愛しの理不尽

差し出された未来を眺めて どうにでもなるさと笑った
その背中に冷たい手の平 突き落とされたスクランブル

前も後ろも右も左も
肩組みする歯車に取り囲まれて
どうにでもなれ!と逃げる背中を
“腰抜け”と世間が決め付ける

人はみんな助け合えるから 信じられるさと頷いた
その瞳に乾いた一言 追いつめられた扉の前

今日も昨日もきっと明日も
目配せする嘲りに放り出されて
信じられない!と拒む瞳を
“可哀そう”とメディアが決め付ける

にじむ夕暮れ 振り返る道 今さら蘇る放課後の残り香
帰りたくない!と流す涙を “子供だ”と社会が決め付ける

笑えばいいさ 馬鹿にすればいい
誰もが語る“普通”にはなりたくない
常識の雨に打たれ呆れて
僕は僕の歌声を決め付けるさ
嗚呼、愛しの理不尽なこの世界よ
嗚呼、愛しの理不尽なその心よ
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