カルンシュタインの系譜

月の明かりは闇と現の境を惑わすと云う
それは幼い貴女があの日見た夢のまま

懐かしい寂しさは
遠い日に交わした接吻

百年 土の下で
赦されぬ契りを重ねながら
貴女に逢いに来たの
魔物達の招待 心は
互いに導かれて――
月夜に仕掛けられた運命

色を失い痩せていく頬が とても綺麗よ

開けないで この鍵は
鉛の棺に続いているから

震える程に甘く
胸を刺す痛みを忘れないで
夜毎に強く抱かれ
咽ぶ唇は 嗚呼 美しい
それでも愛のままに
添い遂げる事はきっと出来ない

『最初で最後の恋』
月下の誓いに嘘はないわ
千年 灰となろう
穢れた血の正体 最期は
愛した貴女の手で
呪いの系譜に幕を下ろして
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