正しい街

あの日飛び出した此の街と君が正しかったのにね

不愉快な笑みを向け長い沈黙の後態度を更に悪くしたら
冷たいアスファルトに額を擦らせて期待はずれのあたしを攻めた
君が周りを無くした
あたしはそれを無視した
さよならを告げたあの日の唇が一年後
どういう気持ちでいまあたしにキスをしてくれたのかな

短い嘘を繋げ赤いものに替えて疎外されゆく本音を伏せた
足らない言葉よりも近い距離を好み理解出来ていた様に思うが
君に涙を教えた
あたしはそれも無視した
可愛いひとなら捨てる程いるなんて云うくせに
どうして未だに君の横には誰一人居ないのかな

何て大それたことを夢見てしまったんだろう
あんな傲慢な類の愛を押し付けたり
都会では冬の匂いも正しくもない
百道浜も君も室見川もない

もう我が儘など云えないことは分かっているから
明日の空港に最後でも来てなんてとても云えない
忠告は全ていま罰として現実になった

あの日飛び出した此の街と君が正しかったのにね
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