石見銀山ひとり坂

別れの朝に 愛されるほど
かなしい恋は ありません
代官屋敷に 降る雨も
五百羅漢に 散る花も
あなたと ふたりの 想い出ばかり
石見銀山 ああ ひとり坂

忘れるための お酒の味は
飲むほど薄く 醒(さ)めてゆく
出雲の神様 怒らせて
こころ乱れた この胸は
あなたが 刻(きざ)んだ ノミ跡(あと)ばかり
石見銀山 ああ ひとり宿

季節の花に 手が触(ふ)れるたび
切ない恋は 香り立つ
苔(こけ)むす反り橋 はぐれ橋
紅(あか)い炎は 山つつじ
あなたと もいちど 来るはずだった
石見銀山 ああ ひとり坂
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