鼎の問

誰かを庇った姿のまま
肩に落とした小降りの雨
何か話しかけては無音のまま
拙く耐えた五分後には

街中の灯が落ちて
握る手に残された
今この世界
何度目の秤に乗せた鼎の問

誰かを押しのけ連れて行くの
剥ぎ取り奪い逃げて行くの
笑顔で答えた糸も切れた
桃源郷と理想は消えた

参道に影はなく
祈る手に血の滲む
怒りを見せて何度でも
軽さに溶けた鼎の問

街中の灯が落ちて
握る手に残された
参道に影はなく
祈る手に血の滲む

街中の灯が灯り
参道に人溢れ


目の前の何度目の
祈りを超えて何度でも
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