天国の月

大きな荷物を抱えていたけど
草疲(くたび)れた夢にゃ不似合いだったのさ

今まで暮らしてくれてありがとう
空の薄墨が溶け出す前に行くよ

未だ見ぬ重さに潰されそうだ
怯えて気付けば空廻り

天国の月 俺等にゃ未だ見えない

小さな誤ち音も無く積もり
残した轍(わだち)を埋め尽くしてしまう

知らずに固めた飾りを払って
賢(さか)しらを崇める陳腐な自分に御沙羅婆

優しい音色に包まれてると
喧騒も暫く嘘の様

天国の月 光を感じてる

五月の晴れ間に戻って行くよ
時の流れに身を委ね

天国の月 静かに浮かんでる

天国の月 俺等は沈んでる
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