裏町氷雨

どこか知らない 軒先で
きっとお前は 雨やどり
小糠(こぬか)雨でも 女には
濡れりゃ冷たい 裏町氷雨
もしも居場所が 分かったら
差してやりたい こころ傘

人は失くして 気付くのか
愛と言う名の 宝物
馬鹿な男の 傷跡に
沁みて泣かせる 裏町氷雨
女ごころの 気配りが
見抜けなかった あの頃は

愛が残って いるのなら
元の一から やり直し
せめてお前の 住む街は
避けて降れ降れ 裏町氷雨
たとえ片袖 濡れようと
差してやりたい ひとつ傘
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