夕映え

川を渡った風の音に
息も出来ずに目を閉じたのは
「冷たいねっ」って今もあなたが
手をつないでくれそうだったから

西陽をあびて電車が街の向こう滲んで
この胸の痛みも時間(とき)の路線に乗って
少しずつ少しずつ薄れてゆくのでしょうか

ずっとずっと あなたのそばに
いたかったのに
川面揺れる光のように
恋も消えていった

シロツメ草の咲く土手で二人初めてkissをした
微笑むあなたの瞳の中で 細い三日月揺れていた

「行かないでっ」て あの時 思い切り泣けたら
今頃ここに座って 夕映えに頬を染めて
ゆるやかに流れてゆく川を見ていたのでしょうか

ずっとずっと あなたのそばに
いたかったのに
涙でうるんで遠ざかる後ろ姿を
今も胸に焼き付けて 見送ってる

ずっとずっと あなたのそばに
いたかったけど
今もこの景色の中で 見送ってる

川面揺れる光のように
恋も消えていった…
×