ラブソング

今はおまえと別れようと
こころに決めて
見送るはずの細い肩先
そっとふれたとき
忘れようとしたすべてが
無駄になってしまう

ふたりで見た愛の映画
そのままに
いつもと変わらぬ微笑み残し
死ねたらいいと
季節の美しさがよけいに
おまえを悲しませる

降りしきる雪さえも
窓辺の飾りにして
暖かな火
囲みながら
おまえが唄ったラブ・ソング

数えきれない溜息に
満たされた街を
冬に身をまかせたように
歩きつづける
おまえが泣いていることを
知ってしまったから

降りしきる雪さえも
窓辺の飾りにして
暖かな火
囲みながら
おまえが唄ったラブ・ソング
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