チェリィと獣

咬みつくの、心を味わうように
君の好きな言葉で縛りあげて

随分と無機質で寒々しい街に
金色の爪をした猫が笑ってる

私は知っているんだから
隣を奪う気性、荒々しいその瞳が君を狙っている。

咬みつくの、心を味わうように
君の好きな言葉で縛りあげて
誰かさんはその場で爪を立てて
灰の降る街へ消えればいい

随分と無機質で寒々しい路地に
綺麗な爪をした猫が震えている

私は知っているんだから
寄り添いたい衝動、ゆらゆらしたその瞳が君を狙っている

咬みつくの、心を味わうように
君の好きな仕草で縛りつけて
誰かさんはお呼びじゃないの、分かる?
その路地で独り、啼いていればいい

甘い視線も、声さえ君には知られたくないから
あまえついでに耳を塞いで
瞼に落とす唇、視界を優しく奪うの
何も知らない、そんな君のままで

温かな君のすぐ隣は
凍える季節も関係ない
色づいている猫達には
くれてやる場所じゃないのよ

咬みつくの、心を味わうように
君の好きな言葉で縛りつけて
誰かさんはお呼びじゃないの、分かる?
隙間なく、ただ甘えているだけ。

縋る視線も、声さえ君には知られたくないから
あまえついでに耳を塞いで
瞼に落とす唇、視界を優しく奪うの
何も知らない、そんな君のままで
×