姫鏡台

しあわせでしたか お母さん
さび朱色した 姫鏡台
化粧もしない 明け暮れにも
ほつれ髪見せずに 笑ってた
面影が やさしく揺れてる
元気だしてと 云うように

雪国生まれと 思うほど
雪になじんだ ひとでした
故郷(ふるさと)とおく 嫁いできた
若い日のあなたが 愛おしい
父さんに 言えない苦労も
私 今ならわかるのに

時にはため息 かけながら
母の磨いた 姫鏡台
ささやかでいい 日々の暮らし
大切に生きます お母さん
ありがとう 言わせてください
今も あなたの娘です
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