覚醒都市

きょうも
嘘のように磨かれる街並みを
目的があるように歩く 僕

泣いているの?
ほんのささやかな過去たちよ
見上げれば
デジタルのスクリーンに
空が…

風の歌を
高い階段を登り
聞こうとした
抱いて
甘く傷ついた夢がもう
覚めてもいい
泣かないで

病んだ都市(まち)
いびつなゆりかごで育った
僕たちは知らない
愛し合う意味を

痩せた腕を
強く引き寄せた
騒音が襲う舗道を
ただ駆け抜けるだけの
人波の奥深くへ
隠れよう

冷たく白いアルミのキスは
いつでも引き出せるよ
ディスペンサーから
それでいいね?

風の歌が
地上の果てから届く
この世界へ
まだ君のことさえも
信じないこの心へ

だけど甘く傷ついた夢を
抱きしめる
ただ駆け抜けるだけの
僕たちの愛おしい今を
抱きしめる
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