ゆりかごのある丘から

草原には優しい風が吹いていて
草花達が一日中ワルツを舞ってた
鳥達の賛美歌をミツバチが運んできて
それが僕らの耳元で飛び交ってた

ゆりかごがそこにはいつも置いて有り
腰掛けた君の揺れる髪を撫でる度
柔らかな香りが僕を包み込み
思わず僕はその髪にキスをする

いつもここで待ち合わせて
君の作ったランチを食べてたっけ……

でも僕が戦場に行っているその間
君は大人になってしまっていて
あの約束を頼りに 生き延びて戻ったのに
君はもう違う誰かの腕の中
そして僕は一人

草原はあの日のままの優しさで
くたびれて戸惑う僕をそっと包み込む
争いには勝ったけど大事な物を失くして
一体僕は何をしていたのだろう

ぼくの肩に頭のせた
君の写真ゆりかごに置いて見て

一度だけ君がくれた 手紙を読み返したら
気付けなかった寂しさが降ってきて
ごめんねとつぶやいても もうどうなる訳でもなく
切なさがギュッと胸をしめつける
Ah 僕が戦場に行っているその間
君はもう違う誰かの腕の中
そして僕は一人
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