あゝ草枕幾度ぞ

あゝ草枕 幾度ぞ
棄てる命は 惜しまねど
まだ尽きざるか 荒野原
駒の吐息が 気にかかる

鞍(くら)を浸(ひた)して 濁流(だくりゅう)を
越えてまた衝く 雲の峰
いななけ黒馬(あお)よ 高らかに
俺もお前も つわものだ

思えば遠く 来しものぞ
渡る風さえ 母の声
未練じゃないが ふる里へ
夢や今宵は 通(かよ)うらん
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