風の声


渓をわたる風の中
呼んでいる父の声
におうような萌黄の山
ぼくらのふるさと

緑は増し雨をうけて
夏の山はざわめく
谷間の空は狭いけれど
昼の星も見えるよ


のびてゆく影法師
呼んでいる友の声
降りしきる木の葉の舞い
ぼくらのふるさと

手をつなぎ声かけあって
雪の中を進むよ
谷間の道は遠いけれど
胸はいつも燃えてる
×