ころころと 転がせば
ころころと 戻ります
縁側の 昼下がり
子猫も あくびする
毬遊びが 好きでした

にこにこと 笑ったら
にこにこと 返します
そんな素敵な 父でした
友達は 笑うけれど
やっぱり父が 好きでした

ころころと 転ばせば
ころころと 戻ります
いつも優しい 父でした
幼い頃の私
毬遊びが 好きでした

いつまでも 一緒だね
いつまでも 一緒だよ
指きりしたね おばあちゃん
かなしいな さみしいな
戻らぬ人と なりました

大嫌い もういやよ
大嫌い 父のこと
なんて冷たい 父だろう
涙も見せず もくもくと
葬儀をこなす 父でした

わぁわぁと 泣いている
わぁわぁと 泣きじゃくる
子供のような 父でした
私 見てしまいました
おばあちゃんの写真 抱いていた…

ころころと 転がせば
ころころと 戻ります
あの毬のよに
やっぱり優しい 父でした
やっぱり私の 父でした
×