私を そう呼ぶ‥

兄ちゃま‥、兄ちゃま 兄ちゃま‥
兄ちゃま 母が私を そう呼ぶ‥
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