海峡酒場唄

古い錨に からんだ夕顔の
花も淋しい 海峡酒場
あいつに言えない ままだった
男のこころの 裏の裏…
ひと口…ふた口… 呑めば無口にさせる酒

赤いネオンも 凍(しば)れる木枯らしに
雪が舞い込む 海峡酒場
底冷えしそうな 人の世で
ちいさな温もり くれた奴…
ひと節…ふた節… 誰が歌うかブルースを

軒の氷柱(つらら)を 砕いて酒ン中
外は吹雪の 海峡酒場
明日(あした)はどこかの 北荒野
手紙を燃やして 忘れよか…
ひと口…ふた口… 呑めば泣かせる面影よ
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