25~ヴァンサンク~

切り揃えた髪を 撫でるように
風が香った 懐かしい日々
タンポポの綿毛を追いかけた河原や
天空(そら)あおぎ見てた幼い頃

時は川の流れに似ていて
知らず知らず過ぎゆくもの

愛した人たち すれ違った時の中で
震える肩を ただ自分の腕で抱いた夜もあった
通り過ぎた雨 涙さえも洗ってゆく
その後に残った あなたのもとへ続く道を
やっと見つけられた

夏の蝉の声の儚さにも
秋に散りゆく銀杏並木も
冬を偲び 春に芽吹く蕗の薹(ふきのとう)も
全ての想いが時を超える

街を染めてく夕日をみれば
穏やかだった今日を知る

ただふたりだけで夜明けを待ち 寄り添いあう
儚い約束はしなくてもいい 今は抱きしめてて
幸せかどうか 聞かなくても 安心して
こうして側にいるこの瞬間(とき)こそが 答えだから
言葉より確かな

永遠なんて わからないけど
明日も側にいて..
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