花の幡隨院

花のお江戸は 幡隨院の
侠客長兵衛が 引き受けた
一人乗り込む 旗本屋敷
命 命捨て身の
アンア アアアア アンアアー 町奴

男伊達なら あの長兵衛と…

人に云われたこの俺が
片手を上げりゃ千、二千
子分身内は集まるけれど
ぐっとこらえて来た俺だ
罪なき江戸の町人衆に
俺ゃ喜んで死んで行くと
にっこり笑って息絶える
東男のアンアンアン
アアンアアン アーアーアン
アーアーアー 晴れ姿

「さすがは長兵衛…
あっぱれな最後…
武士の遺恨と意地とは云え
惜しい男を亡くしてしまった…
許せ長兵衛
そちは日本一の…男であった」

度胸千両で 今売り出しの
侠客長兵衛は 江戸育ち
死出の旅路の 桜の花を
散らす 散らす無情の
アンア アアアア
アンアアー なみだ雨
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