パナマ運河

カリブの風に 誘われて
ひさしぶりだぜ バルボア港
嵐くぐった 船員(なかま)らと
テキーラ一杯 ひっかけて
赤いラテンの 焔(ほのお)の花と
昼からしけこむ 安ホテル
あぁこのままで 葉巻くわえて
お前の男で 暮らそうか
パナマ運河の 宿のデッキを
錆びた貨物船(かもつ)の 横腹が
人生みたいに 過ぎてゆく

光と影の 船乗りにゃ
まぶしすぎるぜ 綺麗な瞳
椰子の木陰で 三日過ぎ
あばよが言えない 恋ごころ
バンドネオンの 吐息に燃えて
夜まで踊ろう 別れまで
あぁ紫の シャツをきめこみ
お前の男で 暮らしたい
パナマ運河の 宿のデッキを
錆びた貨物船が 霧の中
人生みたいに 過ぎてゆく
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