六畳リビング

僕にとって
いったい君の価値とは何だろう?
考えてみても これと言って無くて
それを告げたら
「ひどい」って言って笑ってた

落とし忘れのペディキュアが 爪の先に残っていたり
そんな所が いちいち 愛らしさとして 胸をくすぐるんだよ

六本木にある高層ホテルの
窓から見える景色はいらない
この狭苦しい六畳リビングで
君と過ごす時間が愛しい

ベッドの中でふざけて抱きついた僕を
じっと見つめて 変な空気になったろ
その鼓動がシーツを伝わって来るんだよ

雑誌に載ってた 最高級の
フレンチのディナーなんていらない
この狭苦しい六畳リビングで食べる
君の下手くそな料理がいい

次の連休は どっか出掛けよう
確かそんな約束してたな
でも また 仕事になっちゃったよ
仕方ないだろう 不貞腐れんなよ

六本木にある高層ホテルの
窓から見える景色はいらない
高級フレンチもいらない
なんてね 嘘さ
また強がってみせただけ
でも 今は 狭苦しい六畳リビングで
君と笑ってる それくらいがちょうどいい
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