アイヨ何だい三郎君

“オーイ 中村君”
アイヨ何だい 三郎君
僕と君との 仲だもの
逃げる公算(つもり)は ないけれど
家で女房が 今頃は
さぞや帰りを 待つだろう
思や 思や心も あゝうわのそら

“オーイ 中村君”
アイヨ何だい 三郎君
たとえ貧しい 夕飯(ゆうげ)でも
こころづくしの 手料理で
可愛い女房が 酌ぐ酒を
飲んでほんのり 酔う気持
一人 一人者には あゝ判るまい

“オーイ 中村君”
アイヨ何だい 三郎君
どうだ一緒に 行かないか
見せてあげよう 甘いとこ
きっと女房が 欲しいなと
君も宗旨を 変えるだろ
僕に 僕に仲人 あゝまかせなよ
×