White Wolf

しなやかに丘をかけて
吹きすさぶ風に向かう
やがて短い夏が終わり
すべてが白くおおわれる
大地のWhite Wolf

育つもの見守るように
愛するもの達のために
澄んだ瞳がとらえたもの
まっすぐ彼をかりたてる
走りつづけた

傷ついた足を
ただいやす時を待ちつづけ
生きること諦めはしない
高い空に向かい吠える
氷の海を渡って行く
孤独が叫び木霊する
耳の奥で

いつか密かな花の中で
ふたたびその眼を覚まさない
静かな朝
雪にかわる
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