エクストラ

明け方の澄んだ空気みたいな
懐かしい景色の絵画みたいな
コーヒーに溶けた甘いミルクみたいな
心躍るサウンドミュージックみたいな

風に舞う淡いスカートみたいな
晴れた日の白い洗濯物みたいな
都会に舞う煌びやかな蝶みたいな
教会の讃美歌みたいな

君だった

見えてたのに見失うなら
こんな目は閉ざしてしまうよ
聞こえるのに聞かないのなら
こんな耳は塞いでしまうよ
触れてるのに感じないなら
こんな手は縛ってしまうよ
言葉にして言えないなら
そんな君を忘れてしまおう

真夜中の古いアパートみたいな
幼稚園児の奇天烈なお絵かきみたいな
ミルクのない苦い苦いコーヒーみたいな
耳障りな街のノイズみたいな

色褪せた古着のTシャツみたいな
雨の日置き去り黒い傘みたいな
路地裏の錆びた自販機みたいな
酔い潰れの鼻唄みたいな

僕でした

そばにいたのに頼りなくて
こんな僕で本当ごめんよ
すぐに泣くしすぐ怒るし
こんな僕で本当ごめんよ
いじけてばかり困らせてばかり
こんな僕で本当ごめんよ
言葉にして何も言えない
そんな僕を忘れてしまうの

ハッピーエンドの物語みたいな
はみ出したのは僕でした

見えてたのに見失ってた
だから君に愛してるを言うよ
聞こえるのに聞かなかった
だから君に愛してるを言うよ
触れてるのに感じなかった
だから君に愛してるを言うよ
愛してるのに言えなかった
だからこれで最後でも言う
「愛してるよ」
×