風酒場

噫………
酒のやさしさ 苦っぽさ
いやというほど 滲みた夜は
背(せな)でしくしく 古賀メロディが
泣くな泣くなと 泣いてたなあ

噫………
暗いとまり木 折り鶴を
たたむ女の よこ顔に
別(き)れたあいつの 行方が何故か
ふっと気になる 夜更け頃

噫………
人のぬくもり 欲しさに
知らぬ同志が 肩ならべ
注いで注がれて 憂き世のうさを
もやい酒する 風酒場
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