浜唄

朝だ船出だ 錨を上げろ
沖じゃ秋刀魚(さんま)が 待っている。
陸(おか)で手をふる 恋女房に
照れて笑って 綱を巻く。
二千年 二万年
浜じゃこうして 浜じゃこうして 生きてきた。

船は出て行く 朝日が昇る
かもめ飛び立つ にぎやかさ。(東松島・浜甚句)

漁に出る日は 素肌と素肌
あたためあって 送り出す。
無精髭なの 私の亭主
ちくりちくりと 痛かった。
二千年 二万年
浜じゃこうして 浜じゃこうして 生きてきた。

引けよ網引け 大漁網を
月に秋刀魚の 群れ踊り。
船を飾った 五色の旗で
海の風切る 心地よさ。
二千年 二万年
浜じゃこうして 浜じゃこうして 生きてきた。
生きてきた。
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